『ゴッドファーザー 愛のテーマ』(Love Theme from The Godfather)は、ゴッドファーザー三部作の第1作で、1972年の映画『ゴッドファーザー』のために作曲されたがインストのヴァージョンはシンプルに「ゴッドファーザーのテーマ~Theme of Godfather」として知られ、英語ヴォーカルのヴァージョンの時には「Speak Softly Love」と呼ばれるようになった。作詞ラリー・クスイク(Larry Kusik)、作曲ニーノ・ロータ(Nino Rota)。 日本では尾崎紀世彦が「ゴッドファーザー~愛のテーマ」としてカヴァ―した。
ヴォーカル・バージョンの歌詞は、映画最終作『ゴッドファーザーPARTⅢ』でマイケル・コルレオーネの息子アンソニーが歌うシチリア民謡「 Brucia La Terra 」とは無関係である。 こちらの歌詞は「 Brucia La Terra (「月が燃えている」の意)」から始まる。同楽曲のカヴァーは最初はアンディ・ウィリアムスによって歌われ、ボビー・ヴィントンなど多くのアーチストによってカヴァーされている。現在 Velvet Revolver(元Guns N' Roses)のギタリスト:スラッシュは、この楽曲を好んでハードロックに編曲して演奏している。 Guns N' Rosesのライヴでは「ゴッドファーザー 愛のテーマ」のスラッシュのギター・ソロから徐々にバンド演奏が導入されて行き生唾を飲み込むような「Double Talkin' Jive」へ流れていく展開は、壮絶だ。1991年の彼らの集大成と言える2枚組アルバム『Use Your Illusion I & Ⅱ』のセンセーショナルな時代の幕開けと熟成した閉塞感の間をまさしく閃光が突き抜ける!この2枚組が実質上、彼らの最後のオリジナル・アルバムとなった。終りと始まりがクロスしていた地点といえよう。絶頂とは、常にそういうモノなのかも知れない。終焉とは絶頂であり、始まりである。
それにしても、この「ゴッドファーザー愛のテーマ」が果たした、フランシス・フォード・コッポラ監督の映画『ゴッドファーザー』への貢献度は極めて偉大で、それは今更語るまでもない。同時にシネマ・ミュージックが、本作の価値を象徴する役割を示すことへの最も成功した例といえよう。ミュージシャン土屋昌巳も以前、絶賛していたが、改めて名作『ゴッドファーザー』の第1作と第2作の軌跡を観ていると、そしてこの「ゴッドファーザー愛のテーマ」を聞いていると走馬灯のように人生を感じてしまうのは、多くの鑑賞者の供感覚だ。そう、最終作PARTⅢの最後のシーンでマイケル・コルレオーネが、椅子に佇んで、マドロミのなかに、愛娘とのダンスに、別れを告げた妻、そして自分の犠牲となって死んだ妾、そして、愛すべきコルレオーネ・ファミリーのすべてを映し出しているように。
1901年、ヴィト・アンドリーニがまだ幼い時、彼の家族は地元マフィアの頭領・ドンチッチオに殺される。ヴィト・アンドリーニは、親戚の手引きによりシチリア島からアメリカのニューヨークに逃亡する。ニューヨークの移民到着センターに到着したヴィト・アンドリーニは自分の姓を出身のコルレオーネ村と間違えて登録されるが、故郷との絆を残すべく、その後も姓を変えずヴィト・コルレオーネと名乗り続ける。
1892 - ヴィト・アンドリーニ誕生(12月7日)(パートI墓標より1887年4月28日説)
1892 - ハイマン・ロス誕生
1897 - カルメラ誕生
1900 - ドン・アルベルト誕生
1901 - ヴィト・アンドリーニ家族を殺されシチリア島からアメリカへ逃亡(ヴィト・コルレオーネに改名)
