おはようございます。部屋の温度は19℃。明るい朝です。

地域に貢献することによって、大きな信頼根本は人間同士の信頼関係の構築に根本は人間同士の信頼関係の構築を大切にした地域は発展する。戦争こそ最悪の不信をばらまく。更に一握りの指導者の誤った考えのためにだ。どんな考えを持っているか、日頃どう行動しているかだ。しっかり吟味する時代だ。今日もお元気で。

 

韓国・済州島――麗しの宝島を訪ねて2023年6月1日

  • 明年、池田先生の来島25周年 模範の弘教、信頼光る社会奉仕

美しい海と大自然に包まれた韓国・済州島。手前に見える白亜の建物が、「済州韓日友好研修センター」の本館。その彼方には、同国最高峰の漢拏山(ハルラサン)がそびえ立つ

美しい海と大自然に包まれた韓国・済州島。手前に見える白亜の建物が、「済州韓日友好研修センター」の本館。その彼方には、同国最高峰の漢拏山(ハルラサン)がそびえ立つ

 韓国最大の島である済州島。この島で、韓国SGI(創価学会インタナショナル)の同志は「良き市民」として地域社会に信頼を広げている。明年は、池田大作先生の来島25周年。同SGIが誇る求道の城「済州韓日友好研修センター」とともに、済州広布の歴史と今を追った。

1:22済州島と済州韓日友好研修センターの動画を視聴できます

 韓国の首都ソウルから飛行機で約1時間。眼下に、広大な緑の大地が見えてきた。
 紺碧の海に浮かぶ楕円形の島――国内外から多くの人が訪れ、“東洋のハワイ”とうたわれる済州島である。島の中央には、同国最高峰の漢拏山。この山の噴火によって同島は生まれた。今も昔も慕われる済州のシンボルである。
 
 火山活動がつくり出したダイナミックな景観は見る人の心をとらえ、2007年には「済州火山島と溶岩洞窟群」との名称で、同国初となる世界自然遺産に登録された。

鍾乳洞・万丈窟(マンジャングル)

鍾乳洞・万丈窟(マンジャングル)

天地淵瀑布(チョンジヨンポッポ)

天地淵瀑布(チョンジヨンポッポ)

 一方、済州島には、“悲しみの歴史”も刻まれている。日本支配下の第2次世界大戦では、島民が強制的に労働に駆り立てられ、島は要塞と化した。戦後には、祖国の南北分断に抗議した島民が武力で鎮圧され、数万人が犠牲になった。
 
 ――5月22日、こうした済州の“今と昔”に思いをはせつつ、済州国際空港に降り立つと、爽やかな風が緑の匂いを運んできた。

“市民の台所”として、多くの人々でにぎわう東門市場(トンムンシジャン)

“市民の台所”として、多くの人々でにぎわう東門市場(トンムンシジャン)

 済州島は韓国有数の植物の宝庫でもある。春には、美しい菜の花が、そこかしこで咲き薫るという。今の季節は、ツツジが鮮やかな花をつけていた。

鮮やかに咲くツツジ

鮮やかに咲くツツジ

◆趙文富博士との友情

 池田先生が来島したのは、1999年5月。国立済州大学から名誉文学博士号を受けるため、同島の済州市にある同大学キャンパスを訪れた。この歴史から明年で25年となる。

国立済州大学のキャンパス

国立済州大学のキャンパス

 空港を後にし、車で済州大学のキャンパスを訪ねると、緑あふれる構内を、多くの学生がにぎやかに行き交っている。授与式が行われた会場も、建物の名称は変わったものの、当時のままである。
 
 先生は式典の謝辞で「『東洋の宝の島』が、いずこの地よりも希望と幸福と栄光に輝いていく」ことを願い、人間教育によって「人間と人間の連帯の詩」「民衆と民衆の結合の絵巻」を創造し、後世にとどめゆくことを誓った。
 
 謝辞に先立ち、式辞を送ったのが、当時の総長だった趙文富博士(2021年に逝去)である。“済州島民は、誰よりも世界との共存を目指し、平和を愛する人々です。名誉博士の学位は、池田先生のような「人類文化の発展のため献身された方」に、最高の栄誉を贈るための大学の制度なのです”――と。
 
