アメリカン・ギャングスターを観た。
昔の自分だったらそっこーで飛びついていたギャング映画。
最近その傾向は薄らいでいたが、デンゼルワシントンとラッセルクロウの組み合わせとくれば借りずにはいられない。
監督であるリドリースコットは弟のトニースコットと共に好きな監督の一人。
リドリースコット作品を改めて調べてみると好きな映画が相当多いことに気づく。
例えば、テルマ&ルイーズやブラックホーク・ダウンなど。
この作品は実在の人物である麻薬王フランクルーカスを描いたものである。
実在の人物をテーマに描く場合は、終盤におけるハリウッド映画お決まりのドラマティックな展開に欠ける場合が多い。例えば、フェイクなどもそう。
もちろんある程度、事実を基に作成しているわけだから、単純なアクション映画とはならない。つまり、ドンパチを期待して観るようなジャンルの映画ではない。
この映画はフランクルーカスのビジネスマンとして側面が印象的であった。
例えば以下の3点。
①純度98%のヘロイン「ブルーマジック」を安価でストリートで売るという画期的なビジネスモデルの構築。それを実現するためにアジアからアメリカ軍を使って直輸送することで、圧倒的な価格競争力を持った。
②成功しても目立つことを嫌ったことは、意外な行動パターンであったこと。通常、成り上がり度が高いほど派手さを増していく。これはビジネスを行う上で非常に参考になる。まさに「出る杭は打たれる」、「驕る者は久しからず」である。
③ヘロインを売ることをビジネスと割り切っていて、そのヘロインで中毒になった人やその子供などのことは全くといってよいほど彼の感情に影響を及ぼしていないように見える。むしろその汚れた金で何の迷いもなく家族孝行する姿が描かれている。ただ実際は、ビジネスとして割り切っているのではなくて、黒人としてハーレムで生きてきたことや幼少期の経験がそうさせているのであろう。
また、ラッセルクロウが演じたリッチー・ロバーツ刑事の離婚裁判の中で妻が言った一言も印象的であった。
「汚職刑事でもいいから、家族には真面目で正直な夫が良かった」と。正義とは絶対的なものでなく立場によって変わるものであることを再認識した。