1914年、寄宿先であるアッバンダンド食料品店で働きながら成長したヴィト・コルレオーネは、イタリアから移民してきた娘・カルメラと結婚し、数年後には長男・サンティノが誕生する。貧しくとも平穏で幸せな生活を送っていたがファヌッチによって職を奪われ、以後、様々な職を転々とすることになる。
1917年のある日、ヴィト・コルレーネは隣のアパートに住むクレメンツァという青年から拳銃を預かってもらうように依頼される。数日後、拳銃を取りに来たクレメンツァと意気投合し、拳銃を預かってもらったお礼にカーペットをもらう約束をするが、その調達方法は盗みだった。そして、その日の生活にも事欠くヴィト・コルレオーネはクレメンツァに誘われるがままに彼とテッシオが組んでいた強盗グループに加わる。強盗で得た品々を売りさばくことによって生活が安定するかに見えたが、1920年、ヴィト・コルレオーネはファヌッチに強盗で得た分け前を上納するように要求される。クレメンツァとテッシオに”説得”を一任させたヴィト・コルレオーネはファヌッチを暗殺し、そのまま縄張りを引き継ぎ”尊敬さるべき男”の第一歩を踏み出す。
1914 - ヴィト・コルレオーネ、カルメラと結婚
1916 - サンティノ誕生。トム・ハーゲン誕生(1910年説)
1917 - ヴィト、クレメンツァと出会う。
1919 -フレド 誕生。肺炎にかかる。
1920 - ヴィト・コルレオーネ、ファヌッチを暗殺し縄張りを引き継ぐ。マイケル誕生。テレサ・ハーゲン誕生
1920 - 禁酒法施行(1月16日)
1921年、ヴィト・コルレオーネは、妻・カルメラを介してコロンボ婦人から立ち退きを阻止してくれるように依頼されるが、家主・ロベルトを”断れない提案”を持ちかけ説得に成功する。これにより、”尊敬さるべき男”との名声が更に高まる。
1920年から1930年にかけてヴィト・コルレオーネは『ジェンコ・オリーブ油商会』を設立。
持ち前の説得力と”尊敬さるべき男”との名声により事業を拡大させ、新たな橋頭堡を築く。また、同じ頃、裏の仕事を能率にこなすため、組織化に着手しクレメンツァとテッシオを幹部に、ジェンコ・アッバンダンドを相談役に任命し、コルレオーネファミリーの原形ができる。
1925年、表のビジネスと裏の稼業の双方で成功者と成り上がったヴィト・コルレオーネは家族と共に故郷シチリア島を訪れる。そして、その際に地元の頭領であるドン・トッマジノの助けを借りて表敬訪問を名目にドン・チッチオに近づくことに成功し、ドン・チッチオを暗殺。家族の復讐を果たす。
更に裏稼業での勢力を伸ばすコルレオーネファミリーは、禁酒法撤廃後の利権を巡ってマランツァーレファミリーと衝突し、「1933年抗争」が勃発する。当初はコルレオーネファミリー不利と見られていたが、ルカ・ブラージの活躍によりコルレオーネファミリーは反撃を開始し、1933年の暮れにテッシオの部下によってドン・マランツァーノが暗殺され抗争が終了する。以後、マランツァーレファミリー残党はコルレオーネファミリーに吸収される。
1920's - ハイマン・ロス、キューバのハバナで密造酒製造開始。
1923 - コンスタンッア誕生。(ドン・アルベルトが命名)
1924 - ケイ・アダムス誕生
1925 - ヴィト・コルレオーネ、ドン・チッチオを暗殺。
1930 - オリーブ油戦争(小説)
1933 - 禁酒法撤廃。
1933 - マランツァーレファミリーとの抗争勃発。マランツァーレ暗殺。(12月31日)
1933 - モー・グリーン、ラスベガス構想を思いつく。
1935 - サンティノ、暗黒街に無慈悲な死刑執行人との評判がたつ。(小説)
1937 - フランチェスカとキャサリン誕生。
