踊る阿呆に見る阿呆 | グレースケアのとんち介護教室

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時代の先端にして崖っぷち、ケアのトレンドを脱力レビュー。

昨夜は、商店街で阿波踊り。


グループホームの近くなので毎年歩いてでかける。私は場所とりという重責

6時スタートなのだけど、入居者の皆さんどうせゆっくり、ごはんを食べたり、行かないわよと一応言ってみたり、着替えや手さげが気になったりして、開始後40、50分。ようやく2人、3人とスタッフと連れ立って現れる。


それまで、どんどん人は混んできて、なかには年配の方や妊婦さんなどもいて、場所は持ちこたえられず、もう「まだ来ないですから~」と座っていただく。ボチボチ着はじめると遠慮して立とうとするけど、まだまだゆっくりしか来ないので、こちらも慌てて座っていてもらう。


カネと太鼓とすごい熱気。男踊りは駆け回り、女踊りは足並み美しく…。


スタッフも大混雑のなか、必死の形相。人ごみにちゅうちょしている若手には、車イスに乗っているばあさんに一言「斬り込み隊長お願いします!」、そしてすみませんすみません車イスです!と、祭りの騒音に負けない大声で、なかば足をドツキながら進行、隊長は車イス上で持っている杖を振り回し、映画『十戒』の湖のように割れていく通路、そのあとに、手引きや杖でヨロヨロしながら歩むおじいさん・おばあさん。預言者モーゼに従う受難者のような神々しい光景…、えらいやっちゃえらいやっちゃ…


これ街の人の力量も試される。通りますよ~とほかの人にも伝えて協力してくれる人もいれば、もう迷惑!人ごみに車イスくるな!この非常識!と露骨に嫌な顔をする人もいる。

(つうと車イスの人に遠慮させるのが常識か???街の常識度をチェックするには、あちこちの阿波踊りやよさこいに車イスででかけてみるといいかもしれない)


あと、うちは小さな子どもが、と乳児を眼前に突き出されたりすると、ううう、それも大変だ、と少しひるむ。でもそこは、(こっちはもう最後かもしれないので!!と心中叫び、すみませんすみませんと斬り込み続け、ようやく、席にたどりつく。


はあ疲れて一休み、、、できるわけもなく、チャンカチャンカチャンカチャンカドンドンドン!!!


でも、おばあさんたち、ホント目を輝かせて、うちわを振り上げて、喜ばれる。嬉しい。ちびっこたちの踊りは特に気に入りだし、また車イスや年寄り集団が一角で目立つのか、ひょっとこや三味線の人が寄ってきては、目の前でのけぞったり、変な踊りをしてくれたりして、それがまたばあさんたちに大ウケ。手を叩いて、腕を伸ばして、大喜び。普段は、うとうとしている人も、さすがに目覚め、腕で振りマネをはじめている…。昼間大喧嘩して出て行けとか罵り合っていたばあさん同士が、ほら見てみてと笑顔でうなずきあっている…。


この通りの一体感、昔見慣れた着物やハッピの風俗、踊りの活気。

私たち以上に、年寄りに対する希求度は高いと思う。

願わくば、また来年も、みんなで楽しめますように。

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