ついに来ましたね、夏休みが。海に山、花火大会に旅行、と浮かれてはみたものの、他の販売業と同様、書店にとっても世の中がお休みの時こそ、かき入れ時です。休んでいる暇などないのでした・・・。ああ、学生時代に戻って夏休みをエンジョイしたいと思いつつも、夏休みといえばアレがありましたね。
二度とやりたくないアレ。そう、宿題です。そして、夏休みの宿題といえば、自由研究ですね。夏休み最終日に泣きながらやったものです。今回は、散々泣かされた自由研究にリベンジ(? )するべく、物の作られ方などの社会分野や、科学分野の書籍をご紹介しようと思います。
■ テーマ1:コミック誌ができるまでを調べてみよう!
夏休みにマンガを読んでいるだけでは宿題は一向に進みませんが、そのコミック誌がどのようにしてできるのかを調べれば、立派な研究と呼べるでしょう。そこで、1冊目にご紹介するのは『ジャンプの正しい作り方!』(サクライタケシ著、集英社)です。
週刊少年ジャンプ、それは少年だけでなく、少女や元・少年少女にまで幅広く支持されている、発行部数約270万部の日本一のコミック誌です。本書はそんな日本一のコミック誌少年ジャンプの裏側と秘密に迫るルポマンガです。
「ジャンプってどのように印刷されているの?」 「どうして再生紙にあんな色がついているの?」 「作品のロゴって誰が考えているの?」 「作品の掲載順は人気順?」など、数々の疑問を元漫画家志望、現おにぎり屋の著者・サクライタケシさんと、担当編集者のM山さんが解き明かしていきます。
ジャンプの印刷を専用とする工場があったり、ジャンプを印刷するために開発された機械があったりなど、さすがは少年ジャンプ、印刷過程は何もかも規格外です。
私が一番興味深かったのは、英語版「WEEKLY SHONEN JUMP」の作られ方です。創刊当初は月刊だった「SHONEN JUMP」も、現在は電子版となって週刊化し、日本と同じ発売日に発行されているそうです。(掲載作のラインナップは日本版とは異なっているとのこと。)
日本のマンガが海外でも愛されていることは、コミック好きとしてはとても喜ばしいことです。私が勤めるさわや書店・フェザン店は、駅に店を構えていることもあり、時々海外のお客様がご来店されます。「ドラゴンボール」などの日本のコミックをお探しの方もいて、言葉は通じないけれど、心は通じたような気分になります。
話が少しそれてしまいましたが、本書はジャンプ製作に携わる多くの人々の思いを垣間見ることができる1冊です。帯の言葉を借りれば、まさに「ジャンプがアツいのは作ってるヤツラがアツいからだったんだな」です。
ところで、皆さんが一番気になるであろう質問、「作品の掲載順は人気順?」の答えはぜひ本書を読んでお確かめくださいませ。読み終わったら、カバー裏をめくってみるのもお忘れなきよう。きっと、意外な発見がありますよ(笑)。
■ テーマ2: ロマンチックに星の世界を調べてみよう!
2冊目にご紹介する書籍は『夜空と星の物語』(日本星景写真協会、アマナイメージズ著、パイ インターナショナル)です。何を隠そう私、小学生の時分は星座好き少女。星座と切っても切り離せないギリシア神話も好きでした。
長らく遠ざかっていましたが、この機会にあの頃、夢中になった世界にもう一度浸ってみようと思い、いろいろと本を探してみました。科学本のような星座の書籍にしようかとも考えてみたのですが、今回は肩の力を抜いて楽しめる本書を紹介しようと思います。
本書の魅力は何といっても、星景写真の美しさです。星空と一緒に世界中の美しい風景も堪能することができます。そのクオリティーの高さから、写真集としてもお楽しみいただけます。
星座の図鑑ではよく、星をつなぐ星座線が引かれ、星座絵が描かれていますが、本書の大部分は、そのままの星空の写真が掲載されています。写真の横に、縮小した同じ写真の一部が掲載されていて、そちらは星座線が引かれています。実際に夜空を見上げた時のように、見本と見くらべながら、自分で星をつないでみる楽しみ方ができます。
本書では、星座の写真に加えて、その星座にまつわる物語も掲載されています。それぞれの物語につけられた見出しの文が、なぜだかとても心にしみるのです。
「もし永遠があるとしたら、それは母の愛だと思う」(おひつじ座) 「ヨーロッパは、恋から生まれた」(おうし座) 「失敗にはときどき、笑いの神が降りてくる」(やぎ座)などなど。こんな素敵な文章のPOPがかけるようになりたいものです(切実)。ともあれ、自分の星座からページをめくるも良し、プレゼントにも最適な1冊です。
■ テーマ3: ゾウの鼻はなぜ長い? 動物の不思議な生態を調べてみよう!
