谷中霊園から千駄木へ向う路地で

お母さんと幼児の親子が前を歩いていた



すご~く楽しそうに会話をしながらで

あ〜、なんて平和なのだろう



こちらまで幸せ気分になっていると

突如、親子は『赤い靴』を歌いだした


赤い靴履いてた女の子

異人さんに連れられて行っちゃた♪



幼児が「赤い靴はく連れ去られる?」

お母さんは「そうかもね〜」と返事



急に、幼児が振り向き目が私の靴に!

そう、私は赤い靴を履いてたのです



幼児は「連れ去られるのは女の子?」

お母さんは「可愛い女の子かもね」



すると私を見つめる幼児はお母さんに

「あ〜よかった、大丈夫みたい」と



私が赤い靴を履いているのを知らない

お母さんは「何か大丈夫なの?」と



幼児が後ろを振り返るのを見たお母さん

ハッとした表情で私を、靴を見た



そう、私は可愛い女の子ではない

連れ去られる心配らないと安堵の幼児



お母さんは全てを察しながら幼児に

「連れ去られたけど大人になって

 ちゃんと戻ってきたんだよ、きっと」



「靴がキツくならないのかな?」

お母さんに手を引かれ幼児はブツブツ



昼下がりの平和な親子の会話でした