介護職を辞めさせない、新しい3Kは?
昨夜、『介護とレヴィ・ストロース』といういかにもブリコラージュなタイトルで三好春樹さんが講演。
三鷹武蔵野の西端、武蔵境。スウィングホール。
一般に3Kといわれるのは「きつい」「汚い・くさい」「危険」
でも、介護職がやめる理由は、別の3K、
「権威主義」「管理主義」「金もうけ主義」
権威も管理も、金もうけも必要で、全然かまわないのだけど、それが「主義」になるとダメ。
例えば管理主義。
いま平均寿命、女性は86歳。でもこれ0歳の平均余命。いま80代の人の生まれたときの平均寿命は40代。だから、すでにフツーの倍、充分長生きした人なのだから、いまさら長生きできないでしょ!っと食べ物や暮らしを管理するのはおかしい。お年寄りが活き活きしない
じゃ、介護の仕事を続けていける、新しい3Kは何か?
まず「健康」。
1日働けば、1万歩くらいいく。介護は肉体労働だけでもない、頭も身体も使う面白い仕事。介助の工夫で腰痛も避けられれば、身体にいい仕事、外出ていく認知症のおばあさんにつきあって歩けばエクササイズ
次に「感動」。
表情も気力もなくなっていたおばあさんが、もう一度、笑顔を見せて、生きていく気力を取り戻すきっかけになる。自分の関わり次第で…。まー勝手な思い込みもあるけど
そして「工夫」。
創意工夫。自分で考え、自分で決め、試すことができる。世の中の仕事の多くはマニュアルや数字の目標に向かって行うことが求められ、感じちゃいけない、考えちゃいけない。ロボットとおんなじ。
介護もそうなりつつあるところもあるけど、最初から、やるべきことがわかっている仕事ではない。
やりながら、試行錯誤しながら、やるべきことが段々みえてくる仕事
例えば、三好さん昔特養勤めのころの話。
食事のとき来ないで廊下にじっととどまり小さいゴミをゆっくり拾っているおばあさん。
「さあ食事ですよ、行きましょう」
「ケッ! そんなとこ行かないよ!」
懲りずに毎回繰り返す。ただ行かないのと、声かけられて断って行かないのは違うから。
別の若い職員も断られるのだけど、試しに、
「車にひかれるといけないから、向こうへ行きましょう」
「そりゃいけないや」と素直にすーっと食堂へ。
それをみて次のとき、早速、次のときにマネしてみる。
「車にひかれるといけないから、向こうへ行きましょう」
「ケッ! 車なんて通ってるわけないよ!」
同じやり方でも、やる人によって違う。
また、同じ人でも、やるときによって違ったり…。
そんなところは、確かに介護の仕事の面白さで、魅力です
つづく。