〈座談会〉 10月30日はカレルギー伯爵との初会談から55年 使命の舞台で勇気の対話を2022年10月27日

〈出席者〉原田会長、長谷川理事長、永石女性部長、西方青年部長、先﨑女子学生部長

 西方 昨日の随筆「『人間革命』光あれ」で触れていただきましたが、10月30日は、「欧州統合の父」と呼ばれた政治学者、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー伯爵と池田先生の初会談から55年の佳節です。

 原田 これが、先生と世界の識者、文化人との本格的な文明間・宗教間対話の始まりとなりました。第1次世界大戦をオーストリアの地で目の当たりにした伯爵は、青年時代から「パン・ヨーロッパ運動」に挺身し、欧州連合(EU)の創設に多大な影響を与えた存在として知られています。

 先﨑 会談は、伯爵の要請で訪日の折に実現。「世界平和に果たす日本の使命」「創価学会の運動の国際性・普遍性」など話題は多岐にわたったそうですね。

 長谷川 対談の中で伯爵は、「高度産業社会において、生活と人生を意義あらしめるのは、科学技術でも政治でもなく宗教である」との観点から、学会の運動に万感の期待を寄せられています。

 永石 また、「日本が世界に向けて輸出すべきものは、たんなる物や技術だけではありません」「もっと大事なことは、偉大な思想を外国に向かって、世界に向けて紹介することです」「その偉大な思想とは、インドに起こり、中国を経て、日本で大成した、平和的な、生命尊重の仏教の思想です」とも語っていましたね。

 原田 以降、書簡や会談で交流を重ね、後に対談集『文明・西と東』として結実します。これが、世界の識者との対談集「第1号」となりました。この伯爵との会談の5年後に20世紀最大の歴史学者のトインビー博士との対談が、ロンドンで行われます。それが『21世紀への対話』と題した対談集となりました。

 長谷川 その後、先生が重ねてこられた海外の識者との対話は1600回以上、世界の知性と発刊した対談集は80点を超えます。

 原田 立正安国論に「しばしば談話を致さん」(新25・全17)とあるごとく、日蓮仏法は、民衆の平和と幸福を築くための「対話の宗教」です。世界中に平和への潮流を起こした師の言論闘争に連なり、私たちも、自身の使命の舞台で勇んで対話に挑んでまいりたい。

農漁光部の体験に感動が広がる

 永石 今、11・18「創価学会創立記念日」を広布拡大で勝ち飾ろうと、全国各地で、対話の波動が大きく広がっています。

 西方 そうした中、農漁光部の信仰体験が2本(いずれも約10分)収録されたSOKAチャンネルVOD(ビデオ・オン・デマンド)の新番組「ヒューマン体験プラザ」が公開中です。

 先﨑 「モバイルSTB」でも視聴が可能ですので、座談会やセミナーなど各種会合で活用できます。

 永石 1本目は、山形県のリンゴ農家の男性と結婚した女性部員の体験です。義母の死、自身の病など数々の宿命に見舞われながら、家族の愛情と創価家族の励ましにより、人生を開く感動のドラマです。

 先﨑 物価高騰など、昨今の状況下でも、今年は例年以上の収穫の見込みで、見事な実証を示されています。苦難を信心で乗り越えて、笑顔で「感謝、感謝の毎日です!」と語っていたのが、とても印象的でした。

 長谷川 2本目は、ヒノキ素材(丸太)生産量日本一の岡山県で、林業と農業に携わる男子部員の体験です。父が経営する会社が倒産し、追い打ちをかけるように、災害で自宅が全壊。絶望の時に駆け付けて励ましてくれたのが、学会の同志でした。

 西方 多くの励ましを糧に宿命を打破し、現在、地元で自治会の区長や消防団員を務め、組織では男子部本部長として、地域に大きく貢献しています。

 原田 農漁光部の友は、高齢化や過疎化、担い手不足など、さまざまな問題と向き合う中、不滅の指針である「地域の灯台たれ!」「学会の灯台たれ!」を胸に、日々、奮闘されています。こうした不屈の体験に、感動が広がっています。

「地域の灯台たれ!」「学会の灯台たれ!」との指針を胸に勝利の実証を示す農漁光部の友

「地域の灯台たれ!」「学会の灯台たれ!」との指針を胸に勝利の実証を示す農漁光部の友

本紙連載が書籍化

 永石 聖教新聞には、苦境に立ち向かい、蘇生のドラマをつづる珠玉の体験が、日々、掲載されています。

 西方 世界中の新会員が登場する「新メンバーが語るSOKA」の連載も、新鮮です。10月25日付のポルトガルとカンボジアの友の体験も素晴らしかったですね。

 長谷川 また、この夏、聖教新聞で連載された「古川智映子の負けない人生」が、連載では書ききれなかった内容を大幅に加筆、再構成し、10月20日にエッセー集『負けない人生』(潮出版社)として発刊されました。

 先﨑 作家で文芸部員の古川さんは、NHK連続テレビ小説「あさが来た」(2015年度後期)の原案となった『小説 土佐堀川』(潮出版社)をはじめ、『一輪咲いても花は花』『氷雪の碑』などの著者です。

 永石 古川さんの数々の信仰体験には、胸を打たれました。とりわけ、病魔と闘われていた古川さんに対して、池田先生が、「題目をあげて、あげて、あげ抜きなさい。病気に負けないだけではなく、あなたの境涯をすっかり変えることができるのです」と、確信の励ましを送られた場面には、心が揺さぶられました。

 原田 先生は、青年に対して語られています。「体験に勝る雄弁なし、です。肩肘張らず、ありのままに信心の喜びと確信を語ればよい。苦闘に負けず、明るく進む生き方自体が、仏法勝利の証しです」と。私たちも、自身の信仰体験を堂々と語り抜いていきましょう。