堂内に入る時は、手を合掌の形にし、堂内に安置されている文殊菩薩に一礼をしてから、菩薩より遠い方の足から入ります。

菩薩が自分の右側に安置されていれば、左足から踏み入れるということです。

 

僧侶の指示に従って、自分が座禅をする場所(席)につきます。

 

座禅は畳の上で足を組んで行うものですが、身体的な事情により難しい方には、椅子を用意してくれます。

受付で言えば対応してくれるようでした。

 

そして座禅にまつわる説明をいくつかして頂いたのですが、とにかく神聖な場所であるということを理解しました。

 

座禅をする時は、丸くて高さのあるクッションのような「坐蒲(ざふ)」の上に座り、足を組みます。

 

座り方(足の組み方)にも種類があるとのこと。身体がバキバキに硬い私は、「半跏趺坐(はんかふざ)」という座り方にしました。

あぐらに似た座り方です。

 

そして手は「法界定印(ほっかいじょういん)」という形をとるのですが、きれいな卵型になるようにと教えていただきました。

これがなかなか難しい!

 

そして背筋は伸ばします。前屈みになってもいけない、反らしてもいけない。

超絶猫背な私は、これだけで肺が広がりましたよ。

 

そして体を左右に揺らして呼吸を整え、瞑想の時間に入ります。

 

鐘が鳴り、照明は落とされます。

 

視線は45度の角度で落とすようにと教わりましたので、うっすら目が開いているような状態になります。

半眼というやつですね👀

 

座禅中は、微かに聞こえる鳥のさえずりと僧侶の袈裟が擦れる音以外は聞こえてきません。

・・・そう、私のお腹が「腹減ったよ~」と騒ぎだすまでは・・・。

 

そして目の焦点をどこに合わせるでもなく、ひたすら無の状態で一点を見つめるため、どんどん視界が消えていきます。

これは日常生活でもたまにやって遊んでいるんですけど、楽しいです。

ちなみにA氏は、赤や緑のキラキラした物体がいくつもフワフワと集まってくる様子が見えたとか。

 

さて、座禅といったら肩をバシッと叩かれるイメージがありますが、「警策」というそうです。

ウトウト寝てしまったりすると叩かれるそうですが、自分から叩いてほしいとお願いすることもできます。

その時は、法界定印を解き、合掌をして待つのだそうです。

 

座禅開始からどれくらい経った頃だったでしょうか。私のお腹がぐうぐうと鳴きだし、羞恥心がめばえ集中力が途切れ始めました。

ここは叩いて頂くしかない…でもなんだか勇気が出ない…僧侶さんに気づかれなかったらどうしよう…

 

しかし私の後ろでは3回ほどパーンと叩かれている音が聞こえています。

「みんな雑念は捨てて座禅に臨んでいるんだ!私だってできる!」と大げさに意気込んだ私は、そっと合掌をし、待ちました。

 

すると気付いた僧侶さんがやってきて、右肩にポンと合図をくださいました。

 

首を左前にかしげ、「さあいつでも叩いてください!」と心で決意表明をしたところ、僧侶さんが耳元でそっと「もう少し身体を前に倒してください。」と。

 

あわあわした私はだいぶ身体を前に倒したような気がします。

加減を知らないとこうなる…(苦笑)

 

警策はそんなに痛みを感じることはありませんでしたが、身が引き締まる思いがしました。

 

つづく