見たことのないコンクリートの景色。
灰色に囲まれたそこは物悲しくうっすら寒さすら感じた。
そして何もない空間に三つの椅子。
そこに固定された三人の少女。
それは奇妙に奇怪に奇異なるものだった。
「どこ…ですか…ここ…」
少女の一人が口を開く。
その声は怯えきり震えていた。
「………………」
もう一人は項垂れ口を開かず落胆している。
そして最後の一人、大島優子が口を開いた。
「大丈夫だよ、まゆゆ」
冷静を保たさせるためにあえて平然を装ってみせた。
突然現れたこの状況に困惑していないはずも混乱していないはずもなかった。
「優子ちゃん…」
「一旦落ち着こう、麻友」
「でも…一体これって…」
「心配いらない、打開策は後で考えよう」
そう言うと大島はもう一人の方に目線を向けた。
「大丈夫?ゆきりん」
「……………は、はい…」
柏木は項垂れていた顔を上げた。
その顔は蒼白としこの状況の恐怖そのものを現しているようだった。
しかし身体には異常がないことを確認する。
この場にいる三人共に無事であることは確かめた。
しかし彼女たちの不安を煽る大きな材料があった。
三人の固定された椅子。
それらが取り囲むように真ん中に置かれた一台の機器。
否、それは機器などというにはほど遠い。
ネジやボルトで組み上げられた夥しい姿をした兵器。図太い胴体から伸びた銃口が禍々しい。
「優子ちゃん…これ…」
銃口を向けられた渡辺が怯えながら口を開く。
しかしそれは動きを見せる気配も何のために用いる物なのかもわからない。
ただ理解できるのは人を容易に殺めることのできる物だということだけだった。
「大丈夫、落ち着いて」
それしか言えなかった。
ここはどこなのか。
なぜこの状況に陥っているのか。
そして自分たちが無事ここから出ることができるのか。
全てが見えず全てが暗闇。
恐怖と不安だけがその身に過る。
無機質な機械音が聞こえ始めたのはその時だった。
ズズズ・・・
ズズズ・・・
三人の中央に設置された鉄の塊にはめ込まれている画面。
真っ黒なそれが光を灯す。
『やあ、こんにちわ』
そこに映し出されたのは椅子に座らされた人形。
人形の口が独りでに動き出す。
『こんにちわ、AKBの諸君』
その声は肉声ではなく無機質な機械音。
「これって一体…」
三人はただ呆然と画面を見つめる。
『突然の出来事で困惑していることだろう、だが心配することはない』
『君たちに絆があれば何ら難しいものではない』
機械音は部屋に響き渡る。
しかしその言葉とは裏腹に彼女たちの不安を煽り立てる。
『大島優子、渡辺麻友、柏木由紀』
『君たちがこの先のAKBを背負っていく』
『だがもしその過程で今隣にいる“仲間”が障害となったならどうする?』
『“仲間”を取るか“未来”を取るか…二つに一つ』
『正しい答えを示してみろ』
すると真ん中にある機械から伸びた銃口が音を立てる。
それは銃弾が装填されたときの音。
『ルールは簡単だ』
『制限時間以内に手元にあるボタンを押す、ただそれだけだ』
『ただし万が一そのボタンを押さなかった場合こうなる』
銃口が回転する。
誰もいない空間へと向き直ると激しい破裂音を上げた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
銃声に驚いた渡辺が悲鳴を上げる。
銃口からは煙が上がり火薬の臭いがその空間を包み込んだ。
そしてそれは彼女たちにとって最悪のシチュエーションを演出する役者と成り変わった。
灰色に囲まれたそこは物悲しくうっすら寒さすら感じた。
そして何もない空間に三つの椅子。
そこに固定された三人の少女。
それは奇妙に奇怪に奇異なるものだった。
「どこ…ですか…ここ…」
少女の一人が口を開く。
その声は怯えきり震えていた。
「………………」
もう一人は項垂れ口を開かず落胆している。
そして最後の一人、大島優子が口を開いた。
「大丈夫だよ、まゆゆ」
冷静を保たさせるためにあえて平然を装ってみせた。
突然現れたこの状況に困惑していないはずも混乱していないはずもなかった。
「優子ちゃん…」
「一旦落ち着こう、麻友」
「でも…一体これって…」
「心配いらない、打開策は後で考えよう」
そう言うと大島はもう一人の方に目線を向けた。
「大丈夫?ゆきりん」
「……………は、はい…」
柏木は項垂れていた顔を上げた。
その顔は蒼白としこの状況の恐怖そのものを現しているようだった。
しかし身体には異常がないことを確認する。
この場にいる三人共に無事であることは確かめた。
しかし彼女たちの不安を煽る大きな材料があった。
三人の固定された椅子。
それらが取り囲むように真ん中に置かれた一台の機器。
否、それは機器などというにはほど遠い。
ネジやボルトで組み上げられた夥しい姿をした兵器。図太い胴体から伸びた銃口が禍々しい。
「優子ちゃん…これ…」
銃口を向けられた渡辺が怯えながら口を開く。
しかしそれは動きを見せる気配も何のために用いる物なのかもわからない。
ただ理解できるのは人を容易に殺めることのできる物だということだけだった。
「大丈夫、落ち着いて」
それしか言えなかった。
ここはどこなのか。
なぜこの状況に陥っているのか。
そして自分たちが無事ここから出ることができるのか。
全てが見えず全てが暗闇。
恐怖と不安だけがその身に過る。
無機質な機械音が聞こえ始めたのはその時だった。
ズズズ・・・
ズズズ・・・
三人の中央に設置された鉄の塊にはめ込まれている画面。
真っ黒なそれが光を灯す。
『やあ、こんにちわ』
そこに映し出されたのは椅子に座らされた人形。
人形の口が独りでに動き出す。
『こんにちわ、AKBの諸君』
その声は肉声ではなく無機質な機械音。
「これって一体…」
三人はただ呆然と画面を見つめる。
『突然の出来事で困惑していることだろう、だが心配することはない』
『君たちに絆があれば何ら難しいものではない』
機械音は部屋に響き渡る。
しかしその言葉とは裏腹に彼女たちの不安を煽り立てる。
『大島優子、渡辺麻友、柏木由紀』
『君たちがこの先のAKBを背負っていく』
『だがもしその過程で今隣にいる“仲間”が障害となったならどうする?』
『“仲間”を取るか“未来”を取るか…二つに一つ』
『正しい答えを示してみろ』
すると真ん中にある機械から伸びた銃口が音を立てる。
それは銃弾が装填されたときの音。
『ルールは簡単だ』
『制限時間以内に手元にあるボタンを押す、ただそれだけだ』
『ただし万が一そのボタンを押さなかった場合こうなる』
銃口が回転する。
誰もいない空間へと向き直ると激しい破裂音を上げた。
「きゃあぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」
銃声に驚いた渡辺が悲鳴を上げる。
銃口からは煙が上がり火薬の臭いがその空間を包み込んだ。
そしてそれは彼女たちにとって最悪のシチュエーションを演出する役者と成り変わった。