知床のペキンの鼻でのカラフトマス釣りは3回目になる。
今回は、行きたいという同僚と二人で、毎年のYunさん他のメンバーにご一緒させていただいた。
金曜日の昼過ぎに中標津空港に入り、あわただしくレンタカーを借りた。中標津のホーマック、ダイソーで、保冷用の箱、ガスボンベ、水、氷、食糧、酒を買い、キクチ釣具店、佐々木銃砲店で足りない釣り具を揃えた。
19時過ぎに相泊港の近くの温泉の駐車場に到着し、そこで仮眠をして、朝4時の渡船に備えた・・・
相泊温泉は、浜辺にある温泉で、熱い温泉だが水で埋めれば快適な温度になる。温泉に入って駐車場で寝た。
早朝の3時半には、Yunさん他の仲間たちが揃い、予定どおり4時に渡船が出た。
昨日、地元のひとの話を聞いていたが、「知床の浜にクジラが打ち上げられ、それを喰いに熊が10頭以上群れている・・・」とのこと。
ペキンの鼻へ向かう渡船で、その浜辺により様子を見せてくれた。

中央の白いものがクジラの骨で、咆哮する熊の群れがうろうろと廻りを取り囲んでいた・・・
まだ暗いうちだったが、たくさんの熊に驚いた・・・
※ カメラを紛失してしまったため、この写真は、BloodyLのSHUさんのブログから引用させていただきました。

4時30分にはペキンの鼻に到着した。
思っていたよりも気温が低く、風があった・・・フライは風と相性がとても悪い・・・
番屋から望む…左のブルーシートはトイレ・・・
釣り客は、私たちのチームが10人程度で、トラウト&キングのツアー客も来ており、総勢で午前中は20名程度が入っていた・・・例年より少ない・・・

早々に釣りを開始したが、例年よりもカラフトマスは明らかに少なかった。
いつもは、沢が流れ込むインレットを中心に鮭が背びれを出して群れているのだが、そこには見当たらず、そこよりも海に向かって左側の岬側に鮭がついているようだった。
ウェイディングで昆布が生えている岩の割れ目に何度か沈没したが、岩の上に立ちこみキャスティングを繰り返した。
隣で、ルアーマンが何本も型のよいカラフトマスを釣り上げるが、風のためフライはルアーよりも飛ばずに、ぎりぎりのところでカラフトマスが回遊する水路(ストラクチャー)にとどかない・・・

途中で、小熊も降りてきた。
昨年に引き続き、熊が出たが、幸い、小さい熊だったのでそれほど心配はしなかった。
おそらく、母熊が近くにいるのだろうが・・・

夜の番屋では、ビールにスコッチ、ジンギスカンに例年楽しみにしている白子のソテーもいただいた。
短い時間だったが、満天の星空のもと、とても楽しい時間を過ごした・・・・
今回のスコッチはSPEYBURNで、鮭のラベルが洒落ているハイランド地方もシングルモルトを用意した。
みんな、気に入ってくれればよかったのだが・・・
写真は、MOOLYさん撮影のものをお借りしました。
3回目にして、鮭・SPEYのラベルをテーマにしたモルトウイスキーはネタ切れwww
鮭・SPEYのラベルをテーマにしたモルト探しについては、今後はボトラーズ業者の変わったところを探すしかない。

翌朝には、なんとか、カラフトマスを釣ることができた。
相変わらず、すごいファイトだった。スレの場合はとくに引く・・・・
オスとメスの一匹づつをキープして、浜辺で下処理をして標津から東京の知り合いに送った。
タックルは次のとおり・・・
ロッド : マイザー Highlander Classic S2H15068C-4
リール : ハーディ カスカペディア
ライン : スカジットコンパクト
ポリリーダー : フローティング 8f
ティペット : 4号
フライ : チェーンアイ レッド、パープルのマラブーをボディにしたゾンカー(レッド) SH10-4
Yunさんのご指導では、ラインについてはスカジットコンパクトよりもスカンジのほうがターンオーバーがいいため、そちらにしたほうがよいようだ。ターンオーバーがうまくいかずラインが鮭の目の前を通ると喰わないので、キャストに失敗すればすぐにラインを回収してやり直すのがこつ・・・
今回は、みんなはAFSの赤いラインを使っていた・・・