3冊目にご紹介する書籍は『増補 ゾウの鼻はなぜ長い ―知れば知るほど面白い 動物のふしぎ33』(加藤由子著、筑摩書房)です。
本書は、動物の生態や姿に関するいろいろな疑問と、それに対する答えから成り立っています。ゾウやキリンなど動物園でしかお目にかかれない動物から、イヌやネコなどの身近な動物まで取り上げられています。
質問の具体例を挙げると、「ゾウの鼻はなぜ長いの?」 「ツルはなぜ、一本足で立つの?」 「ネコの目はなぜ光る?」など、当たり前だけれど言われてみるとなぜだろうと思う疑問がたくさん紹介されています。
子どもの頃には動物に対する疑問はいろいろあっても、大人になるにつれて、いつしか「それはそういうもの」だと片づけてしまい、改めて調べてみる機会は少ないように思います。本書の中でも「ウサギの目はなぜ赤い?」の項目で著者は次のように語っています。
「この手の質問は子供向けの本にはよく出る話で、ほとんどの子どもが答えを知っている。ただし、おとなになるまでそれを覚えていることは少ない。そしておとなが読む本にこの話題はまず出てこない。身近な科学の解明は、おとなにとってこそおもしろいと信じるものにとって、これは悲しいことである。」(本文より一部抜粋)
何かを知りたいと思うことに年齢など関係ありません。この夏は、動物の数々の不思議について本書を読んで解き明かしてみてはいかがでしょうか。大人になったからこそ分かることもあるかもしれません。次に動物園に行ったときには、本書で得た知識をもとに、じっくり動物を観察するのもおすすめです。さらに、子どもの質問にも答えられるようになれば、お父さんの株も上がるかもしれませんよ。
今回は、社会・科学分野の3冊をご紹介しました。身近には、結構いろいろな疑問が潜んでいるものです。この夏は、今まで当たり前と思って、深く考えたことがなかったことについて調べてみてはいかがでしょうか。
このご時勢、調べ物の多くはインターネットで解決することができますが、書店員としては、ぜひ書店や図書館に答えを探しに来ていただきたいものです。店内を地球環境にやさしい程度に冷やしてお待ちしております。
二度とやりたくないアレ。そう、宿題です。そして、夏休みの宿題といえば、自由研究ですね。夏休み最終日に泣きながらやったものです。今回は、散々泣かされた自由研究にリベンジ(? )するべく、物の作られ方などの社会分野や、科学分野の書籍をご紹介しようと思います。
■ テーマ1:コミック誌ができるまでを調べてみよう!
夏休みにマンガを読んでいるだけでは宿題は一向に進みませんが、そのコミック誌がどのようにしてできるのかを調べれば、立派な研究と呼べるでしょう。そこで、1冊目にご紹介するのは『ジャンプの正しい作り方!』(サクライタケシ著、集英社)です。
週刊少年ジャンプ、それは少年だけでなく、少女や元・少年少女にまで幅広く支持されている、発行部数約270万部の日本一のコミック誌です。本書はそんな日本一のコミック誌少年ジャンプの裏側と秘密に迫るルポマンガです。
「ジャンプってどのように印刷されているの?」 「どうして再生紙にあんな色がついているの?」 「作品のロゴって誰が考えているの?」 「作品の掲載順は人気順?」など、数々の疑問を元漫画家志望、現おにぎり屋の著者・サクライタケシさんと、担当編集者のM山さんが解き明かしていきます。
ジャンプの印刷を専用とする工場があったり、ジャンプを印刷するために開発された機械があったりなど、さすがは少年ジャンプ、印刷過程は何もかも規格外です。
私が一番興味深かったのは、英語版「WEEKLY SHONEN JUMP」の作られ方です。創刊当初は月刊だった「SHONEN JUMP」も、現在は電子版となって週刊化し、日本と同じ発売日に発行されているそうです。(掲載作のラインナップは日本版とは異なっているとのこと。)
日本のマンガが海外でも愛されていることは、コミック好きとしてはとても喜ばしいことです。私が勤めるさわや書店・フェザン店は、駅に店を構えていることもあり、時々海外のお客様がご来店されます。「ドラゴンボール」などの日本のコミックをお探しの方もいて、言葉は通じないけれど、心は通じたような気分になります。
話が少しそれてしまいましたが、本書はジャンプ製作に携わる多くの人々の思いを垣間見ることができる1冊です。帯の言葉を借りれば、まさに「ジャンプがアツいのは作ってるヤツラがアツいからだったんだな」です。
ところで、皆さんが一番気になるであろう質問、「作品の掲載順は人気順?」の答えはぜひ本書を読んでお確かめくださいませ。読み終わったら、カバー裏をめくってみるのもお忘れなきよう。きっと、意外な発見がありますよ(笑)。
■ テーマ2: ロマンチックに星の世界を調べてみよう!
