ベイトフィネス用リールの部分で少し触れた

ベアリングの件なのですが、もうちょっと

話したいなと思いましたので、私的な部分

も含めて書き留めてみたいとおもいます。



まず最近よく聞く名前でセラミックベアリング

というのがあります。

セラミックと言っても素材は色々で書き出すと

きりがないですし、間違った事を書きそうなので

割愛しますが、早い話が陶器のような感覚で

色々な素材を焼き固めてあるような物です。




通常の金属の物に比べて色々な特性を持たせ

易く、硬さや重さ、耐熱、薬品に対する耐性など

用途に合った物を作れる他、表面加工の制度

を高度に出す事が出来る為、良く回る物も作る

事が出来ます。



ベイトフィネスではこの良く回る部分に魅力

を感じて流行っているのだとは思いますが、

ここでちょっと落とし穴が…



釣具屋さんで売ってるセラミックベアリング、

値段相当の効果が出ていますか?



更には、そのベアリングはリールに使う上で

利にかなった製品ですか?



と、なんともネガティブな事を書いていますが

実際、店頭やネットでベアリングの説明を見て

いると納得出来る物と、???な物が極端に

目に付きます。



まず、リール用に出ているセラミックベアリング

シマノ用だと内径3㎜外径10mm幅4mmの物が

2個で2千円前後します。

本当に高精度なセラミックベアリングは1個1万

近くするので安いのかな?って感じもしますが、

実物は内部がセラミック素材になった以外は

従来のステンレスベアリングと同じ物なので

割高だなと感じます。



更に言えば、セラミックベアリングを製造するメーカー

の主力商品には同じような仕様は無いのでレギュラー品

では無いのかもしれません。



それでも玉の精度が高ければ良く回るのも納得な所です

し、有りなアイテムなのですが。

ここで更に忘れちゃいけない、ベアリングのお約束が

あるんです。

それは、不良品が付き物と言う事。

ベアリングを普段扱っている方にはおなじみな事ですが

注文する際には不良分も計算に入れて発注しないと

後で泣けるよと言うのが昔からの基本です。

どんなに工場の精度が上がっても工業製品なのでしかた

ないのですが…

さすがに2個で2千円前後する物を余分に頼んで使う

のは財布に大打撃ですし、一般的じゃありません。




1個1個チェックしてオイルも回して販売しているC社さん

などもありますが、他のカスタムメーカーさんは錆が出てる

物がまざってたり、もろハズレがあったりとちゃんとチェック

出来ていない物を目にします。



割高だけどチェック済みだから安心して使えるよと言うので

あれば一応素材的には良く回るわけですし無駄も出ないので

有りだと思いますが値段が変わらずにチェックの出来てない

方は買いたく無いですよね…



他にも気になる点があります。

それはほとんどのカスタムメーカーがオープンタイプのベアリング

を出している事。

これも考え方次第なのですが、玉がむき出しのオープンタイプは

オイルやグリスが指しやすいですし、見た目もメカニカルでかっこ

いいです。

ただこれも別の見方があって、むき出しなのでオイル位ならすぐ

飛んでしまいますし、ゴミだって入ります。

シマノのオープンタイプのARBなどはオープンだから掃除し

易いとうたっていましたが、異物が入って高速回転してたら

掃除するまえにダメージを受けてます…

その後でSARBとかいってシールドタイプを出しましたけど。


とにかくよく回したいんだと言うなら寿命は格段に悪くなりますが

基本オイルレスのドライな状態が1番回ります。

そこまでははちょっとと言うのであればオープンタイプにオイルを

こまめに指していればドライ程は過酷じゃなく、すぐオイルが飛ぶ

のでドライに近いフィーリングは得られるかもしれません。

どちらにしても寿命は短いですが…



そういった部分を考えると、見た目やオイルの指しやすさを

諦めてもシールドタイプが無難なんじゃないかと思いますし

シールドタイプもCリングで止めてある物なら外せますので。

(注!何度も外してるとシールドが痛んで使えなくなります)

スプレータイプのオイルなら指すのも不便はありません。

なによりオイルが有効に効いて長持ちします。これ大事です。

なら片側だけシールドを外せばオイルが指しやすく飛び辛い

のでお得なんじゃと思いませんか?

私は思っていたのですが、ところがそこまで都合よくはいか

ないんです…

ベアリングメーカーさんと話した時にこの話をした所、

すぐに釣りに使うんですか?と言われました。

この辺の趣味の方は純正パーツの中に片側ベアリングが

ある為か、同じような発想をする人が多いそうなんです。

でも実際は、片側シールドしてもオイルが飛ぶのを抑える

効果はそれ程無く、社内の釣り好きの方が釣りに行く度

にチェックした所、朝だけの釣行でもオイルは飛びきって

いたそうです。

両シールドタイプでも完全密閉では無いのでオイルは

毎回指さないとへたるのは早くなるとも教えてくれました。




最後にセラミックベアリングをあえて使わない理由ですが。

コストパフォーマンスと、値段の割りに本当に高精度な物が

簡単には手に入らないからです。

ならばステンレスベアリングを丁寧に組んで使ったほうが

安いですし、精度もメーカー物なら高いので現状では最善

の選択だと考えました。

スチールほどではありませんが強度も強いですし安心。

これならメーカー品でも2個で600円前後ですし、余分に

4個買ってもまだ釣り具屋さんより安いのでw