何度か子供たちを20人ばかり連れて、サンタモニカへ引率した経験がある
子供たちはそれぞれ、ホームスティをしながら、
その家庭の流儀で夏休みを過ごすわけだけど、
わたし=引率者、もホームスティをしながら、子供たちの動向を把握し
トラブルの処理など、、、、、アクティビティーの後でも忙しかった
ヒマになるのは就寝前の2時間くらい
ワタシはその夏、ビバリーヒルズハイの高校を退職した女性の家で過ごしていた
就寝前に毎日通っていた場所はプール
退職者たちが暮らすコミュニティーには1つだけ共有するプールがあった
そこまで歩いて20分、ペタペタペタ・・・ビーサンの音を響かせながら、
唯一の気晴らしの場所へ毎夜向かっていた
いつものように誰もいないだろうとたかをくくっていたら、
遠くからスプラッシュが見えて、1人女の子が泳いでいることがわかった
知らん振りをするのもなんだから、私は彼女に声をかけた
ジャグジーでいろいろ話していくうちに、名前はロレイン
彼女はおばあちゃんを頼ってここに夏休みに遊びにきていて明日帰るということだった
話しているうちにおかしなことに気づいた
彼女は弱視で、時折目をヒクヒク痙攣させていた
夜だからよく見えなかったのだけど、もしかしたら右目が義眼かもしれないと感じた
異様に右目だけ光るんだ
なぜ夜に泳ぎにくるのか・・・・・??
その意味がわかったような気がした
だけど、怪しくライトアップされたプールの中で
彼女はマーメイドのように優雅に泳いでいた
本当に優雅に優雅にだ
さっき会ったばかりの私にスプラッシュを上げながら無邪気にまとわりついてくる
「もう戻らなきゃ」とロレインは言った
私たちはプールから出て、まったく正反対の方向へ歩きはじめた
翌日以降、彼女に会うことはなかった
何か不思議な時間だった
緑にライトアップされたプール、時折異様に光る瞳、ジャグジーの泡、スプラッシュ
夢を見たような印象をもった。。。。。。