かえるの国シリーズ ~かえるの国の王子様~ | 怜菜のブログ

怜菜のブログ

pickles探偵デカゲロくん見てね!

プロローグ 王子育成係


とある町に貧乏な家の子ミルがいた。ミルはある噂を聞いて秘密の書の『かえるの国トップシークレット』を盗もうとした。そして、お城のレストランの料理人に雇ってもらった。しかし、ミルの焼いたステーキは焦げてしまった。王様は

「明日から図書室の警備をやってくれ。」

と言われ、図書室の警備をしていた。しかし、あるお嬢様のミスで秘密の書の場所がばれてしまった。

 そして、ミルは『かえるの国トップシークレット』を盗んで家へ帰ろうとしたが、兵士に捕まってしまった。しかし、王様はミルを王子育成係に任命した。



1 かえるの国の女王様


女王さま―その名はレナ。レナは王様と結婚した後、ずっとかえるの国の政治を第一に考えていた。しかし、王様の一言で子ども―王子を産むのを優先にした。

しかし、産んだ卵が敵に食べられると思うとレナは怖くなった。そして、レナは卵を守るのを王様に任せた。

「あなたに卵を守ってほしいの。なんでって、子どもが一人でも多く生まれてほしいのよ。」

そして、レナは数百個の卵を産み、王様に卵を託した。しかし、レナは休むことなく、やはり政治のことを考えていた。

「子どもが生まれて政治が崩れたらどうしようかしら・・・。」

レナは一生懸命考えた。そして、子どもは王子育成係に任せて、政治のことを考えると決めた。でも、レナには疑問があった。

(秘密の書を盗む人に王子育成係が務まるのかしら・・・。)



2 待望の王子様


王様からの報告で、レナは卵を産んだ場所にいった。すると、卵は2個しか残っていなかった。レナは王様に問い詰めた。

「なんでちゃんと守ってなかったのよ。2つしか残ってないじゃない。」

「ちゃんと見張ってたんだけど、後ろから食べられちゃったの。ぼくには気づかない小さな音で。」

レナはため息をついた。

「でも、全員食べられなくて良かったわ。」

そして、希望の2つの卵は無事ふかした。おたまじゃくしの二人を王子様用川の水プールにいれた。

「大きくなってね。」

レナは微笑んでおたまじゃくしを見つめた。



3 大きくなった二人


二人はちび、スマと名づけられた。ちびは小さいが、頭がいい勉強家、スマは少し大きいが、努力は嫌いななまけものだ。二人とも、性格が正反対なせいか、よく喧嘩をする。

「なんでちびお兄ちゃんは頭がいいの!!」

「なんでって、勉強しているからだよ。」

「ちびお兄ちゃんの嘘つき!!もともと頭がいいんでしょ!!」

「だから違うって。スマだって勉強すれば頭良くなるよ。」

「良くならない!!前、勉強しても頭良くならなかった!!」

と、二人は些細なことで喧嘩してしまう。しかし、二人とも王子様なので、王子様教育を受けなくちゃならなかった。



4 王子様になるための教育


「これから、初めての王子様の勉強を始めます。」

ミルの号令で二人は気を引き締めた。

「今日の授業は玉座の座り方です。玉座では、足はあまり開かず、手は横に手をおきます。玉座ではずっとこの体勢を保ちます。ではちび、やってみなさい。」

ちびはミルの言った通りに座ってみた。

「ちび、なかなか上手いじゃないですか。どうですか?座った感じは。」

「うーん、ちょっと大変かも・・・」

「そうですか。でもそのうち慣れますよ。ではスマもやってみなさい。」

スマはミルの話を聞いていなかったので足は思いっきり開いて手はひじを立てて顔を乗せている。

「スマ、話を聞いていたのですか?足はあまり開かず、手は横に置くと言いましたよ。」

「はあーい。」

「そんな返事では王子様にはなれませんよ。しっかりとはいと返事をしなさい。」「はい。」

「では、もう一回座ってみなさい。」

スマはさっきとは全然雰囲気が変わっていた。まるで本物の王子様みたいだった。



5 教育を受けた二人


二人は毎日二時間の教育を受けながら王子様へ一歩ずつ近づいてきていた。

「今日はテストをします。今まで言ったことを聞いているか、国民に一番信頼されそうな一人を王子様にします。」

「はい。」

「二人ともいい返事ですね。ではまずちびからやってみなさい。」

ちびは玉座に正しい座り方で座った。例えば、言葉遣いのテストではミルはちびに向かって「バカ。」と言っても、ちびは「そういう言葉遣いはやめなさい。」と優しい口調で話した。ちびの総合得点は百点中九十点だった。

一方、スマは百点中八十点だった。

「えっと、今回のテストではちびが九十点、スマが八十点ですね。二人とも良く頑張りました。では二人とも王子にします。ちびは第一王子、スマは第二王子です。」

ちびの顔は微笑んでいた。一方スマはちょっと顔が悲しそうだった。



6 いよいよ公開の日


いよいよ今日は王子様のお披露目の日だ。二人とも国民に優しいお披露目ができるかミルは心配だった。

「いよいよお披露目の日だな。」

「そうですね。国王陛下。私が一生懸命教育を受けさせましたから。心配しないで下さい。」

と王様には言っているものの、ミルはやっぱり二人のことが心配だった。

【第一王子ちび。】

とアナウンスが聞こえた。するとちびは玉座に座り、話し始めた。かえるの国の将来のことを。

「かえるの国の将来は子どもの安全をはかることです。こどもの様子をみるために、保育所を作ったり、シングルマザーの勤務時間を減らします。そして、未来の跡継ぎを多くします。さらに、会社が増えることでお金が大量生産され、景気がとてもよくなります。これで、将来のかえるの国は安泰です。」

【第二王子スマ。】

「かえるの国の将来は消費税を5パーセントから2パーセントに引き下げます。消費税を減らせば、国民の皆さんは楽になります。そして、景気がよくなります。しかし、政治が悪くなる可能性があります。でも、大丈夫です。景気がよくなっていますから。」

そして、国民達は投票し始めた。



7 投票の結果は・・・


【これより、投票結果を発表する。第一王子、ちび。三百三十ニ票。第二王子、スマ、三百三十票。】

結果は、ちびの方がわずか二票多かった。理由としては、

『子どもが生まれても安心。』『保育所に預けて安心して仕事が出来る。』

という女性からの声が多かった。一方、スマの理由は、

『消費税が減るなんて嬉しい。』『これで高い物も買える。』

というお金の事が多かった。

「また負けちゃった・・・」

スマはちびに勝てなくてしゅんとしている。でも、ミルが褒めてくれた。

「大丈夫。三百三十票ももらえたのだから。」

「うん!」

スマはさっきのしゅんとした気持ちが一瞬で吹き飛んだみたいだ。

二人とも、偉大な王子様だね。