名字の言 大谷選手がWBC決勝前に放った一言2023年4月23日

 「僕らは、きょう超えるために、トップになるために来たので、きょう1日だけは彼らへの憧れを捨てて勝つことだけ考えていきましょう」。WBCの最優秀選手に輝いた大谷翔平選手が、アメリカとの決勝前に放った一言だ▼NHKがHPで紹介する「大谷語録」に触れると、彼は「心で勝った」選手だと思った。まず、自分の一念で勝ち、ひとたびプレーするや最大限の力を出し切る。「自分が今出せる100%をしっかりと試合の中で出せるというのが、チームにとっても一番大事」との言葉もあった▼御書に「自身の思いを声にあらわすことあり。されば、意が声とあらわる(中略)また声を聞いて心を知る」(新663・全469)と。言葉は人なり。声は人なり。大谷選手の発言は、大谷選手にしかできないものだったといえよう▼常勝将軍ナポレオンが語る不滅の真理がある。「塹壕の中にとどまっている方が負ける」(長塚隆二訳)。心が受け身になり、「守り」になれば、前進は止まる。心から受け身を追い出し、「攻め」に徹すれば、限界の壁は必ず越えられる▼勝敗はまず、一念の中で決する。一念の「念」は「今の心」――心に「勝利」の二字を刻み付け、最後まで「攻め」の前進を貫こう。(革)