名字の言 「波浪は障害にあうごとに、その頑固の度を増す」2022年12月11日

 学術者になる夢をかなえ、大学の教壇に立つ男子部員。だが、ここに至るまでは紆余曲折の歳月だった。病がきっかけで中学時代は不登校を経験。大けがをした高校時代は、同級生より卒業が1年遅れた▼“病気やけがさえなかったら、スムーズに未来が開けたのに”と悔やんだ時もあった。ある日、学会指導を研さんする中で「波浪は障害にあうごとに、その頑固の度を増す」との格言が池田先生の座右の銘であると知った。以来、彼もその言葉を胸に前進してきた▼ある女性部員は目を患い、医師から手術を提案された。ただ、それは失明の可能性もあるほどの難しいものだった。しかし、彼女は意を決する。臨んだ手術は成功した▼彼女は視力が回復した今年1月から、御書新版の拝読、小説『人間革命』『新・人間革命』読了への挑戦を始め、先頃、全てを成し遂げた。「目がよく見えるようになったら何がしたいかを自問し、迷うことなく開始しました。これほどまでに真剣になれたのは、闘病という苦難があったからです」▼生きる途上には、思いもよらぬ試練がある。その時、“これさえなければ”と悔やむより、“これがあるから”と奮起した方が、人生を開いていける。苦闘は、成長の糧になる。(城)