 先生と博士は長年、深い友情を育み、7度会見。2冊の対談集(『希望の世紀へ 宝の架け橋』『人間と文化の虹の架け橋』)を発刊している。
 
 博士は、地元のSGIメンバーとも交流。韓日の青年による平和フォーラムで記念講演を行うなど、SGIの人間主義の哲学に深い共感を寄せ続けた。

1999年5月17日、韓国・済州島に立つ国立済州大学で、総長(当時)の趙文富博士と語らう池田先生。この日、同大学から先生に「名誉文学博士号」が授与された

1999年5月17日、韓国・済州島に立つ国立済州大学で、総長(当時)の趙文富博士と語らう池田先生。この日、同大学から先生に「名誉文学博士号」が授与された

◆不屈の折伏の歩み

 池田先生は、この訪問中、同志との記念撮影を。「仏法に行き詰まりはないのです。希望に燃えて! 私と一緒に!」と励まし、「偉大なる/大韓国の/皆さまと/握手も固き/済州島かな」等と詠み贈った。

 島を離れる瞬間まで同志を激励し続けた先生。当時、同島の組織の中心者だった金昇範副理事長は目頭を熱くする。「言葉にならないほどの感動でした。到着されてから出発されるまで、一瞬一瞬が“広布の誓い”“師弟の誓い”の連続でした」

 済州広布の草創期は、苦難の連続だったという。島という狭い社会にあって、土着の信仰が根強く、外から持ち込まれる思想に、島の人々は厳しい警戒と監視の目を向けた。その中で、友は不屈の心で折伏の歩みを進めていった。

 その力となったのが座談会である。座談の場で語られる「題目を根本に病魔を克服した」「折伏に励んで経済苦を乗り越えた」といった宿命転換の信仰体験が、多くの同志に信心の歓喜を与えた。確信を強めた友は、いや増して弘教に励み、次々にメンバーが誕生していった。

 一方で島の同志は、社会と地域のために、海岸のゴミ拾いなどの社会奉仕活動を地道に続けてきた。

 その信頼の証しとして、済州道(当時)から池田先生に「名誉道民」の称号が授与(2004年5月)。済州特別自治道議会からは、先生ご夫妻に「特別顕彰牌」が贈られている(19年5月)。

◆青年が共に平和へ

求道の城・済州韓日友好研修センター。同センターでは、韓国SGIの友の研修が活発に行われている

求道の城・済州韓日友好研修センター。同センターでは、韓国SGIの友の研修が活発に行われている

 空港と済州大学のある済州市から、南部の西帰浦市へ向かう。漢拏山の山裾を通り、1時間ほどで韓国SGIの「済州韓日友好研修センター」に到着した。

 同センターは大海原を望む景勝の地に立つ。オープンは2002年。開所式には趙文富博士も出席している。これまで、韓国と日本の青年が研修会を開くなど、友好交流の拠点となってきた。

 池田先生はかねてより、韓国を「文化大恩の国」と呼び、同国の識者に深い感謝と敬意を表してきた。
 「百済国より始めて仏法渡る」(新2002・全1392)と御書に仰せの通り、仏教は韓・朝鮮半島から日本に伝わった。漢字や紙なども半島からもたらされたものである。

 先生は、平和を求める仏法者として、この史実の上に立ち、日韓数千年の大局的歴史観から、かつての日本が犯した非道をわび、新たな友情の道を切り開いてきたのである。
 同センターは、その精神を継承し、両国の青年が平和の未来を誓う場所となっている。