2冊目にご紹介する書籍は『夜空と星の物語』(日本星景写真協会、アマナイメージズ著、パイ インターナショナル)です。何を隠そう私、小学生の時分は星座好き少女。星座と切っても切り離せないギリシア神話も好きでした。
長らく遠ざかっていましたが、この機会にあの頃、夢中になった世界にもう一度浸ってみようと思い、いろいろと本を探してみました。科学本のような星座の書籍にしようかとも考えてみたのですが、今回は肩の力を抜いて楽しめる本書を紹介しようと思います。
本書の魅力は何といっても、星景写真の美しさです。星空と一緒に世界中の美しい風景も堪能することができます。そのクオリティーの高さから、写真集としてもお楽しみいただけます。
星座の図鑑ではよく、星をつなぐ星座線が引かれ、星座絵が描かれていますが、本書の大部分は、そのままの星空の写真が掲載されています。写真の横に、縮小した同じ写真の一部が掲載されていて、そちらは星座線が引かれています。実際に夜空を見上げた時のように、見本と見くらべながら、自分で星をつないでみる楽しみ方ができます。
本書では、星座の写真に加えて、その星座にまつわる物語も掲載されています。それぞれの物語につけられた見出しの文が、なぜだかとても心にしみるのです。
「もし永遠があるとしたら、それは母の愛だと思う」(おひつじ座) 「ヨーロッパは、恋から生まれた」(おうし座) 「失敗にはときどき、笑いの神が降りてくる」(やぎ座)などなど。こんな素敵な文章のPOPがかけるようになりたいものです(切実)。ともあれ、自分の星座からページをめくるも良し、プレゼントにも最適な1冊です。
■ テーマ3: ゾウの鼻はなぜ長い? 動物の不思議な生態を調べてみよう!
3冊目にご紹介する書籍は『増補 ゾウの鼻はなぜ長い ―知れば知るほど面白い 動物のふしぎ33』(加藤由子著、筑摩書房)です。
本書は、動物の生態や姿に関するいろいろな疑問と、それに対する答えから成り立っています。ゾウやキリンなど動物園でしかお目にかかれない動物から、イヌやネコなどの身近な動物まで取り上げられています。
質問の具体例を挙げると、「ゾウの鼻はなぜ長いの?」 「ツルはなぜ、一本足で立つの?」 「ネコの目はなぜ光る?」など、当たり前だけれど言われてみるとなぜだろうと思う疑問がたくさん紹介されています。
子どもの頃には動物に対する疑問はいろいろあっても、大人になるにつれて、いつしか「それはそういうもの」だと片づけてしまい、改めて調べてみる機会は少ないように思います。本書の中でも「ウサギの目はなぜ赤い?」の項目で著者は次のように語っています。
「この手の質問は子供向けの本にはよく出る話で、ほとんどの子どもが答えを知っている。ただし、おとなになるまでそれを覚えていることは少ない。そしておとなが読む本にこの話題はまず出てこない。身近な科学の解明は、おとなにとってこそおもしろいと信じるものにとって、これは悲しいことである。」(本文より一部抜粋)
何かを知りたいと思うことに年齢など関係ありません。この夏は、動物の数々の不思議について本書を読んで解き明かしてみてはいかがでしょうか。大人になったからこそ分かることもあるかもしれません。次に動物園に行ったときには、本書で得た知識をもとに、じっくり動物を観察するのもおすすめです。さらに、子どもの質問にも答えられるようになれば、お父さんの株も上がるかもしれませんよ。
今回は、社会・科学分野の3冊をご紹介しました。身近には、結構いろいろな疑問が潜んでいるものです。この夏は、今まで当たり前と思って、深く考えたことがなかったことについて調べてみてはいかがでしょうか。
このご時勢、調べ物の多くはインターネットで解決することができますが、書店員としては、ぜひ書店や図書館に答えを探しに来ていただきたいものです。店内を地球環境にやさしい程度に冷やしてお待ちしております。