前回の「なぜ私は韓国に勝てたか」で、かの国の言論の自由を危惧しましたが、決して他人事(ひとごと)ではないのです。

少し前のことですが、大阪市がヘイトスピーチへの対処に関する条例を可決しました。

また、法務省がヘイトスピーチ動画を削除要請し、実行されたというニュースもありました。

誤解のないように付け加えますが、私はヘイトスピーチのような品のないことはすべきではない、というスタンスです。

これらのことが、行政によってなされているのが問題だと考えています。
行政は法に基づいて執行されます。

ここでいう「品がない(ある)」は道徳心なおどの慣習によって、心情的な枠組みによるものです。

神戸の児童殺傷事件の犯人である元少年Aによる手記が出版され、物議を醸しました。
出版するなという意見もありました。書店に陳列するなという意見もありました。

このような賛否が出ること自体、言論の自由が保障されているということではないでしょうか。

今回のヘイトスピーチに関する行政の行動は、この賛否を議論する機会すらも奪ってしまうことになりはしないでしょうか。

マスメディアによる様々な言葉の自主規制は、まさに議論の機会をなくしてしまっているほど行き過ぎていると思います。

これは憲法で禁止されている検閲に片足を突っ込んでいるのではないでしょうか?
マスメディアがこれらを問題視していないことが不思議でなりません。
(反対に、放送法の中身をそのまま述べた高市大臣には攻撃的なのがまた不思議)

昨年秋、映画「図書館戦争 THE LAST MISSION」が公開されました。
青少年に悪影響を及ぼすメディアを排斥する法律を成立させ、事実上の検閲をする国と、言論と表現の自由を守ろうとする図書館が武力衝突にまで発展しているという設定です。

以前なら「フィクションだしね~」と純粋にエンターテイメントとして楽しめたでしょうが、昨今の状況から「この映画のようになるかも」と考えてしまいました。




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