たまたま見つけた廃屋。
戦前からある家屋。
平屋建ての小さな家だが、ここに間違いなく一つの家庭があったという。
半壊状態。土壁は剥がれ、蔦が覆う。ここにも命があったというのが信じられない。
70年ほど前は、隣の家の少年がこの家の人とよく遊んだそう。
団欒の間であっただろう部屋は寂しく荒んでいた。
家具もひっくり返っている。こうやって少しずつ土へと還る。
現在、この土地は住民が売却し、工務店が所有している。今年中にもここは解体され全て無くなる。
ほぼ全てのものには終わりが来る。それがどんなものであっても、家庭であっても。