蕁麻疹、ドライシャンプー? | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 1ヶ月以上前だったか、胸周り、腰回りに蕁麻疹ができて痒くてなんとかしてください、という30代の女性が来院した。直近の食事に変わったものは口にしていないし、とにかく思い当たるものがない、と。

蕁麻疹にはよく出会うが、必ずしも原因が特定できるわけではない。むしろ原因がはっきりしないことのほうが多いかも知れない。過労やストレスも皮下のヒスタミンを活性化させ蕁麻疹の原因にもなる。

 症状が強いのでとりあえず抗ヒスタミン剤の静脈注射と少量のステロイドの点滴をした。

 で、点滴中にそういえば「昨日初めてドライシャンプーを使いました。」と言いながら、バッグの中からドライシャンプーの小瓶を取り出してくれた。見ると、よくある化粧品や洗剤メーカーのものではなくちょっとこだわりのありそうなメーカー名もわからない製品だった。成分を見てみるとまあ、いろいろなハーブがてんこ盛りで、数え切れない。

 確信はないが、もしかしたらこれが犯人かも?と疑っている。

 ドライシャンプーに含まれるアルコールが皮脂や、毛穴の油を飛ばすので、有効成分が吸収されやすいはずなのだ。

 その前の日の朝、某国民放送で、髪をふんわり仕上げるのにドライシャンプーが良い、という特集を組んでいたが、これを視たのでは?とふと疑ったが聞くのはやめておいた。

 

 もちろん因果関係が特定されていないので、単なる僕の推論に過ぎないことは申し上げておく。