〈座談会〉 9月8日は学会の平和運動原点の日 核兵器廃絶こそ青年の使命2022年9月5日

  • 〈出席者〉原田会長、寺崎SGI平和運動総局長、永石女性部長、沼倉女性部書記長、志賀青年部長

 永石 来たる9月8日は戸田先生が「遺訓の第一」として「原水爆禁止宣言」を発表(1957年)されて65周年。学会の平和運動の永遠の原点の日です。

 原田 当時は、米ソの核兵器開発競争が激化していた時代。戸田先生は核保有を正当化する論理に対し、「その奥に隠されているところの爪をもぎ取りたい」として、全民衆の生存の権利を脅かす核兵器を使用する者は「魔もの」と断罪。いかなる国も核兵器を使用することは絶対に許されないと強調されたのです。

 沼倉 この恩師の遺訓の実現のために、池田先生は走り続けてこられました。そして、この「9月8日」を選んで、平和への行動を起こしていかれました。

 原田 68年には、「日中国交正常化提言」を発表。さらに74年には、ソ連(当時)を初訪問してコスイギン首相らと会談し、緊迫化していた日ソ関係、中ソ関係を氷解させる歴史的な人間外交を展開されました。

 志賀 これまで先生が世界各国の指導者や識者と重ねられた平和の語らいは、実に、公式のものだけでも1600回を超えます。

 寺崎 先生は、核廃絶を目指す科学者の組織「パグウォッシュ会議」会長だったジョセフ・ロートブラット博士との対談でも「原水爆禁止宣言」に言及されています。博士は“核兵器への対応には、法律的、道義的なアプローチがあり、後者が宗教者として戸田氏がなされたことで、戸田氏の行動は正しいと思います”と語られていましたね。

 原田 どれほど重要な宣言であったか。池田先生は「私にとって九月八日は、来る年来る年、弟子として決意も新たに、平和を祈り、平和への対話を起こす日」とつづられています。私たちも師に連なり、平和のための行動を貫きたい。

議論をさらに前へ

 寺崎 8月に国連本部で開かれたNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議には、私たちSGI代表団も出席しました。核兵器の「先制不使用」の誓約等を求める池田先生の緊急提案(7月26日付)をもとに、関連行事の開催などに取り組み、多くの識者から賛同の声が寄せられました。

 原田 今回、残念ながら全会一致でつくる最終文書を採択できずに終了しました。しかし、会議の終盤まで、先制不使用の政策を核保有国に求める文言が文書案に残り、今日のリスクをいかに低減させるかという議論に影響を与えたことは間違いないと確信します。

 寺崎 私たちSGIは、この2カ月前に開かれた核兵器禁止条約の第1回締約国会議にも代表団が参加。カザフスタン共和国、キリバス共和国、アメリカの核時代平和財団と、条約の現実化のための関連行事を共催するなど、積極的に議論形成に努めてきました。

 永石 同会議と並行して行われた「ユース締約国会議」には、日本、オーストリア、ドイツ、イギリス、イタリア、アメリカのSGI各国の青年部が参加し、ワークショップを共催。締約国会議で発表された「ユース声明」の起草にも携わり、一連の会議に大きく貢献しましたね。

 志賀 日本の青年部も、9月4日に神奈川の地で「青年不戦サミット」を開き、平和への誓いを新たにしました。引き続き青年が先頭に立って「核兵器なき世界」のための平和運動を活発に行い、市民社会の声をより強めていきます。

 寺崎 次回のNPT再検討会議は2026年の予定です。そこに向け、23年、24年、25年と準備委員会が開かれ、来年は核兵器禁止条約の第2回締約国会議も行われます。今後もSGIは、国連やNGOなどと連携、協力しながら、先制不使用の議論を含めて核軍縮への流れを継続して前に進め、リスク低減の取り組みに全力を挙げる決意です。

心通う“少人数の集い”を大切に

 沼倉 女性部はこの下半期から、全国津々浦々で、小単位の「グループ学習・懇談」に力を入れていきます。池田華陽会も含め、全女性部員が参加します。

 永石 「グループ」の目的は一人一人に光を当て、温かな励ましで互いに信心の確信を深めていくことです。また、「大白蓮華」の「輝きのグループ学習」などを活用して、教学や学会精神を学び、発心と成長の場とすることにあります。

 沼倉 すでに開催された地域では、参加した池田華陽会メンバーから「硬くなく柔らかい雰囲気で、懇談的に先生の指導を学べて良かった」「先輩方が祈って動いて、どう変わったのかという体験を聞けて感動した」等の声がありました。

 永石 先生は「少人数だから、『全員が主役』である。役職などの上も下もない。『皆で』という言葉を、最も現実的に実践できる」「地に足を着けた『自発能動』の励まし合いのグループこそが、広宣流布の推進と拡大の原動力である」とつづられました。私たちリーダーが率先して最前線に入り、心が通い合う充実の集いにしていきましょう。

本部幹部会でリモート合唱を行う「白ゆり合唱団」の友ら(4月)

本部幹部会でリモート合唱を行う「白ゆり合唱団」の友ら(4月)

元気をもらう歌声

 沼倉 きょう9月5日、女性部の「白ゆり合唱団」が結成60周年を迎えました。1962年の結成式で先生は「信心根本にして、仲良く団結して、立派な合唱団にしていただきたい」と期待されました。

 永石 団員の皆さんはその指針を胸に、家事や育児、仕事、学会活動、そして練習と、“三立”“四立”に挑み抜いてきました。コロナ禍になってからも、リモート合唱などを通じて希望を送り続けています。

 志賀 私も含め、多くの同志が、その歌声に元気を頂いています。団員の皆さんは、各地域でも模範の対話拡大を進めていますね。

 沼倉 あるメンバーは今春、結婚11年目で念願だったご主人が入会。3人のお子さんも“パパに教えるんだ”と目を輝かせ、勤行・唱題に励んでいるそうです。その勢いから、他のメンバーも立て続けに友人が入会を希望するなど、勇気の波動が広がっています。

 原田 素晴らしいです。御書には「音の哀楽をもって国の盛衰を知る」(新921・全88)と仰せです。明るい歌声が響くところに広布の歓喜の前進があります。女性部の皆さんのますますの健康と活躍、ご多幸を心から祈ります。