【ビジネスの上での“正義”とは何か】
ビジネスの世界には、「正しい」と思えることが、必ずしも“正義”とは言えない場面が多い。
むしろ、立場が違うだけで正義はいくつも存在し、時にぶつかり合い、時にゆがみ、時に誰かを傷つける。
最近つくづく思うのは——
ビジネスの正義は、絶対的なものではなく“選び取るもの”だということ。
◆正義は立場の数だけ存在する
経営者には経営者の正義がある。
働くスタッフにはスタッフの正義がある。
取引先にも、顧客にも、家族にも、みんな違う正義を持っている。
どれか一つだけが正しいとは限らない。
むしろ、それぞれが“自分にとっての正義”を抱えているからこそ、摩擦が起こる。
ビジネスとは、その摩擦をどう扱うかの連続でもある。
◆“正しいこと”と“正義”は違う
数字を整えることは正しい。
ルールを守ることも正しい。
効率化も改善も、もちろん正しい。
でも、その“正しさ”が誰かの心を折ったり、
関係を壊したり、
長期的な価値を失わせることがある。
その時、正しさは必ずしも“正義”にならない。
◆ビジネスの正義に必要なのは、視点の広さ
私が現場で強く感じるのは、
視点を広く持つ人ほど、正義を選びやすいということ。
・短期ではなく、長期で見る
・一人ではなく、全体を見る
・感情ではなく、仕組みで判断する
・自分の立場ではなく、相手の立場からも眺める
視点が広がるたびに、
見えてくる“正義”の形が変わる。
◆強い者の正義と、弱い者の正義
ビジネスの世界には、“力の差”が存在する。
資本力、権限、情報、経験——
持つ力が違えば、見える世界も違う。
だから、強い者は自分の正義が“普遍の正義”だと錯覚しやすい。
弱い者は、声をあげても届かない現実を知っている。
本当に大切なのは、
強い側が「力の使い方」に責任を持つこと。
弱い側が「依存のしすぎ」を避けること。
どちらも欠けると、正義は簡単に崩れていく。
◆私が選びたい“ビジネスの正義”
私は完璧な正義を持っているわけではない。
むしろ、日々迷いながら選んでいる。
けれど一つだけ決めていることがある。
“誰か一人だけの得ではなく、関わる人たちの未来が少しずつ良くなる選択をすること。”
それが大きな利益にならない時もある。
すぐに評価されないこともある。
でも、
“一番長く残るのは何か”
と問われたら、私は迷わずこの選択をする。
◆ビジネスの正義は、静かに積み重ねるもの
派手さはいらない。
正義は声高に叫ぶものではなく、
静かに、淡々と、積み上げていくもの。
嘘をつかないこと、
約束を守ること、
人を利用しないこと、
自分の利益だけに走らないこと。
その積み重ねが、最後に最も強く、揺るがない。
◆おわりに
ビジネスで生きていると、
正義と利益がぶつかり、
正義と感情がぶつかり、
正義と現実がぶつかる。
でも結局のところ、
“自分が胸を張れる選択” をしたかどうかで、
その日がいい日にも悪い日にもなる。
私は今日も、正義を選びながら進みたい。
完璧じゃなくていい。
でも誠実でありたい。
ビジネスの正義は、
自分の中で静かに育てていくものだから。