―2025年はどうなっているのか―
2025年に自分がどんな仕事や生活をしているだろうか・・・時々、漠然と考えるが、イメージが湧かない・・・ 8年後はすぐだが、2020年には東京オリンピックが開催されてから5年たつと、もう、還暦に近くなってしまう。
もちろん、体力、知力の衰えは進むだろうが、どの程度なのか実感できない・・・
そして、自分の働く環境や社会がどうなっているのかを考え、憂いがあれば対策があれば講じる必要があると感じた。

―リンダ・グラットンのワークシフト・ライフシフト―
ロンドンビジネススクールの教授であるリンダグラットンが、10年後、20年後の詳細な予測をし、ワークシフトという著述で近未来のビジネスがどのようになっているかを予測している。

同様に、個人の生活がどのように変わっていくかについても同じ視点で予測をしている。

この二冊の本で、予想している概略は次の内容だ。かなり要約したので、大事な部分も抜けているが、おおよそ次の内容だ。
1.ウェブ環境が劇的にすすむことでさらに急激にグローバルになる。

★スマホを始め安価なデバイスが普及していく
★翻訳ソフトが進化して言語の壁がなくなる
★クラウドが、安価に、利用出来る。
★ビックデータによる予測技術の進化など、高度でスマートな社会が出来上がる
★無償で知恵を共有化する環境や意識が整い、未知のスピードで知識、知恵のグローバル化が進み、世界中の人が、繋がる。
※ google、FB、amazon、APPLEの四天王(四騎士)が最先端の技術プラットフォームは世の中が思うよりもきわめて強力で、成功を収めるようになり世界も根底から変わる。テレビの発明にも似たパラダイムシフトが起きており、生物学的ウィルスのようにその波及のスピードはこのうえなく速い。(google会長エリックシュミット)
2.テクノロジーが、進化して仕事の内容が変わる

★AIが人に変わる
★ロボットの普及により単純労働がなくなり労働は知的生産性が求められる
★在宅勤務が、基本で、アバターで、仕事が出来る
※ 保険業界でもAI導入による査定業務の効率化などが現実化している。
事務系ルーティン業務の要件定義を機械学習によりシステム化できることもAIの大きな要素だと考えられる。
現行システムに照らし、上流工程の開発コストも低減されるため、急激に進展するように思う。
3.消費社会の価値観が変わる

★健康寿命が伸びて長寿化
★女性の社会進出が完全化
★その結果、働くことの価値に精神性を求める
―その結果―

★分単位の仕事が多くなり、ひどく忙しくなる
★在宅でウェブのバーチャル空間で仕事を、するので、人との繋がりが希薄になり核家族化・孤立していく。
★労働市場のグローバル化に伴う競争の激化により、貧富の差が大きくなる。
<対策と心構え、ポイントは3つのシフトに応じた対策>
抽象的で難解な感じもするが、リンダは3つのシフトを提唱している。

1.ジェネラリストではなく好きな分野のエキスパートになること。
★複数の専門性を、あげる 連続スペシャリスト=Serial Mastery
2.競争に勝つことだけではなく他者との協力やアイディアを融合する能力がこれからは求められること。
★知的なネットワークを生かして他人のもつ良いアイディアを協力・引用・融合する
★15人以下の友達を大事に(小規模単位での連携(リンダは「ボッセ」という)を仕事で行う)
3.仕事の意味合いが単にお金を稼ぐ場所から、人生や自己の存在意義を見出す場所に変わってくること。
★長い人生における仕事は自らの存在意義を示す場として価値感を変える。「長期間にわたり働くことにことから、就業による新たな価値を認め、報酬を一義としない考え方が一般化していく」
―リンダの予想は日本でもそのとうりになるのか―
リンダの予想は欧米の働き方を中心に書かれている。
すでに日本のビジネススタイルや、企業の勤務体系が違うため、2025年での予想が当てはまるかどうかはわからない。 実際、いまの欧米と日本の働き方にはずいぶんと乖離があるように感じる。
また、Web環境の整備、AIの進化、資源枯渇、寿命、価値観の変化など、いろいろな視点で書かれているが、それれぞれの時間軸が異なるため、2025年の一時期に予想されているようには当たらないだろう。
それでも、リンダの予測には、きわめて強い現実感があり、例えばビットコインも急速に普及するなど世界のグローバル化に伴うビジネスの変化は相当の確度で当たるように感じる。
―日本の2025-

日本では、2025年問題として団塊の世代の後期高齢化到達が起こり高齢者の介護制度や医療機関の破綻が予想されている。
同時に高齢化に伴う若年労働人口の減少のため、外国人労働者の受け入れ、女性の社会進出、企業の定年年齢の引き上げ、年金制度の破綻のような問題が起こることははっきりしている。
また、女性の社会進出と高齢化に伴って、離婚するのがあたりまえになるくらいの離婚率に上昇するだろう。
生活総研:未来年表引用
―その前にいろいろありそうだ―

また、情報のグローバル化(具体的にはSNSの普及)により、アラブの春の騒動が、改めて中東で起こったり、今度はアフリカで起こることも考えられる。中国ジャスミン革命も、再度、新たな形で起こり激化するかもしれない。北朝鮮も崩壊するかも・・・
いずれにせよ、ウェブによる世界のグローバル化は食い止められず、なんらかの形で情報を抑圧している政府は変化せざるを得ないだろう・・・思っているよりも早いスピードかもしれず2025までに、これらの変化が起こるかもしれない。
なにかの形で日本も巻き込まれるかもしれない。
―普遍的な価値観―

リンダの予想のとおりグローバル化、高齢化、価値観の変化が生じても、私が生きている間は、宗教、平穏なナショナリズム、伝統文化、日本人の慣行、自然環境、世界遺産の価値、ひいては、家族のつながりは、変わらないだろう。
仲良きことはよきかな・・・
もちろん、リンダのいう連続スペシャリスト=Serial Masteryへの研鑽はしていかなければならないと思うし、向かえる定年後の起業や働き方、社会貢献を真剣に考えなければならないと感じている。
2017.年頭所感