よしおさんの死にはショックを受けた
あのやせ細ったカラダに驚き、でもいつかまたあのアナーキーな心身で戻ってくるんだろう、と思ってた
よしおさんと最初に出会ったのは藤田敏八さん監督の
「赤い鳥逃げた」 という作品だった
名画座かなんかで観たんだ
20代後半の青年が、弟分(大門正明)とその恋人(桃井かおり)のブルジョア娘との共同生活の中で
反逆に満ちながら過ぎ去った青春への郷愁を断ち切るべく、
その屈折した心情を無意味な行動によって暴発させ、終いには自滅していくまでの過程を描いた
エロスに満ちた退廃的な映画だった
ワケがわからなかった、無意味な行動の意味がよくわからなかった
でもよしおさんはかっこよかった
桃井さんもかっこよかった
なんせ、アナーキーな敏八映画だった
桃井さんはオデコを出すのを嫌い
厚めのパッツン前髪が風でばらけないように、糊で前髪を固定していた
大門さんは「高校生・無頼控、感じる~ムラマサ」というかなりエロイ女好き高校生を演じた後で、
結構注目していた
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エナジーの中でのよしおさんの最期の作品は、社長役を演じていた
「不毛地帯」だった
その1個前の作品は「火の魚」だった
売れなくなって田舎に引っ込んだ作家は退屈でたまらない
過去の栄光にすがりながら細々と書いている
そこに、ズケズケと物を言う出版者の担当女子がやってきて、最初は彼女を嫌うが
交流をしていくうちに、、、、、という心温まるドラマだった
女子が魚拓を造るために金魚を殺し、よしおさんがそれを静かに見ているシーンが忘れられない
あまりにも哀しみに満ちた儀式のようなシーンだったから・・・・・
よしお健在だなぁ~いい役者だなぁ~と思ったものだった
よしおさんの例えようが無い声が好きだった
最後に見たとき、よしおさんは車椅子に乗り、声はかすれ、涙を流していた
こんなに早く亡くなってしまうなんて・・・・・・71歳、若すぎるよ
大親友の桃井さんはかなり落ち込んでいると思われ・・・・
安らかに、よしおさん RIP