1937 - ヴィト・コルレオーネ、地下組織間に協定を締結させる。(小説)
1937 - ジョニー・フォンティーンの契約トラブルからバンドリーダー事件が発生。
1939 - 第2次世界大戦勃発。
1940 - フランク・コルレオーネ誕生。フランク・ハーゲン誕生。
1937年、第二次世界大戦を前に、ヴィト・コルレオーネは地下組織の協定を締結。コルレオーネファミリーの土台を磐石にするための用意を万全にし戦争に備える。が、唯一の誤算としてマイケル・コルレオーネが開戦後に志願して海兵隊に入隊してしまう。すべてを意のままに動かしていたドン・ヴィト・コルレオーネであるが、この不安分子の三男坊マイケルこそが、実は自分の家族とビジネスを継承することになるとは考えておらず、マイケルには、政治家になって、ファミリーの合法化への道を、指し示す存在への希望の光として期待を寄せていた。しかし、それは後に、ドン・マイケルの最終目的へと変化していくのだが、この時、誰もそんな未来を想像すらしていなかった。
1945年、第二次世界大戦が終結し、平和が訪れた頃、ヴィト・コルレオーネの一人娘コニーと新郎カルロ・リィツィの結婚式がニューヨークで盛大に催された。しかし、その華やかなパーティーの裏では、復讐の依頼、強制送還免除の依頼、映画で配役されるための依頼、欲望、貪欲、忠誠、好奇心、意図的な無関心など、様々な思惑が交錯していた。
ヴィト・コルレオーネは、自分が名付けた息子ジョニー・フォーティンの頼み、映画のキャストを手に入れるため、養子で優秀な相談役トム・ハーゲンをハリウッドに派遣する。トム・ハーゲンは映画プロデューサー・ジャック・ウォルツに提案を持ちかけるが拒否されニューヨークに帰るが、次の朝、切断された愛馬の首を自室ベッドに放りこまれているのに気付いたジャック・ウォルツは気が狂わんばかりに絶叫。その後、すぐにジョニー・フォーティンは望みの配役を手に入れる。
また、ヴィト・コルレオーネはファミリー幹部を伴って麻薬密売人ソロッツォとの会談に臨む。ヴィトは麻薬ビジネスを手掛けることによって生じるリスクとマイナス面を指摘し、ソロッツォの提案を拒否するが、サンティノ・コルレオーネの失言によりファミリー亀裂をソロッツォに知られてしまう。
ヴィト・コルレオーネを暗殺すれば勝算が有ると踏んだソロッツォは、タッタリアファミリーの力を借りてヴィト・コルレオーネ暗殺を計画し実行に移すが、命を奪うことはできなかった。
深夜の病院。マイケル・コルレオーネが深夜に病院を訪れるとヴィト・コルレオーネを護衛していた探偵たちはマクルスキー警部の命令で追い払われていた。マイケルはとっさの機転で自らを前哨に見せかけることによってソロッツォの襲撃の危機を切り抜けるが、そこに到着したマクルスキー警部によって殴り倒される。この時、マイケルはファミリーを守るためには、自分がマフィアとして活動しなければいけないと覚悟を決めたように思われる。この覚悟は、最終的に物語の最後まで貫き通されるのだ。初めの仕事は、父親・ヴィト・コルレオーネを守るためレストランでの会談の席でソロッツォとマクルスキー警部を暗殺し、単身シチリア島に逃亡する。
1941 - 真珠湾攻撃(12月7日)。アメリカ参戦へ。マイケルマイケル・コルレオーネ海兵隊に入隊。
1942 - アンドリュー・ハーゲン誕生。ウィリー・チッチ、ジェンコオリーブ油商会に入社。
1944 -マイケル、殊勲十字賞、名誉戦傷賞を授与。ライフ誌の表紙を飾る。
1945 - 第二次世界大戦終結。
1945 - マイケル海兵隊を除隊。(最終階級は大尉)ダートマス大学に入学。
1945 - コニーの結婚式。サンティノ,Jr誕生。
