遅ればせながら観たカウリスマキ監督の映画『枯れ葉』。
しみじみとよかったです。
紙に連絡先を書いて渡すとか、会えずにすれ違いを重ねるとか、ひと時代前のことのように感じられるけれど、
ラジオのニュースは、ロシアのウクライナ侵攻を伝え、時を明らかにしています。
日常と戦争が平行している奇妙さと切実さ。安心と平和を求める気持ち。
この戦争が監督をふたたび映画へと駆り立てたのかなあと想像してみたりしました。
フィンランドを旅した時、ヘルシンキでトラムの乗り継ぎを間違えて、ひどく寂しいところに運ばれて行った時の心細さをふと思い出しました。
精一杯生きていても、望んではいない寂しいところへと運ばれていってしまうことがある……
引退宣言から6年経ってのアキ・カウリスマキ監督の復帰作ですが、
社会の片隅で働きささやかに暮らす人たちを愛をもって描いているところ、
切実でありながらどこかぎこちなく、調子はずれのような可笑しみのあるところなど
変わらないアキ・カウリスマキ監督らしさを感じました。
不器用に少しずつ距離を縮めていくふたりに、深い孤独感と幸せへの渇望が感じられて
せつなくも温かさを感じました。
音楽や映画の挿し込み方や色彩感もよかった。
そして、やっぱり登場したワンちゃんもかわいかったです。
以前は、このフィンランド流というのかカウリスマキ監督流というのか、この独特のテンポ感やユーモアがよくわからなくて苦手にも感じていたのですが
少しずつ歩み寄って(笑)この世界観を味わえるようにもなってきた感じがしています。
大人になったってことでしょうか?( ´艸`)
お付き合いくださりありがとうございます。
おやすみなさい🌙
明日もどうぞいい一日でありますように💛
シネコヤさんにて🐈