今現在御幸(みゆき)が居るのは、大型空母内の整備ドック。


なので御幸の見ている範囲でも、多くの航空機が整備を受けている。


ちなみに、パイロットスーツを脱いだ状態では、体を地味に締め付ける様な、ものすごくピッチリとした窮屈そうな服になる。


要所要所は伸縮性のある生地を使用してはいる為、別にきつくは無いが、何分ピッチたり身体にくっついているため、端から見ても体型がよく分かる。


そんなスタイル丸分かりの服では無く、普通に私服を着せればそこら辺に普通にいる高校生にしか見えない少年。


彼こそ、特殊空戦部隊『スカイウォーカー』隊隊長、香島 御幸(こうじま みゆき)。


そんな御幸が、椅子に座って軽く日和っていると、どこからか、ふざけた声が聞こえる。


「お~、御幸~。今日もお疲れブルッ!!」


語尾がおかしくなったのは、声をかけながら接近して来た声の主の顔面を、容赦無く殴り飛ばしたからだ。


「てめぇ庵(いおり)、次ふざけたら、後ろからミサイルぶち込んでやる」


床にぶっ倒れてピクピクしている男は、『スカイウォーカー』隊副隊長、菅田 庵(すがた いおり)。

至って普通な御幸とは正反対に、耳にピアスをしたり、髪を茶髪に染めたりと、やりたい放題の問題児ではあるが、根は決して悪い奴では無い。


と、御幸は思っている。


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『スカイウォーカー』
第一章一ページ目


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「お疲れさん」


そう言いタオルを投げて来たのは、ガソリンの臭いがほのかに香る整備士。


彼は、今だに宇宙服の様なパイロットスーツを脱ぐのに悪戦苦闘している少年。


御幸(みゆき)を見ながら、暑いのか、手を団扇代わりにして顔を扇ぐ。


「で、今日はどうだったよ?」


質問しながらニタニタしている辺り、返って来る答えは既に分かってるようだ。


なんと無く悪意を感じるなーと御幸は思うが、邪険にするのもどうかと思うので、


「いつも通りですよ。庵(いおり)が馬鹿やって、俺は尻拭いです」


その答えを聞くと、整備士は満足げに頷く。


整備士の用件ははそれだけだったらしく、意味ありげな笑みのまま立ち去って行った。


パイロットスーツの呪縛から解放された御幸は、近くに置いてあった椅子に座る。


そして、体内水分調節用に成分操作を行った、別に美味くも無いスポーツドリンクを飲みながら一息つく。


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プロローグを公開してみます

以下プロローグ

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風を斬る振動、目の前に広がる晴天。


これらがあれば、この搭乗席の乗り心地を差し引いても十分に快適と言える物だった。


そんなことを考えながら、操縦桿を握っていると、


『もうすぐで作戦目標だ。気を抜くなよ』


と、ふざけたような声が聞こえる。


友軍機からの通信だ。


横を見れば、既に友軍機が前へ出て攻撃ポジションについていた。


そこでまた、


『こちらオペレーター、作戦空域まであと三十秒』


と、今度は幼そうな声の通信が入ってくる。


『うおォォお! 俺はその声だけで十分ミッションクリアですよ?』


そう叫んでいるのは、先程のふざけた声の主。


その台詞が流れた途端、通信機器から複数のため息が漏れる。


そこで俺は、ヘルメットと同化しているマイクに向かい。


「あ~そうか、よかったなー。だがここで無線封鎖だ、残念だな」


適当に言うと、ギャースカ言っている同僚を無視して無線封鎖をかける。


これで緊急回線意外の会話は出来なくなる。


不意に心臓の鼓動が速くなって行く。


……だが、ここで引く訳にはいかない。


一度深呼吸をすると、太陽を直視しない様にバイザーを下げ、ヘルメットの中で呪文の様に呟く。


「一二一五、現時刻を持って、スカイウォーカー隊はミッションを開始する」


言い切ると同時、操縦桿を倒す。


すると、目の前の晴天が上昇し、視界から失せ。


その変わりに、硝煙漂う対空放火の雨に変わる。



晴天よりも、こちらの方が当たり前とでも言う様に。


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