能登地方の地震津波被害は報道が進むにつれて

甚大な災害であったことがわかって、大変だなと思う。

岩手県でも3.11の時を思い出し、他人事とは思えない。

 

冬に生活基盤が破壊される寒冷地の災害は

災害が終わっても生活の問題があり、想像を絶する。

 

落ち着いた日常が戻るまで相当の日数がかかると思うが、

気力を奮い立たせて乗り切るしかない。

 

言葉では何も現状は変わらないが、心の中で応援する。

 

さて、今日は、こういう災害が起きるたびに思うことを

書き記したい。

 

それは、実は政治の世界、ひいては日本社会の構造が

災害現場に、弱いところに、

本質を見せているということである。

 

端的に言えば、効率主義、トリクルダウン、中央集権のもろさである。

 

日本社会は、どこの国でも同じだが、

戦う場合には強力な武器を持って一点突破がいいという社会である。

 

地域で言えば、東京一極集中。

産業であれば、自動車産業。

政治であれば自民党一強政治。

 

これって子供の戦略。

一見すると強そうに見えるが

対象が単純なだけにすぐに対策が見つかり

攻略しやすい。

 

ああ、そういえば大艦巨砲主義ってあったな。

世の中は航空母艦から発せられる戦闘機の時代なのに

戦艦にこだわるアレ。

 

日本っていまだにアレ。

 

国内とか、家庭内とか、範囲を限定すれば

内側でドメスティックに強いのは

中央集権的一極集中。

 

ごまをする場合にも権力の所在が明確であれば、

分かりやすい。

不正と腐敗が生じやすい。

 

内側では敵対勢力がいないから、

その人に頼めば効率的だ。

それが、内側で勝つ唯一の方策だから、

結局、本当の実力でなく、ゴマすり度で決まる。

 

でも、何か不測の事態が生じた時、これはもろい。

 

インフラにしても、地方で独立している方が強い。

電力も、各自治体ぐらいで確保した方が強い。

大量生産でコスト削減という、甘い誘惑はあるが、

生存に必要なインフラは住んでいる地域で自立すべきで

税金の使い方も、そういう生活基盤の充実に充てるべきだ。

 

企業誘致のような経済活動に税金を投入しても、

結局企業は、経済合理性で動き、自治体には寄り添わない。

補助金と便宜供与とコストで動く。

 

政治も、富と権力を地方に分散した方が、強い。

東京が一つあるより地方都市が1000個充実した方がいい。

14,034,861人

これが、東京の人口らしい。このうち1000万人を日本全国に割り振って、そこで新たな事業を立ち上げた方が、

経済的にも成長する。

 

試算しよう。

大谷翔平で有名になった、花巻東がある花巻市の人口が、

約9万人。ここに、1万人移住させる。

1000万人から1万人だから、その街に活気が出る。

こういう都市を全国に1000個作る。

 

もしかすると、関東大震災や東海東南海大地震が起きるかもしれない。

 

その時、東京や太平洋側の大都市に多くが集中していれば

どうせ崩壊する。

それなら先手を打って都市機能と若年層人口を

地方に分散させていた方が、被害が少なくて済む。

 

山が一つしかないと、頂上に近づくためには、

渋滞が発生し、前にいる人がどかないと先に進めない。

それより、あちこちに山があった方が、みんな頂点に上れる。

 

投資だって分散投資するではないか。

 

おじさん政治は山におじさんがいっぱい住んでいるから変わらない。

 

もちろん憲法上、職業も住む場所も自由だが、

今の世の中は、住みたい方向が都市一択になるように

仕組まれていて、自由を侵害されている。

 

だからどちらを選んでも、不利が生じないように

社会制度を整える必要がある。それをするのが

本来は、全国から選出される議員だが、

議員と大企業と大都市が結託して

全国から若者を搾取している状況を、

誰も直そうとしないから、ま、結局どうにもならんけどね。

 

少子高齢化が進行して、やがて一極が枯死したら、

次を考えるのだろうか。

 

そうかも。

神武東征から始まって、奈良、京都、鎌倉、江戸、東京と

北上してきた。次はどのあたりまで北上するのだろう。

 

ポツンと一市町村でいいじゃないか。