1945 - マイケルとケイ買い物を楽しむ。(12月22日)。ヴィト襲撃される。
1946 - マイケル、ソロッツォとマクルスキーを暗殺。シチリアへ逃亡。
1948年、マイケル・コルレオーネのソロッツォ暗殺後、マフィア抗争は膠着状態に陥り、表向き静かな日々が過ぎるが、タッタリアファミリーの裏で糸を引く黒幕バルツィーニはカルロ・リッツィを使いサンティノ・コルレオーネをおびき出し、料金所に控えていた実行部隊がマシンガンで暗殺する。病院から自宅に移送されていたヴィト・コルレオーネは、サンティノ・コルレオーネ死を機に、全米の地下組織のドンを集め会談を実施。その席でニューヨーク5大ファミリーとの停戦協定を結ぶ。
一方、シチリアのドン・トッマジノの元に匿われていたマイケル・コルレオーネは、そこで美しい少女アポロニア・ビデリに出会う。一目惚れしたマイケル・コルレオーネは即座に父親に結婚を申し込み、承諾される。が、新婚生活が始まった矢先刺客がマイケルを襲う。爆弾が仕掛けられた車を動かそうとしたアポロニア・ビデリはマイケルの身代わりとなり爆死してしまうのだ。
失意のまま、この殺しの連鎖からの脱出は不可能と思い知らされたマイケルはシチリアからニューヨークに戻り、父親の後を継ぐべくコルレオーネファミリーの仕事を学ぶ日々を過ごし、徐々に地歩を固めていく。また、故郷に戻り小学校の教師をしていたケイ・アダムスと再会し結婚する。
1947 - マイケル・アポロニアと結婚。
1948 - サンティノ暗殺される。ヴィンセント誕生。(DVD1947)
1949 - マイケル、シチリアからアメリカに帰還。ビクター・リィツィ誕生。
1951 - マイケル、ケイ・アダムスと結婚。アンソニ誕生。
ヴィト・コルレオーネは正式にマイケル・コルレオーネにドンの地位を譲り引退するが、敵がどのような手段で、命を狙ってくるか、的確な忠告を与える。ここで、ヴィトはマイケルに、ドンの孤独と心情を打ち明けている。父と子の始めての邂逅といえよう。そしてマイケルは、志新たに、ファミリーを守り抜く重圧と、ファミリー合法化への希望の光を父から受け継ぐのだ。1955年、ヴィト・コルレオーネは自宅の家庭菜園で孫のアンソニーと遊んでいた際に心臓発作を起こして死亡する。
ヴィト・コルレオーネの葬式が荘厳に執り行われる中、テッシオを通してバルツィーニがマイケル・コルレオーネに会談を申し入れてきた。そして、マイケル・コルレオーネは予てより密かに用意してきた計画を実行に移すことを決意し、コニーの息子マイケル・フランシスの洗礼式の日に、ニューヨーク5大ファミリードン、ビジネスの障害物、ファミリーの内通者、裏切り者を一挙に抹殺してしまう。これこそが、ネオドン=マイケルの戦略そのものである。それはマフィアに鉄則に従ったものだ。「断れない申し出」を実行し、「殺せない人間はいない」という事実だ。そして子は、父の人生をトレースするかのように疾走を始める。その姿を妻ケイが見つめる。
1952 - マイケル、ネバダ州ラスベガスでモー・グリーンと会談。
1953 - メアリー・ルイーズ誕生。トム・ハーゲンの娘誕生。
1955 - ヴィト・コルレオーネ死亡。(7月29日)マイケル・フランシス・リッツィ誕生。洗礼式。
1955 - ニューヨーク5大ファミリーのドン暗殺。モー・グリーン暗殺。カルロ・リィツィ、テッシオ粛清。
1957 - クレメンツァ死亡。
1958年、マイケルの指導でニューヨークからネバダ州に本拠地を移したコルレオーネファミリーは更なる発展を遂げていた。その本拠地、タホ湖畔で、アンソニーの聖体式が盛大に行われた。この華やかな式の裏でも様々な思惑が交錯していた。政治との介入である。これは悲願=ファミリーの合法化へのやもうえない取引でもある。政治も宗教も、そしてマフィアも利害関係は、情とは別の処で働くのだ。注意したほうがいい。小綺麗な表面の裏側にこそ、醜い思惑が犇めき合う。それは人間の闇なのだろうか。
