やっぴぃ☆
さて、コロナ禍と騒がれだして結構な時間がたっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
こんな中では中々麻雀に勤しむと言うのも怖いと言う方もおられるのはよくわかりますよ、ええ。
しかし、コロナはもはや生活の中に存在しているわけで、そのせいで生活そのものが著しく制限されると言うのはかなり微妙だと感じています、ええ。
僕個人の意見ですけどね、ええ。
もはやコロナは消えて無くならない以上、生活の中にコロナはあるものと思い、やっぱり普段通りの生活をしていくのが自然なのではと思っております、ええ、侍ですけどね、ええ、ええ。
というわけで、我々麻雀プロはコロナのために歩みを止めるわけにはいかないと思うわけですよ。
むしろ、コロナ禍であっても正しく接していれば麻雀も安全だと言う事を麻雀プロから発信していかなくてはと思っている次第であります。
というわけで、我々連盟員をはじめとする全ての麻雀プロはコロナ対策もバッチリ施した上で対局に臨みますので、皆様、応援のほどよろしくお願い申し上げます。
さて、前置きはこのくらいにしまして、稲岡が奮闘しました女流桜花第4節の模様を早速書いていきたいと思います。
対局者は、稲岡・清水・吾妻・白銀の4名で、比較的降級争いの位置にいる4名の戦いとなっております。
女流桜花も中盤に差し掛かり、そろそろ大きなプラスが欲しい4名であり、大きなマイナスも喰らいたくない4名の戦い。
さっそく見ていきましょう。
宣伝からね。
女流桜花をはじめとする連盟の熱い戦いは、ニコ生にて視聴が可能です。
連盟チャンネルに入会すると、終了後1週間は視聴可能となっておりますので、ぜひとも連盟チャンネル登録のほどよろしくお願いいたします(有料です)。
それでは行きましょうか。
It's Show Time!
1回戦(起家:稲岡 南家:吾妻 西家:清水 北家:白銀)
まずはいつものことながら1半荘目をじっくり見ながら各家の今節の戦い方を注視していきたいと思います。
毎回これを書いていますが、実は僕、実際のリーグでも同じように最初の半荘の他家の動向を見るようにしていまして、これが意外に1日に影響することを体感しています。
まずは4者の配牌を比較してみますが、正直どれもこれも可もなく不可もなくというよりはむしろ全員あまりよろしくないなーといった印象。
それに対し、遊びの手順を踏む者は誰もいなかった。
こうした『どっちでもいいような手』というのは麻雀打ってたら腐るほど来るんだけど、相手の対応を見ながら大物手をしこしこと手作りすると、意外におばけ見たいな手にしあがったりするケースもあるんですが、そんな事を考える人はいない様子。
まずここから『出来るだけ取りこぼしたくない』という意思が全員から感じられます。
例えば白銀の3巡目。
一三六m①③④⑤p124799s ツモ五m ドラ白
ここから打1sとしますが、123の三色などは見ないという意思の表れで、ツモって来た牌に対して素直に手を作るといった感じです。手役よりもきれいな手形にしてキッチリ和了することを目指しているようです。
その白銀は結構広い1向聴に構えますが、ピタッと止まって全然聴牌を果たせません。
その間隙を縫い、親の稲岡がリーチを打ちました。
六七八m③④⑤⑦⑧p567s白白 ドラ白
実はこの形になる前に、南の対子落とし、続いて二mの対子落としを稲岡はしております。
この意図としましては、普通に考えて雀頭候補で二mを選んで南の対子を切った。この場合はタンヤオがつくと考えていいでしょう。
その後に二mを落とす意図は何かと考えた場合、二mより良い雀頭が出来たと考えるのが自然でしょう。
では二mより良い雀頭は何かと考えれば、今回のケースではドラの白であることが想定され、かつシャンポンを想定していない(∵対子落としを連続で行っている為)以上、両面以上の待ちである可能性はまずまず高く、その場合役が無いのでリーチに行くのも合点がいくわけであり、他家にとってはまさに『エマージェンシー』である。
これを稲岡がすぐにツモり、3900オールとなったわけですが、その1発目に他家は危険な牌を打っていません。
これはたまたまであり、親のリーチに立ち向かえるような手は白銀以外には入っておらず、他家のリーチに対する動向、いや『この対局に臨む構え方』は謎のままって感じでしょうか。
とにもかくにも『珍しく』稲岡が先制しての幕開けとなりました笑笑
次局は清水が早々に嵌②pで自風の西暗刻の西・ドラ1の2600は2900を吾妻から和了します。
清水の筒子の形は1手変わり3面張なのでいくら荒ぶる清水でもここはダマテンでしょう。吾妻は国士に向かっていましたが、手形も悪いことから、場風の東をスルーしています。この事により、吾妻は手の悪い時はじっくり作ることを選択しそうです。
東2局、白銀が6巡目に早々に聴牌を果たし、リーチとしました。
六七八九m②③④p3445s東東 ツモ六m ドラ九m
白銀の打ち方は勉強不足でイマイチどのような打ち方をするのかはわかりませんが、おそらく索子の両面でリーチを打ちたかったのではないかと思われます(∵4sの残し方より)。しかしこの形でも東をツモれば2000・3900なんでリーチと言うのもうなずけます。
これに対して清水は234の三色含みの6ブロック形でパンパンにしていたところに、ドラの九mを持ってきます。
二三四四五m②③⑤⑥p2366s ツモ九m ドラ九m
ここから全く通っていない⑤pを切り飛ばしていきます。続いて三mを引いてもちろん通っていない⑥pを打ち出します。
そして三色が崩れる①pを引いて平和のみ一手変わり三色or一盃口の1-4sの聴牌でドラの九mを切り飛ばして強引に風穴を開けようとします。
これを白銀が4sで放銃、1000点の横移動となったわけですが、これぞ清水と言った打ち方ではあります。
清水ブランドを否定する気は毛頭なく、むしろその風穴の開け方は素晴らしいとは思うんだけれど、すこしやり過ぎな感は否めないところです。
これが隙になるケースもあり、そうやって清水が散っていったシーンも何度となく見てきました。
うーこ、突くとすればその間隙。そこに隙間はあるんだ。戦うんだぞ!
