読書は、併読派で再読も多いので、きちんと順序だってはいないのですが

 

最近に読んだ本の中から、ブログに書いていないものをいくつかご紹介したいと思います。

 

 

 

 

一冊目は、宮本輝さんの「胸の香り」

 

 

 

 

宮本輝さんは、久しぶりに読んだのですが、よく読んできた作家さんのひとりです。

 

好きな作品がいくつかあって読み返すことがあるのですが

 

この本は初めて読みました。旅に持っていこうと思って選んだ短編集です。

 

 

収められた7つの短編は、原稿用紙30枚にぎゅっと凝縮された宮本輝節を感じます。

 

なんとなく全体的に漂う昭和な感じが懐かしくもあります。

 

 

生い立ち、出会いと別れ、生と死、男女や母と子、友人との関係に内包された陰翳に

 

人間のやるせなさ、どうしようもなさを感じます。

 

 

「深海魚を釣る」の中の

 

“人間とは、ときにそのような、理由があってないような、

 

説明がつきそうでつかない行動をするものなのだ”という一節が印象的でした。

 

 

今は亡き池内紀さんが解説「七つの修羅」を書かれていて、その文体を懐かしく読みました。

 

読み終えたあとの落としどころのなくなったような気持ちを、池内さんが整えてくださいました。

 

 

 

 

 

 

2冊目は、原田マハさんの「〈あの絵〉のまえで」

 

 

 

 

こちらも、旅のお供にと選んだ一冊で、一枚の絵をモチーフにした6つの短編集です。

 

 

どの物語にも、悲しみやせつなさが溶け込んでいるのですが

 

やがて、やわらかく光が射し込むように希望が生まれていきます。

 

心の傷からの緩やかな再生の物語たち。

 

 

いずれの絵も、日本の美術館の所蔵作品で、観たことのある絵に親しみが湧きます。

 

表紙の絵はクリムトの〈オイゲニア・プリマフェージの肖像〉(豊田市立美術館蔵)です。

 

他に、ゴッホ、ピカソ、セザンヌ、東山魁夷、モネの絵が登場します。

 

 

 

 

 

3冊目は、よしもとばななさんの「ハゴロモ」

 

 

 

 

何度も読んだことのある、ばななさんの作品の中でも好きな一冊です。

 

18歳からの8年間の恋が終わり、失恋の痛手と

 

息をひそめるような都会の暮らしの疲れを癒すために故郷に帰ったほたる。

 

 

そこは、さほど折り合いもよくない人たちが暮らす代わり映えのしない町。川の流れる町。

 

けれどもそこで、過ぎた日々を取り戻すかのように、心も身体も血色を取り戻していきます。

 

 

弱っているときにこそ、見えたり感じられたりするものがきっとあるのでしょう。

 

透きとおるような感性とその力を感じます。

 

 

“変わり者”たちの持つ不思議な力の結集は、世界を回す糸車のようです。

 

それは変わり者たちに任されている使命なのかもしれません。

 

 

所どころに、散りばめられたように励まされる言葉があって付箋を付けています。

 

 

「人の、意図しない優しさは、さりげない言葉の数々は、羽衣なのだと私は思った」

 

羽衣に守られて生きる私たち。

 

ばななさんの十八番のような、こちらも再生の物語です。

 

 

 

 

今回6冊を紹介しようと思ったのですが、長くなってしまうので

 

続きはまた明日にしようと思います。

 

 

お付き合いくださりありがとうございますm(__)m

 

 

明日もどうぞよい一日でありますように。

 

 

 

 

☆おまけ☆

 

「HIGASHIYA」さんの節季ひと口果子。(菓子ではなく果子なのですね)

一年を通じ、二十四節季ごとにその時季にふさわしい素材を用いた“ひと口果子”

 

たくさんある種類の中の定番6種類の詰め合わせ“真”をいただきました♡

(食べてみたくてリクエストしたのですが笑)

 

 

ちょっとピンボケですが💦上から棗(ナツメ)バター、鳥の子、紫根(シコン)

深支子(コキクチナシ)、路考茶(ロコチャ)、榛摺(ハリズリ)

 

 

こちらは、“棗バター”

 

どれもとてもおいしゅうございました♡