古い父親の友人マフィア、フランク・ペンタンジェリが言う。
「マイケル!それがあんたのやりたかったことなのか!?」
パーティが終わり後自宅に戻ったマイケルは寝室に置いてあるアンソニーの絵を見て思わず笑みをこぼしつつ、ケイが寝ている寝室に向かう。寝室に入った直後、寝室にマシンガンの雨が降り注ぐがマイケルとケイは間一髪で助かる。すぐに敷地内に猟犬が放たれ襲撃者の追跡が行われるが、既に襲撃者は何者かによって口を封じられていた。
この襲撃後マイケル・コルレオーネはトム・ハーゲンに家族とファミリーを託し、ボディーガードを伴なって単身フロリダ州マイアミに居を構えるハイマン・ロスの自宅で密談を行い、キューバでの事業に影響が出ないようにするためにフランクを粛正するとロスに説明する。
ハィマン・ロスとの会談後、その足でニューヨークの幹部フランク・ペンタンジェリの元へ向かったマイケル・コルレオーネ。マイケルの二枚舌が炸裂する。敵を騙すにはまず、味方から。マフィアの鉄則に従事る行為だ。マイケルはフランク・ペンタンジェリにロスに説明したのとまったく反対の話をしてロサト兄弟と手を打つように説得。フランク・ペンタンジェリはしぶしぶ承諾する。
フランクはロザト兄弟と停戦会談をするために、会談場所のバーに赴く。しかし、フランクは物陰に潜んでいたロザト兄弟の殺し屋に絞殺されかけ、マイケル・コルレオーネの粛清と勘違いする。
一方、フレドが経営するホテルではコルレオーネファミリーを侮辱したギャリー上院議員が罠にはめられていた。その現場にやってきたトム・ハ-ゲンは、証拠の隠滅を約束。以後、ギャリー上院議員はコルレオーネファミリーの操り人形になる。これもマイケルの策略だ。この時代マフィアも腕っ節の強さだけでは生き残れない。ネオマフィアのドン=マイケル・コルレオーネはこの時、誰よりも先を読み、冷徹に行動している。
マイケル・コルレオーネはキューバに飛び、キューバ大統領と米国の産業代表者との懇談会に出席していた。懇談会終了後、ハイマン・ロスの誕生パーティ会場に向かう途中でマイケルはゲリラの自爆現場を目撃する。マイケルは想う「ひょっとすると、このキューバ紛争はゲリラが勝つかも知れない」。なぜなら、彼ら命よりも、勝利を目的としていたからだ。
ハバナにあるホテルの屋上で行われたハイマン・ロスの誕生日パーティーではロスはマイケルに自分のキューバでの利権の大部分をマイケルに譲るつもりだ、と語る。マイケルは本国に連絡を入れ、フレドに200万ドルを持ってこさせ、ロスが新年のパーティのあと自分を暗殺しようとしていることを話し、自分もロス暗殺を実行する予定であることを仄めかすが、キューバでの接待席でマイケルは酔ったフレドーが漏らした言葉から、フレドが内通者であることを知り愕然とする。
実兄のフレドの裏切り。これこそバイブルにある使徒ユダの裏切りである。そしてマイケルはフレドにキスをし、決別を決めるのだ。
新年のパーティでマイケルはボディガードにハイマン・ロスの暗殺を指示していた。ボディガードはジョニー・オラを絞殺し、さらに病床にあるロスを暗殺しようと試みるが、ロスをガードしていた軍が暗殺直前にロスの病室に踏み込み、ロス暗殺は失敗に終わる。一方、ハバナ市にはカストロ率いる革命軍が迫っていた。新年パーティの席上でバティスタ大統領は辞任を表明し、パーティは大混乱に陥ってしまう。マイケルはこの混乱に乗じて一命を取り留め、逃げるが、裏切り者の兄フレドを失う。
