収束が見えない新型コロナウイルスの感染拡大、大阪府でも不要不急の外出自粛が要請されています。そのウイルスのと同じ名前ゆえ、SNSで嘆きのつぶやきを投稿したあるホテルがあります。その名もずばり「大阪コロナホテル」。同ホテルは「縁起が悪い」などと風評被害を受け、客室の稼働率も低下しています。この逆境を打開するためにも「改名しないのですか?」と聞いてみました。
大阪コロナホテル【公式】(@CORONAHOTELJP)は1月下旬の投稿で「コロナウイルスが憎い…」と嘆いています。ツイッターを管理している「中の人」によると、「今年1月からスタートしたSNSなんですが、コロナホテルで検索をしていると、話題のコロナウイルスと名前が同じことから『縁起が悪い』『怖い』などのツイートが結構ありまして・・・。悲しくなって、ツイートしたんです」と経緯を話します。
その後、風評被害が懸念される悲しい内容には、「コロナホテルさんは悪くない」「負けるな!」「頑張って下さい! 応援してます」「今こそ『安全清潔に注力してるホテルです!』と宣伝の好機かと」など、多くの人からの同情や温かい励ましの声が相次ぎました。なかには、「前泊まったときに、朝食が豪華でおいしかった」「大浴場がよかったです」(現在は休止中)など、過去の宿泊客からのコメントも見受けられました。
「大阪コロナホテル」(大阪市淀川区)は2020年の6月に創業50周年を迎える、老舗ホテル。客室のベッドには、世界が認めるシモンズ社のマットレスを使っています。例年なら3月は9割ほどの稼働率になるのに、今年は3割から多くて6割。
この名前について、同ホテル第一営業部リーダー・藤井康平さんは、「50年のあいだにオーナーも代わっており、命名された方の思いはわからないのですが、太陽のコロナ、輝かしいイメージと従業員のあいだでは語り継がれています」。「改名はしないのですか?」という直球の質問には…「ないですね」と答え、あくまでも現在の名前で営業を続ける覚悟です。
同ホテルは、研修や会議、展示会などで会議室の貸し出しもおこなっており、新大阪駅から徒歩2分という利便性もあって、宿泊以外にもよく利用されています。関西の人気番組『今ちゃんの「実は…」』(朝日放送)の企業対決コーナーのロケ場所として使われているという縁もあり、番組でも同ホテルの苦悩が紹介されたところ、話題になりました。
現在は「500円で2個の荷物を預かってくれる」、新幹線の待ち時間などに「1時間1000円でほかに人のいない会議室を借りられる」、また「お昼の時間をまたいで会議室を利用する場合は、ランチの提供も」など、宿泊以外でのサービスにも力を入れています。
新型コロナウィルス対策としては、次亜塩素酸水による空間除菌や、朝食会場へのポリ手袋の設置、館内各所へのアルコール剤の設置、従業員のマスク着用をおこなっており、藤井さんは「ウイルス対策は万全の体制で実施しており、安心・安全にご利用いただけるよう配慮しております」と話しています。
以上まいどなニュースより