 センターの本館の目の前には、手入れの行き届いた庭がある。各所で“石で作られたおじいさん”の像「トルハルバン」が迎える。

済州島の至る所で見かける「トルハルバン(石のおじいさん)」

済州島の至る所で見かける「トルハルバン(石のおじいさん)」

 庭園には、威風堂々とした「韓日友好獅子像」や、6体の女性像が連帯を表す「世界平和の像」が立つ。
 
 06年には先生の「桂冠詩人」称号と「世界桂冠詩人」賞を記念して、「世界桂冠詩人の碑」を設置。碑の前には、たくさんのスイレンが花咲く「詩人の池」が広がっている。
 
 研修や会合で使用できる平和講堂など、施設も充実している。

「韓日友好獅子像」

「韓日友好獅子像」

6体の女性像が連帯をあらわす「世界平和の像」

6体の女性像が連帯をあらわす「世界平和の像」

済州韓日友好研修センターの「世界桂冠詩人の碑」。目の前に「詩人の池」が広がる

済州韓日友好研修センターの「世界桂冠詩人の碑」。目の前に「詩人の池」が広がる

◆宿命転換の信仰体験語る座談会こそ広布前進の力

 美しい自然と師匠の心に包まれた同センターを誇りとし、広布に駆けているのが済州方面のメンバーだ。
 
 先生の韓国SGI本部訪問25周年の本年、友は師弟共戦の心に燃え、3月には62の地区、4月には192の班で記念座談会を開催。勢いよく弘教拡大を進めてきたという。その最大の推進力は、やはり婦人部である。
 
 「5月には婦人部総会をにぎやかに行い、141人の折伏が実りました。参加してくれたある友人は、皆の笑顔と温かな雰囲気に、『こんな素晴らしい信仰があったなんて!』『私も一緒に題目をあげたい。会合に行きたい』と感動していました」(曺淑方面婦人部長)

本年、済州の各地で行われた座談会。功徳あふれる体験談や師弟共戦の心燃える発表に、皆がさらなる広布前進を誓い合った

本年、済州の各地で行われた座談会。功徳あふれる体験談や師弟共戦の心燃える発表に、皆がさらなる広布前進を誓い合った

 長引くコロナ禍によって、観光業が盛んな済州島の経済は大打撃を受け、苦しんだメンバーも多かった。

 そうした中、壮年部も宿命を使命に変える勇気の前進を続けてきた。
 「一対一の対話に力を注ぎ、本年、壮年部だけで支部平均2世帯に迫る弘教を成し遂げました。市場の責任ある立場で奮闘する友もいるなど、皆が地域貢献に励んでいます」(尹鏞悳方面長)

 青年部は、先生の指導をつづったカードなどを活用し、同世代に励ましを広げる。
 「幸せにしたい友人の名前を書き、その友人のために実践する項目を記した表を作成して、皆で推進しています。進路に悩んでいるルームメートに対話し、共に学会活動に参加して、入会した友もいます」(金宙令方面女子部長)

 「男子部は弘教の目標を達成して、この5月を迎えました。その戦いの中で、病を克服した男子部員の体験が友に勇気を与え、その友も病を乗り越えて元気になったというエピソードも生まれました」(李準永同男子部長)

 草創の同志が貫いた勇気と不屈の信心は、後継の青年部、そして未来部へと確かに受け継がれている。

 師匠との原点を胸に、伝統の座談会を活動の柱として、元気に拡大に駆ける済州の同志。口々に師匠への感謝と報恩の決意を語る姿に、「師弟」の持つ無限の前進の力を見る思いがした。

◆「三麗」「三宝」の島

城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)と朝日。大海原を照らす光は、「太陽の仏法」を広げる同志の尊い姿にも似て

城山日出峰(ソンサンイルチュルボン)と朝日。大海原を照らす光は、「太陽の仏法」を広げる同志の尊い姿にも似て

 晴れた日の早朝には、同センターから壮大な天空の劇――大海原から昇る太陽が大地を燦々と照らす光景が見渡せる。
 
 「三麗(美しき自然と果実と心)」「三宝(宝の海の幸、植物、島言葉)」の島が、旭日を浴びてまばゆく光る。同じように、「太陽の仏法」は今、済州の天地を「幸福の大光」で照らしている。
 
 尹方面長は友を代表して固く誓う。
 「生涯、済州広布のために戦います。池田先生のご来島25周年の明年へ、同志の人間革命のために力の限り走り抜いていきます!」
 
 (記事=鯉渕和博、写真=川上孝徳、済州島を上空から撮影した写真と座談会の写真は和光新聞社提供)

済州韓日友好研修センターから望む漢拏山

済州韓日友好研修センターから望む漢拏山