1959年、キューバからネバダの本拠地に戻ってきたマイケルには、もうひとつの災難が待ち構えていた。元部下ウィリー・チッチの証言から上院の犯罪調査の公聴会に召喚される。マイケルは自分の関与した犯罪をすべて否定するが、殺されたと思っていたフランク・ペンタンジェリが証人に立つという情報を得て、マイケルは窮地に陥る。マイケルは、公聴会対策のためにフレドをニューヨークから連れ戻し、公聴会の罠から逃れるのに役立つ情報を引きだそうとするが、フレドが自分の野心と利益のために情報を流したこと知りマイケルは激怒する。そして、公聴会当日、マイケルはシチリアからフランクの兄を呼び寄せることによって偽証罪に問われることなくハイマン・ロスの罠を逃れることに成功する。
マイケルは母に問う。
「パパ(ドン・ヴィト)は、人気者だったよね?」
「どうして、俺は裏切られる?なにが間違ってるんだ?」
その後、母であるカルメラが亡くなり、ファミリーの人々は嘆き哀しむが、マイケルはフレドと顔を合わさない。コニーの必死の嘆願でマイケルはフレドと再会し抱きしめあい、母親を失った悲しみを共有するが、マイケルはフレドの粛清をアル・ネリに暗に指示する。
同時に義兄トムはフランク・ペンタンジェリが収監されている陸軍基地に面会に行き、暗に家族の安全と引き換えに自殺を仄めかし、フランク・ペンタンジェリは風呂場で手首を切って自殺する。また、追われる身となったハイマン・ロスはイスラエルに亡命を申請するが却下され、マイアミ空港で新聞記者に扮したロッコ・ランポーネによって暗殺され、暗殺に成功したロッコも、ハイマン・ロスをガードしていたFBI警官に射殺される。ある日、フレドーはアンソニーと釣りに行こうとするが、マイケルの用事でアンソニーはいけなくなる。そこでフレドーはアルとふたりでタホ湖に釣りに行き、そこで射殺されてしまう。マイケルは自宅のバルコニーにたたずみ湖を見つめながら銃声を聞き深く頭を垂れる。
1958 - アンソニー初聖体式。トム・ハーゲンの娘誕生。
1958 - ハイマン・ロス、キューバのハバナで67歳の誕生日を迎える。
1959 - キューバ革命。
1959 - マイケル、フランク・ペンタンジェリ、ウィリー・チッチ犯罪調査委員会に召喚される。
1959 - カルメラ死亡。ハイマン・ロス暗殺(ロッコ・ランポーネも警官に撃たれ死亡)。フレド・コルレオーネ、フランク・ペンタンジェリ粛清。(フレドはアル・ネリによって粛清。フランクは浴槽で自殺。)
そして物語は1990年、佳境『ゴッドファザーPARTⅢ』へと向かっていく。このグランド・フィナーレも一部、評価が分かれるところであるが、人生の哀愁を感じさせる見事なシネマといえる。はじめはマイケル・コルレオーネとその相談役のトム・ヘイゲンの組織をめぐる確執を描く予定だったが、トム役のロバート・デュヴァルが出演料が折り合わず降板したため、脚本を大幅に書き直す事となった。批評家たちからの評価も芳しくないまま、興行的にも前作に届かぬ結果となった。高い評価を受けた前二作と比べると、総じて評判の良くなかった『Part III』だが、オペラの名作『カヴァレリア・ルスティカーナ』と同時に進展してゆくラストシーンの出来が秀逸なため、佳作と評する声もある。例えば、著名な映画評論家であるロジャー・エバートは、本作品に星三つ半のスコアを与えた。これは過去にエバートが『Part II』に与えた星三つを上回る評価である。
「愛のテーマ」が流れる。
嗚呼、きっと、このシーンの為にこの楽曲は存在しているんだな、と想う。
人間に最後に残されるのは、是だけ、なのかも、しれない。
今夜もありがとう。
感謝します。
