ハワイの守り神、ホヌ(海ガメ)のオーダーをいただき 描いたものです。
大きく一匹でも描きたかったのですが、
何度描いても 二匹のホヌと、寄り添う、というワードが浮かんできました。

お渡しした時に 、 二匹も寄り添うも理由があります、 とても納得します、と 喜んでいただけて
ほっと 胸をなでおろした作品たちです。

お作りしたものをお渡しする時は、いつも とても ドキドキします。

どうか、パステルたちが それぞれに
色の力を発揮しますように。
( ´ ▽ ` )













とてもすきな 詩のひとつが、
吉野弘という詩人の 『祝婚歌』です。


以前、声の仕事をしている時に 詩の朗読をする機会があり、
勉強のために ある 朗読会にいきました。

その時の最後に
とても尊敬する 素晴らしいナレーターの方が読まれた作品でした。
お名前をいうと その世界では知らない人はいない程 素敵な女性のナレーターで、
当時 80歳くらいでした。


その方の朗読に
途中から 溢れてくる涙を 必死でこらえた記憶があります。







『祝婚歌』


二人が睦まじくいるためには
愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは
長持ちしないことだと気付いているほうがいい

完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと
うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが
ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい

互いに非難することがあっても
非難できる資格が自分にあったかどうか
あとで
疑わしくなるほうがいい

正しいことを言うときは
少しひかえめにするほうがいい

正しいことを言うときは
相手を傷つけやすいものだと
気付いているほうがいい

正しくありたいとかいう
無理な緊張には
色目を使わず

ゆったり ゆたかに

光を浴びているほうがいい

健康で 風に吹かれながら
生きていることのなつかしさに
ふと 胸が熱くなる

そんな日があってもいい

そして

なぜ胸が熱くなるのか

黙っていても
二人にはわかるのであってほしい












このあと、


わたしも この詩が 朗読したくて
何度も練習するのですが

あのとき 、溢れる涙をこらえた感情は
何度練習しても
わたしの声からは生まれてこず、自信をなくし、

結局 、短めの 違う詩を読みました。








しばらく時が経ったころ、同業の先輩に相談したことがありました。
そのとき先輩は


朗読は行間

と言いました。



行間に こめなさい。
言葉のないところに気持ちをこめなさい。


、、、、、。







なぜ 今 そのことを思い出したのか、
集中してお花やパステルと向き合っていると ときどき ふと、
昔の出来事が ありありと 浮かんでくることがあります。




今なら、
あのときわからなかった事が、少しわかります。


行間に込められたもの。


生きざま。想い。



見えないところに あるもの。



見えないからこそ、あらわになること。





吉野弘、という詩人の世界を
魂で 感じとる、ということ。








夜中に、そんなことをつらつらと思い出しながら、



さあ、お花、
もうひとがんばりしようかな(笑)







ものづくりも
行間、かもしれない。




目には映らないところに
たいせつな想いを
込めていきたい。












読んでくださってありがとうございます。
(*^ー^)ノ








あしたもきっといい日になる いい日になる いい日になるでしょう〜〜音譜





素敵な夢を
(*゚ー゚*)





Julia Bell『パステルの空』miyu☆