張り巡らされたシナプスが喜怒哀楽のフィラメントに絡みつきニコチンに殺され消えていく | 三白眼でしましょう。

三白眼でしましょう。

ササリンモームしょっぱいね


さて、二択だ

折り合いか刺し違えるか

覚悟を決めて家を出たが

一択だった

ため息も出ず

俺の首がへし折れごろんと床に転がった

ドラちゃんちょっと聞いてくれ

二分だけでいい

何だよ、そんな目で見るなよ

クリスチーネ剛田を見るような

なあドラちゃんよう……

さよなら神保町



とぼとぼ九段下

あの日もそぞろ歩きでここに来ていた

足取りは天地ほど違う

雲の上を歩いているようだった

田舎の母に受賞したと報告しながら

染井吉野が舞い散っていた

地球に祝われているとすら感じた

まさに門出の春だった

まあ母は信じてくれなかったが

小学館ぐるみのスケールのでかい

金の無心かと警戒したらしい



袖を引かれたように靖国神社

受賞が決まったあの日はお祭りで

出店と人で賑わっていた

それすら俺を祝福しているように思え

ビール片手にひとり、綿菓子をかじり

浮わついていたら職務質問されたっけ

今日はひっそり閑散として

鳥居をくぐるとくるっくー

鳩が落とし物をして飛び立ち

しょっぱい雨が頬を弾いた



来年の干支はペガサスか

曇天を駆け抜けて

穴をぶち開けてほしいものだ

そこをこじ開け

陽のあたる、あちら側にいけるといいね



試しにおみくじ引いたら吉と出た

生まれて初だ

四つ葉のクローバーを見つけたほどの

笑みが漏れていた

例年、引けば凶

大凶の時は嬉々として飛び跳ねた

大吉より枚数が少ないからね

人生上々の時は凶ではしゃげる

今は吉で五ワットの笑みを浮かべ

すがってる

おみくじをバッグにくくりつけて喫煙所

紫煙を吐いて見上げたらめまいがした

俺の心模様はこんな感じ

張り巡らされたシナプスが

喜怒怒怒哀哀楽死死死のフィラメントに絡みつき

ほら、ニコチンに殺され消えていく



市ヶ谷から電車に乗った

シートに腰を下ろしたら

ジャンゴジャンゴうるさいトランスが流れた

携帯の着信音だ

風貌からして白い目を向けられるのは俺の役目

真っ先に薄目で睨んできた

まさかの向かいの婆さんが

「もすもーす」

ピンクのスマホに出た笑た

ぎっと、また一段と細く睨まれた

腹をよじったら涙が目頭をつまんだ

こんな日は

飲んだらまずい

どす黒い幕が下りそうな気がして

歌舞伎町に行くのをやめた

それがいい

心も腰も痛い

不摂生の皺寄せか

厄の追い込み

最寄りの駅を出て右折

ゲームをしながら歩く子とぶつかって

転ぶよと、たしなめたら俺が転んだ

奇しくもそこは三ヶ月ほど前

タクシーにひかれた白線の上だ

ふっ

立ち上がるなり手を上げタクシーを拾った

何処へ

歌舞伎町

飲まなきゃやってられない

(ФωФ)ξ.:*:・'°

いつものごとく

みんな逃げたあと

毒を吐き疲れた朝方ムームー携帯が鳴った

ギャグの分かる、でらべっぴんな女からだ

もすもーす

かけてきたくせに彼女はやんともきゃんとも言わず

ちゃわちゃわしたガヤしか聞こえない

メールが来た

バッグの中で勝手に電話しちゃってたみたいごめんなさい

静かに飲んでいたから、いいガヤになったよ

大人の返信をしたが

マスターテキーラ瓶でくれ

気づいたら今日は翌日

俺が不幸な分

みんなに幸がありますように

なければ生きてる意味がない

それが今年の俺のレゾンデートル

マンションの名前じゃないよ

よいお年を

(ФωФ)ノ