多様な人材の「多様」というのはどのあたりをさすのでしょうか?
国籍、宗教、政治観、LGBT、心身の障害、思考の違い、学歴の違い(中卒〜大学院卒)、スキルの違い、ぶらぶら社員の存在 etc
いろいろなことが考えられると思います.
では、多様性を受け入れられる条件ってどの辺りなのでしょうか。
・経営陣や従業員の許容感
・会社の規模(従業員数、売上高、上場・非上場 etc)
・風土と教育
外的な要件ですが、政治や法律改正、社会トレンドなども関係してくると思います.
例えばですが創業間もない従業員3名の会社(給与は安い)での多様性について考えてみたいと思います。
そこに4人目の従業員としてLGBTの方が入ってこようとしたとします。
代表者は中立で他の候補者と同じ扱いをしたとします。しかし、他の従業員の理解については不明なところがあります。
経営者がいいといっても、他の3人が「気が進まない」と口を揃えれば、採用を見送ってしまう事があるかもしれません。安月給の中で、「多様性の尊重」を強く強要するのも難しいし、1人を採用するために他の3人を「総とっかえ」するわけにもいきません。既存の従業員に気持ちよく働いてもらうことも大切なことです。
※就業規則にない理由でのいきなりの首切りは「辻斬り」みたいなもので、裁判を起こされたら負けます。また、このような採用の見送りは法令に違反しているかもしれません。過去の判例で「性格が暗い」ことを理由に不採用にしたら裁判で会社側が負けた事があります。
では、どうなったらより確実に多様性が許容できるようになるのでしょうか?
私は、それを従業員数100名くらいと考えています.もちろん極端な安月給が是正され業界平均レベルくらいかそれ以上になってからの話です.
100人いれば、「一人くらいこんな人がいてもいいじゃない」と思えるものです。
LGBTの方だけでなく、鬱病治療中の方、親指しか動かせない方、イスラム教で礼拝や断食が必要な方、普段売上に貢献しないが危機に強い方 etc いろいろな方が許容されるようになると考えています.
もちろん教育(CSR的なもの)は大切で早期に取り組みたいと考えています.
しかし、ずっと染み付いてきた感情というのは教育だけで簡単に変えられるほど簡単なものではないと考えています.
ロボットではなく人間ですから好き嫌いはあります。それを完全否定することはできないと思っています.
現実的なことを書くと、LGBTや鬱病歴などを最初から職場でカミングアウトする必要はないと思っています。早期の安心感よりも今の「実」を取ると申しましょうか。ベストよりベターな選択を、ということです。
もし偶然(例えばSNS等で)、代表者が「それ」を知ったとしてもそれを他人に広めたり「検索してみて」と人に勧めたりすることはありません。
早期の多様性のある人材集めを諦めているわけではありません。どんどん飛び込んできてください。従業員の多くが許容すれば受け入れられ、いい「居場所」となることでしょう。
残念な結果になったとしても、お互い落ち込みすぎないようにしましょう。世の中は変わってゆきます.世界中すべての人に好かれなくても生きてゆけます。