こんにちは。
なんとなくこういう感じの本を読みたいなあと思って手にした、古内一絵さんの『最高のアフタヌーンティーの作り方』。
読みやすくて、前向きな気持ちになれる一冊でした。
都内の老舗ホテルに勤めて7年、30代を前にして念願かなって切望していた“アフタヌーンティーチーム”への異動となった涼音。
女性の働き方、雇用形態、ジェンダー、ディスレクシア、差別といった社会的な問題を織り込みながら、
アフタヌーンティーの作り手や迎え手、それを楽しむ人たち、それぞれの人生や家族との関係が、自然な流れで分かりやすく描かれています。
夢に向かって邁進していく、まっすぐで健全な涼音が眩しい。
こういうまっすぐなエネルギーは、時に周りに鬱陶しく思われたり、空回りしてしまったりもするけれど、若々しくていいなあと感じました。
まっすぐな人って、まっすぐにしか生きられないような気がします。
悪い意味ではなくて。
そういうエネルギーの持ち主には、その持ち味を存分に発揮してほしいなあ。
何より、好きな仕事に出会って、その仕事に情熱を注いでいる涼音のまっすぐさが、今の私には眩しく感じられました。
第四話の「彼たちのアフタヌーンティー」が特に印象的でした。
刷り込まれたものや思い込み、偏見がいかに世界を狭めて窮屈にしていることか……
そこから解放されていくことの気持ちよさ!
ホテルスタッフに“ソロアフタヌーンティーの鉄人”と呼ばれている、いつもひとりでアフタヌーンティーを楽しむ常連の男性。
この人がいいなあ。
周りの人にどう思われるかなど気にせず、自分の好きなことを自由に楽しんでいる。
美しいものと美味しいものを心から楽しんでいる幸せなひと。
周りの人にどう思われているかを気にする世界を超えている人は、周りの人のことを気にしないし決めつけない。
それに比べて、きっとこの人はこういう人だろう…と決めつけて色メガネで見ている人たちのなんと不自由で窮屈なことか。
人を決めつけている人は、結局自分のことも決めつけてしまっているように感じます。
人に限らずたくさんのことを。
その狭い世界の居心地に慣れてしまうと、もうそこから出ていくことが少しずつ難しくなっていってしまう気がします。
涼音のおじいちゃんの存在も大きい。
最近は“老害”などという言葉も出現してきてドキリとしてしまいますが
斜に構えず、自分の経験や経験から学んだことを、毒なく、こんなふうに伝えられるおじいちゃん、素敵だなあと思います。
押し付けるのではなく、相手の求めることや状況に応じて、その都度引き出しを開けて伝えていくような態度や言葉に、素敵な“老人力”を感じました。
“ソロアフタヌーンティー”なんていう発想は全くなかったけれど、そんなひとときもまた良きかも…
そんな気持ちになりました。
お読みくださりありがとうございます。
今日もどうぞよい一日ありますように💛
この写真、以前載せたことがあったかもしれませんが
ホテルニューグランドのロビーラウンジ「ラ・テラス」でのいつかのアフタヌーンティーです。
(アフタヌーンティーの写真が他に探せなかったのです💦)
ここからのパティオの眺めと、こちらのオリジナルブレンドティーが好きです☕