アンティークな廃醫院 | 退廃帝國三丁目

退廃帝國三丁目

主に写真をupしています。


大正時代開業の古い医院。廃墟マニアの間で数年前に話題になりあっという間に人気物件に。

最近はここに立ち入る人が怪我をしたり、煙草を捨てたり、建物に残る薬瓶や棚などの窃盗などが問題となっており、管理人も困惑している様だった。

崩壊が激しく、近所の人も目を光らせている。
ここへむやみに訪問するのは推奨しない。

入口。扉も破壊され中も外も同じになった。


廊下は脆く、いつ踏み抜いてもおかしくない。


薬局前。暗がりに包まれたまま。


アンティークな診察室へ。

とんでもない光景が眼前に広がっていた。


医院の当時の様子がそのまま残る。しかし全てが廃れている。空虚さ、儚さ、そしてそこから来る美しさ。ありとあらゆる感情が押し寄せてきた。


少しのつもりでここを出たきり帰らず、長い歳月が流れ、そのまま全て錆びきってしまった。そんな空間のようだった。


隣には手術室。


柔らかい床を慎重に進みたどり着いた。


其処にあったのは鬱くしく廃れきった空間だった。


一切の音も無い。


患者もいなければ先生もいない。


ここでの『当たり前』は全て消えてしまった。


形あるものは全て永遠に保っていられるわけではない。建物も。其処での記憶も。改めて諸行無常というのを感じた。


ここで見つけた数少ない当時の記憶。診察券に書かれた『大正』の二文字。この場所に確かに人がいた時期があったのだ。


昔の記憶と共にいずれ居なくなってしまう。


この廃墟もハクビシンなどに荒らされ風化が激しくなっているという。次の地震で耐えられるかどうかもわからないくらいの荒れ具合。
『持ってもあと10年』と言われている。

朽ちて消える寸前に見学できて本当によかった。