人類学者の磯野さんと、哲学者の宮野さんの往復書簡
宮野さんは学会で磯野さんとであい、自分が急に具合が悪くなる可能性があることをしらせ、往復書簡をやり取りすることを提案する
ガンの末期であっても患者としての自分になるのではなく、哲学者で最後まであり続けて書簡を書く宮野さん
宮野さんに学者仲間として語りかけ、言葉をうながす磯野さん、病人や死を前にした人に対するおずおずとしながらも率直な語りかけは、覚悟のようなものがみえる
それに応え続けた宮野さんの友情と信頼関係
これがたった2ヶ月の往復書簡ということにおどろく
「未来に向けて他者とともに何かを生成しようという動きをその人が手放さなければ、人間はこんなにも美しいラインを描き続けることができる」
「そうやって引かれたラインにつながると感じられた時、私たちは生きていく力を受け取ることができると感じる」
「偶然と運命を通じて、他者と生きる始まりに満ちた世界を愛する」
踏み跡を刻む覚悟をもって宮野さんにむきあった、磯野さん、ふたりのかけがえのなさに胸がいっぱいになる
磯野さんによる書簡にあらわれないたわいもないやりとりのあとがき、とてもよかったです
