仕事上、望ましい組織編制、チームマネジメント、リーダーシップについて具体的な解決策が求められることが多くあり、悩ましい毎日を過ごしている。
ホワイトカラーの生産性向上やチームマネジメントに正解がないことは解っているが、相対的に正しい解法があるように感じている。
やはり、最近の経営学の動向に眼を向けなければならないが、いわゆるマネジメントかかわる基礎を見直す必要を感じた。
昨年から、いくつかの書籍を取り寄せて漁っているが、印象にのこるものを要約したい。
とりあえず、100年前の古典である1911年のテイラーの著書、科学的管理法(The Principles of Scientific Management)の要約

テイラーの前提は「労働者は本質的に怠業の資質をもつ」ことであり、怠業をいかに解消するかに視点が置かれている。
怠業の原因その一:みんながペースを上げて作業を行うと、他の人の職をうばうこととなるので意図的にペースを落とす。
怠業の原因その二:そもそも人間には楽をしようという性向があり、周りの人からも感化され手加減する。
怠業の原因その三:動作、時間管理ができていない不必要な作業や非効率で鈍い動作がある。
怠業の原因その一:みんながペースを上げて作業を行うと、他の人の職をうばうこととなるので意図的にペースを落とす。
怠業の原因その二:そもそも人間には楽をしようという性向があり、周りの人からも感化され手加減する。
怠業の原因その三:動作、時間管理ができていない不必要な作業や非効率で鈍い動作がある。
テイラー以前のマネジメントは「自主性とインセンティヴを柱としたマネジメント」であったが、テイラーの提言する「科学的管理」は、現場の労働者の作業の中身に踏み込み「動作、時間研究」をマネージャーが細かく管理する。
要約するとこのような内容になっているが、具体的な作業分析を例示しながら、マネージャーが自ら細かく作業を把握すべきであるという示唆に富むもので、労働者の人間観察にまで注意を喚起している。
感想○ 怠業をさせないことがマネジメントであり、マネージャーがロジカルに細かく作業を把握することがマネジメントの基本であるというあたりまえのことを振り返る。
○ いわば、テイラーの科学的管理法はトップダウンの基本的なマネジメントを説いたが、現代に至ってはテイラー以前の「自主性とインセンティヴを柱としたマネジメント」であるボトムアップをマネジメントに組み入れる進化を示しているように感じる。しかし、テイラーの主張が陳腐化しているわけではなく、たとえば「動作・時間研究」はPDCAサイクルの基礎とも感じられる。
○ 100年前の著作であり、具体的な作業分析の手法は、現代社会にはそぐわないが、マネジメントの基礎を振り返るのにはよい機会となる書籍だった。