〈みんなで学ぶ仏法〉1 「勤行」にはどのような意味があるの?2023年8月20日

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登場人物

 新連載「みんなで学ぶ仏法」では、未来部や新入会のメンバーが“それってどういうこと?”と感じる、仏法への疑問や質問に答えていきます。

 アオ それ、ぼくも疑問に感じたことがある。
 毎日、声に出して読んでいるから、暗記しているけど、どういった意味があるのか気になってたんだ。
  
 ユリ とても大事な質問ね。私も未来部の時に気になっていたわ。一言で言うと、“南無妙法蓮華経の御本尊をたたえて、私たちが唱える題目の功徳を増していく意義”があるの。
  
 ハル へー! そうだったんだ。
 でも、なんで勤行にそのような意味があるの?
  
 ユリ 2人は、法華経って知っているかしら?
  
 アオ ホケキョウ……。(ウグイスの鳴き声じゃないよな)。
 仏教の経典だっけ?
  
 ユリ よく知っていたね。仏教の創始者である釈尊が説いた教えの中でも、最高峰となる経典が法華経なの。
 「勤行」では、その法華経の28品(章)の中でも、特に重要な法理が説かれている「方便品第2」と「如来寿量品第16」の、重要な箇所を読誦しているのよ。
  
 アオ (やっぱりウグイスの鳴き声じゃなかった)。確かに「勤行要典」の冒頭に「妙法蓮華経。方便品。第二」、8ページの冒頭には「妙法蓮華経。如来寿量品。第十六」ってある。それぞれ、どのような内容なの?
  
 ユリ 分かりやすく言うと、「方便品」では、“全ての人々が平等に成仏することができる”という原理が明かされているの。また、「如来寿量品」には、“だれでも、いつでも、どこでも、仏の生命を現すことができる”ということが明かされているわ。
  
 ハル つまり、“だれもが平等に幸せになれる”ということが書かれているのね。
  
 ユリ そういうことね。日蓮大聖人は、「とりわけ(法華経)28品の中でも勝れて立派な品は、方便品と寿量品です」(新1646・全1201、通解)と仰せなの。勤行は、方便品・寿量品という仏の最高の言葉によって、南無妙法蓮華経の題目を心からほめていることになるのよ。
  
 アオ そうだったんだ。意識していなかったよ(汗)。じゃあ、唱題だけじゃダメってこと?
  
 ユリ あくまで、「南無妙法蓮華経」と唱える題目が根本よ。その上で、勤行と唱題は、“ご飯”(唱題)と、“おかず”(勤行)の関係ということができるわ。「勤行」には、題目を唱える功徳を増していく意義があるの。
  
 ハル 分かりやすい例えになっとくした! 「勤行」の全ての意味を理解しないとだめなのかな?
  
 ユリ ゆくゆくは、私も一緒に学んでいきたいと思うけど、心配しないで。
 池田先生は「たとえ意味がわからなくとも、御本尊への勤行・唱題の声は、すべての仏・菩薩、諸天善神のもとに届いている。そして、目には見えないが、その人の願いを叶えるために、全宇宙が動いていくのです」と教えられているの。
 大切なのは、御本尊を信じて純粋に題目を唱えていく姿勢なのよ。
  
 アオ とても安心したよ。漢文と古文、苦手なんだ。

 ユリ 大丈夫よ(笑)。例えば、自分は英文の意味が分かっていなくても、発音が正しければ、英語が分かる人には、意味が正しく伝わるよね。
 勤行・唱題は“仏や菩薩の世界の言葉”ともいえるの。今や、国や言語の壁を越えて192カ国・地域に広がったSGI(創価学会インタナショナル)のメンバーによって、24時間365日、地球上のどこかで私たちと同じ勤行・唱題の声が響いているのよ。
  
 ハル すごいことだね! 私は将来、世界で活躍したいと思っているから、どこにいっても、勤行・唱題に挑戦しようと決意したわ。
  
 アオ 「勤行」の意味が分かってすっきりした。ぼくも引き続きがんばっていくよ!