映画「オットーという男」の中で

 

オットーがマリソルを町のスウェーデンカフェに連れて行き

 

“セムラ”を食べながら亡き妻の思い出を語るシーンが好きです。

 

 

 

 

ついでに、この時オットーが着ているベストが好きです。

 

というか、このベストを着ているオットーの雰囲気が好きです。

 

 

 

 

 

この映画はスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」のリメイク。

 

こんなふうにスウェーデンを差し込んでくるなんて粋だなあと思って。

 

 

そして、スウェーデンカフェの淡いピンクの甘さと優しい思い出がマッチしていて素敵です。

 

 

 

 

ちなみに“セムラ”は、スウェーデンの伝統的なお菓子です。

 

カルダモンの入ったパンのような生地にアーモンドペーストとホイップクリームが入っています。

 

 

冬の終わりから春にかけて(イースターの頃)食べられる季節のお菓子。

 

お菓子というよりパンのような感じがします。

 

 

日本ではあまり見かけないような気がするのですが、季節になるとIKEAにも登場します。

 

(見た目が似ていますがマリトッツオとは違います笑)

 

 

私は豪徳寺駅近くにあるFIKA FABARIKEN(フィーカ ファブリーケン)というお店で。

 

 

 

 

 

 

 

 

最愛の妻に先立たれ生きる希望をなくしたオットー(トム・ハンクス)は、

 

退職を機に妻のあとを追おうとするのですが、

 

お向かいに越してきた明るく気立てのよいマリソル(アリアナ・トレビーニョ)一家との出会いによって気持ちが変化し再生していきます。

 

 

 

 

いつも不機嫌で気難しく仏頂面。職場でもご近所でも疎ましがられている嫌われ者のオットー。

 

その固く閉ざされた心の扉を、強引なまでに開いていくマリソルのパワフルであったかい愛。

 

孤独が溶けていき少しずつ柔らかな表情になっていくオットーの姿にほっとして、幸せを感じます。

 

 

若き日のオットーをトム・ハンクスの次男、トルーマン・ハンクスが演じています。(俳優さんではないのですが)

 

オットーの妻ソーニャもとても魅力的です。

 

猫ちゃんもかわいいです。

 

 

オリジナルのスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」もとてもいいです。

 

こちらの方が原作の小説に近い描き方をしていて、トーンが少し落ち着いている感じでしょうか。

 

両方観てみるのも面白いと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ところで、昨日書いた「TOKYO ART BOOK FAIR 2023」の会場で

 

資生堂さんが、ノルウェー在住のファッションエディター、エリス・バイ・オルセンさんと作成した

 

“花椿”のタブロイドを配布していました。

 

 

 

 

 

 

 

この資生堂さんが発行している冊子“花椿”がとっても懐かしかったです。

 

子どもの頃家にあって、言葉と写真とデザインが作り出す洗練された美しい世界を

 

憧れるような気持ちでそっと見ていました。

 

 

そんな小さいかけらがたくさん集まって今の私ができているような気がして

 

忘れていたかけらを見つけると嬉しくなります。

 

 

 

 

 

 

 

映画のワンシーンも、そんなかけらのように、私の中にたくさんあるような気がします。

 

 

1937年から発行されている冊子“花椿”は

 

途中戦争による中断を経て831冊になるのだそうです。

 

 

 

 

今日もお立ち寄りくださりありがとうございます。

 

明日からぐっと寒さが増すようですね。

 

皆さまどうぞお気をつけて、あたたかくしてお休みくださいませ。