毎年、帰りの渡船に乗るたびに、もう、一泊したくなる・・・・
本当にあっという間だった・・・
その日の午後は、標津の温泉宿に泊まるために移動した。
標津の宿は「国民宿舎楠」に泊り、ジョギングで街中を散策し、温泉で汗を流した・・・
翌朝から忠類川のカラフトマス釣りを行う。

忠類川は、カラフトマスはほとんど登っておらず、魚影もわずかしか確認できなかった・・
調査の参加料金は一日4千円で、翌日の午前中も釣りをする予定であったため半日券が欲しかったが午後券しか発行されていないため、都合、二日分の8千円を支払った。ただ、ほとんど、釣りにならなかった・・・

同僚の薦めもあり、普段することのない観光をすることにした。
野付半島に行くのは初めてだ。
すぐそこに北方領土が望める。国後島がはっきりと見える・・・

野付半島から見て左側には、昨日に行ったペキンの鼻も望むことができる。
人工物が少なく、濃い自然を望むことができた。

トドワラという場所がに行ったが日本とは思えないような不思議な光景を望むことができる。
野付半島は全長26キロに及ぶ砂嘴で、トドワラとはトドマツの原っぱとのこと。
ミズナラの原っぱのナラワラという場所もある。

野付半島は、年間1.5センチづつ地盤沈下しているため、トドマツやナラワラが立ち枯れ、なんとも寂しいような光景が見える。
以前、八丈島のブログで近藤富蔵の話を書いたが、その父の極地探検家である近藤重蔵が1798年に野付半島に帰路、逗留したとのこと・・・択捉島に「大日本恵登呂府」の木標を立てた帰りで、ここから国後島に渡っていたようだ。 http://blogs.yahoo.co.jp/yashuujp/30691804.html

カモの親子がいた・・・・
最終日も午前中にカラフトマスを狙ったが、魚は確認できなかった。
カラフトマスは、ある程度、水量のある淵に溜まっているため、第二管理棟の上流域にある溜まりがもっともよいポイントである。しかし、そこは、いつも地元の釣り人が先行して入っている。今回も地元のお一人がそこで一匹のオスを上げていた。
下流のフライ・ルアー専用エリアは目立ったポイントはないが、おととしは忠類橋の真下がよいポイントだった。
今回もそこで粘ってみたが鮭が昇る気配はなかった。
どうやら、オホーツク海側のカラフトマスを含め、今年は不漁らしい。
管理棟でも13人の釣り人で4匹上がったとの報告がホワイトボードに記載されていた。(申告報告の集計のため、実際はもっと多くの釣り人が入っているようだ。)
今回は、同僚と二人の釣行になったが、残念ながら忠類川では釣れなかった。いろいろと一人旅を経験している同僚の彼は知床にそれほどの感慨は感じなかったようで、終始、疲れた様子だった。仕事で疲れているのにハードな釣旅に連れまわして申し訳なかったかもしれない・・・・
また、来年には知床と河川のサーモンフィッシングに臨みたい。
覚え
* 今回はデジカメを忠類川で落としてしまった。クジラを喰う熊の画像と動画もあったはずなので悔やまれる。 タックルバッグにしっかりと結束して渡渉に備える必要がある。新調しなければ・・・
* 何度も認識しているが、釣り場では荷物は最小限にすること。SHは2種類のみ、シンクティップもワレットに 最小限を収納すること。水と弁当は背中にコンパクトに背負う。
* いくら保存用の醤油が必要(ZIPLOCKに入れる)
* フライサイズをもっと小さいものも用意すること。また、キャスティング中に壊れないように、丈夫にタイイング すること
* 知床の釣れるポイント(場所)を覚えておくこと・・・インレット左と左岸80mの石の上
* 忠類川の釣果は登っているカラフトマスの量に比例するので、あらかじめ調べておき、不漁の場合は別の河 川(茶路川かそれ以外の河川)で釣りを行うことも次点候補として考えておくこと。遊漁券は一日ごとに購入す る。