へレーン・ハンフの『チャリング・クロス街84番地』
この作品も本好きの心をくすぐる一冊ではないかなと思います。
私は以前に映画を観てときめき、
次に原作を読んでみると、今度はまた映画を観たくなって、
映画→本→映画、そしてまた本…というループにはまってしまいます笑
ニューヨークに住む売れない女性脚本家へレーンは、大の古書好き。
ロンドンの古書店に問い合わせ、本を買い求めたことをきっかけに
書店員との本と手紙での交流がはじまります。
1949年から約20年間にわたるこの交流が“実話“であるということが、まず驚きです。
国の違いや売り手と買い手という関係をこえて、本を通して育まれていった信頼や友情に感動します。
第二次世界大戦後のロンドンが食糧難であることを知ったヘレーンは、デンマークの商社を通して古書店宛てに食料品を送ったりもしています。
それは、主に手紙のやりとりをしていたフランクにだけではなく、書店員5人に向けてです。
そうなのです。この交流はいつしか書店員たち皆との交流へと広がり、
歳月を経て、本のみならず、互いの家族や身の回りへの心遣いへと深さを増していきます。
20年の間に、時は戦後の混乱期からさまざまな変化変容を遂げ、
当然ながらそれぞれの人生も移ろっていきます。
いつかロンドンのお店を訪ねたい、訪ねて来てほしいと互いに願いながら、その願いは簡単には叶いません。
本に対する愛情ゆえか、時に気性の激しさを文面に表すヘレーンに対して、
実直で穏やかなジェントルマンのフランク。
ニューヨークとロンドン、ふたりを繋いでいたのは、やはり本。
本を真ん中にした互いへの信頼、よき理解者としての誇り、愛書家としての共感に満ちています。
映画でフランクを演じているのは、アンソニー・ホプキンス。(若い!)
1987年の映画です。
役柄にぴたりとはまっていてとても素敵です。
私は最初に映画の方を観たので、本を読んでいても、どうしても頭の中で映像が動いてしまうのですが、それもまたいいものです。
映像の色合い、古書店の雰囲気、ヘレーンの部屋… 素敵なのです。
映画だからこそ表現できたものもあると思います。
とても好きな映画です。
映画でフランクが、在庫を補うべく古書を探しに古い家を訪ね歩いているとき、
総金縁の詩集を見つけヘレーンを思い出し、彼女の贈り物にするシーンが好きです。
さあ、本から読みますか?映画から観ますか?笑
ああ、この記事のテーマを本にするか映画にするかで迷います💦
明日は夏至ですね。
個人的に、一年で一番エネルギーが高まるように感じている夏至。
胸が高まります💓
お読みくださりありがとうございます。
皆さまの日々がどうぞすこやかでありますように💛