〈統監部に贈る池田先生の指針〉2022年12月6日

  • 新たな時代を志向する広宣流布の頭脳たれ!

 陰で広布を支える皆さんに、一言、御礼を申し上げたい――そういう思いで、きょうは出席させていただいた。広宣流布における統監部の使命について、きょうは語り残しておきたい。
 
 言うまでもなく創価学会は、仏意仏勅の、広宣流布を目的とした教団である。そのために、時に適った平和・文化・教育の運動を重層的に進めている。事実の上で広宣流布を進める教団は、過去にも、現在にも学会以外に存在しない。未来もまた、あり得ないであろう。
 
 日蓮大聖人の仏法は今、大きな蓮華の花が咲くように、学会によって満開に花開きつつある。新たな時代を志向して、いかなる障魔にも崩れぬ基盤を築いておきたい――そういう決意で、私は戦っている。
 
 そのためには、「基本」を完璧にすることである。
 
 広宣流布が事実の上で、実勢の上でどこまで進んだのか。それを曖昧に、大雑把にしないで、時に重箱の隅をつつくように見えても、厳密に、正確に把握する。この「基本」が絶対に必要である。
 
 かつて、いわゆる言論問題の嵐が吹き荒れた時、大実業家の松下幸之助氏は「創価学会は基本をたもっている。だから、立ち上がることができる」と喝破された。
 
 人生の荒波を越え、大偉業を成し遂げた人は、物事の本質を的確に見抜くものである。
 
 事実、戸田先生の時代以来、学会は、いかなる烈風にも、信心の基本と原理に立ち戻り、そのたびに立ち上がってきた。だからこそ、今日の発展がある。

「基本」に徹し抜く陰の労苦に感謝 

 広宣流布の活動にとっての基本。それが統監であり、それを担う皆さんはいわば、「広布の頭脳」ともいうべき方々である。
 
 統監という基本が盤石であればこそ、リーダーは、刻々と変わる状況を緻密に分析することも、的確に判断することもできる。
 
 複雑な組織体である人間の生命を扱う医療においても、正確な検査の数値に基づいて、「神経痛を患っている」「少し心臓が弱っている」「○○の栄養素が足りないから、補う必要がある」などと判断し、速やかに対処していく。
 
 生きた運動体であり生命体である創価学会も同じであろう。
 
 ここには、これだけの同志がいる。あの地はこれだけ増えた、あるいは減った――皆さんが苦労し、この基本の作業を積み重ねているからこそ、広布の運動は生き生きと未来に脈動していく。
 
 家庭においても、今月は1万円足りないとなれば、浪費を抑えようと、賢くやりくりしなければいけない。それが、道理であり、現実の「信心即生活」の戦いであろう。
 
 いわんや、広宣流布の活動においては、組織の実態が、一目瞭然に分かっていなければいけない。
 
 その基本があるから学会は強い。潔癖なまでに基本に徹する精神が、今日までの学会を支えてきた。幾多の暴風雨にも微動だにせず、前進することができたのである。
 
 その意味で、統監部の皆さんは広宣流布の目であり、耳であり、頭脳である。正義の和合僧という生命体の医師である。随縁真如の智を働かせ、創価学会を守ってくださる存在である。
 
 皆さんの取り組みは、目に見えない、最も地道なものであるが、その労苦に光る功徳はあまりにも大きい。
 
 広宣流布の戦いは、永遠に仏と魔との闘争である。“一人として広布の陣列から離れる人を出さない”と、深く祈り抜いていただきたい。
 
 大勢の同志を守り、厳然と広布の城を守り抜くために、よろしくお願いいたします。
 
 〈1978年(昭和53年)7月30日、地涌会館(創価文化会館内)でのスピーチから〉