そりゃあさ、
みんないつかは死ぬけれども、
まあ、そんなに長くない年月で。
物心がついてから、
そんなことは百も承知なんだけど、
ついつい知らないふりしてるじゃんか。
だって怖いし。
今は死んでないわけだし。
でも、
親しい人が亡くなったりすると、
あんまり怖くなくなるよねー、
死ぬことが。
そうすると、
「死にたい」
とかも思わなくなるよねー。
なんか、えらい作家の人とかが、
「アルコール中毒とか薬物依存は緩慢な自殺願望である」
とか言ってるけど、
うそだね。
あるのは「ここにはいつも同じものがある」
という安心感だけだもの。
それにしてもねえ。
せっかくタバコもやめたのにねえ。
貧乏だけど、
買ったわよ、グレンリベット15年。
ビーカンはこっちで売ってないから無理だったけど、
ちゃんとクリスタルのグラスで呑んだから。
ま、そのうち行くし、
異邦人でも読んで待っててちょうだいよ。
とっておけばよかったな。
真珠のイヤリングの話。
恥ずかしい学生時代を
一杯恥ずかしい思いをしながら、
大切な恥ずかしい時間を共有できたと思う。
テキーラの芋虫を誰が食うとか、
真珠のイヤリングの話とか。
山で拾った石の話とか、
犬の国で待ってるって話とか、
ばかめ。
なぜ死ぬかなー。
寂しいよ。
みんな寂しがっているよ。