『マンハッタン・ラプソディ』
バーブラ・ストライサンドが監督、主演の1996年の映画。
とてもよかったです。
自己欺瞞、コンプレックス、嫉妬、不安、妥協…
そういうものを一気に脱ぎ捨てていく爽快さと
隠れて小さくなっていた本来の自分を見つけ、本当の望みに心をひらき、愛に出会っていく幸福感。
わかりやすいストーリーとコメディタッチな描き方は、ちょっと懐かしくてほっとする感じがします。
1959年のフランス映画『両面の鏡』のリメイク版だということを後から知りました。
英語のタイトルは『THE MIRROR HAS TWO FACES』
このタイトルはなるほどなあ…と思います。
中年になるまで一度も恋愛経験のないローズは、コロンビア大学の教授。
軽快な語り口の授業は学生に人気があり、キャリアは順調ながら
容姿にコンプレックスを持ち(美人の妹がいるゆえさらに)、愛される自信がなく
一緒に暮らす母親からは強い干渉を受けるなど、私生活はくすぶっています。
そんなローズは、あるきっかけで同じ大学の数学科の教授と知り合い、ある理想のもとに結婚するのですが……
挿入歌の歌詞にあるように、
自分が持っているものに気づけず探し求めたり
他の人のようになろうと無理をしたり
本心とは違うビジョンを掲げたり…
結局、自分が幸せになる道を邪魔しているのは、ほかでもなく自分自身なのかもしれません。
後半の、ローズが母親と語り合うシーンが好きです。
母親が鎧をとり、素直になって自分自身の人生を振り返り、正直な気持ちをローズに伝えた時から
ふたりの硬直していた愛が流れを取り戻したように感じました。
今は亡き父親にも愛されていたことを知ったローズが、写真の中の幼いローズとひとつになっていく瞬間がいとおしい。
賢くて愛嬌があってクセが強めのローズが、とてもチャーミングで素敵です。
こういう懐メロのような映画を観たくなるときがあります。
お読みくださりありがとうございます。
暑さが厳しくなりそうな一日。
皆さまどうぞお気をつけて、よい一日をお過ごしくださいませ💛
少し前に立ち寄った妙本寺(鎌倉)
暑さが嘘のようにひんやりと涼しくて気持ちが落ち着きました