その次局、親の清水が1人聴牌で流局するんだけれど、この局の稲岡。7巡目に⑥pを持って来てこの形。
三三四四四五六m③④④⑤⑥p中 ツモ⑥p ドラ中
ここからドラの中を切らずに⑥pツモ切りとしました。このツモ切りは否定するわけではないけれど、全てが手牌の関連牌になったわけですから、ここからドラの中を外すのは至ってシンプルな手順と言えるでしょう。
しかしここからドラの中は外さなかった。
このことより、稲岡は『点数を持ったら守備バランスも考えて手組をする』というスタンスで戦うということが考えられます。
普段の稲岡らしからぬと思ってる方も多いでしょうが、実は稲岡、ここで何回も書いているんですが、意外にバランスタイプの打ち手であり、こういう手順はしばしば見てきました。
良い悪いではありません。今節はこういう戦い方を考えているという稲岡の意思表示だと理解してください。
次局は稲岡が吾妻からリーチドラ2の5200は5500を召し取るのですが、1向聴時の稲岡の手牌がこんな感じ。
一二三五m④⑤⑥⑦⑦⑦⑧⑧p4s ツモ二m ドラ⑧p
この時、白銀が筒子の混一模様で、早々に2sを3枚切っていて、4sが上に伸びれば悪くは無いけど、索子は下よりも上が狙い頃に感じているので、僕はこの段階で4sを払いそうです。ただし、稲岡は8sを切っているので索子の上を引いたらフリテンにはなりそうだけれど。
すると次巡のツモがさらに二mで、僕が打つとこの時点で嵌四mダマテン。しかし稲岡は前巡に二mを切っているのでツモ切ったところ、吾妻がチー。その後六mを持って来て稲岡が四-七mでリーチし、テンパっていた吾妻が四mを切って和了。
つまり、二mを残す手順で打てば嵌四mタンヤオをツモ。稲岡の手順でも5200の和了であり、どの手順でも和了出来ていそう。
…
来た?
稲岡の時代来ちゃった?
そう思わせる和了でした。
次局東ラスで白銀の親。ドラが中で稲岡に対子。そして稲岡の手牌がすこぶる良い。
それに対し、白銀はタンピン含みの手牌から持ってきた中を手拍子に切り、稲岡がポンテン4-7sとしました。
この時の稲岡の手筋にはいろんな選択肢があったのですが、そこはあえて触れません。
この4-7sを嵌五m聴牌を果たしていた白銀が放銃し、8000点を召し取ります。
来とるね、うーこタイム。
しかし白銀も親番至上主義と言った感じでしょうか。つまり『前に出るという理がある時は常に前に出る』タイプと言えるでしょう。
そして5万点を超えて稲岡が南場の親を迎えます。
今の稲岡に配牌の事は関係ないと言わんばかりに、誰が打っても変わらないでしょっていうツモがやってきて、無駄ヅモなしで聴牌してリーチを打って、高めタンヤオになる6sを引いてメンタンピンツモ一盃口の4000オールを『それはまるで自分の権利だ』と言わんばかりに引き和了ります
次局は清水がさすがの貫録でメンピンツモドラ2を和了し、2000-4000は2100-4100を和了します。
通行料としては親っかぶりで痛いところではあるけれど、清水が目の前をまかり通るのならばこれは仕方のない通行料と言ってもいいところでしょう。
次局、白銀がリーヅモ一通の2000-3900を和了し、ようやく白銀が初日を出したところ。
稲岡はクイタン仕掛けで白銀のリーチに真っ向勝負の構えとしました。点数が後押ししているとはいえ、うん、稲岡は勝負の気持ちもなくしていないし、現状の白銀になら当たってもいいというクレバーな発想も残っているようだ。
今節の稲岡はバランスを鑑みながら攻めの気持ちも残している。
なんてか、今節はやってくれそうなイキフンがプンプンします♪
南3局清水の親は白銀の1人ノーテンで、1本場は清水と吾妻の2人聴牌ですが、この時の吾妻の行きっぷりがすごかったですね。このことから吾妻は勝負局と踏んだら前に出るといった感じを受けましたね。
その次局2本場、稲岡にタンヤオドラ3の簡単な手が入り、これを吾妻から召し取って7700は8300+供託2本を召し取りましたが、この時の稲岡の手順がかなり守備に寄り過ぎている気がしました。
点数を守るためにバランスを考えるのはいい。そのバランスのために攻めの牙を隠す事はよくない。
この辺りのバランスはしっかりと今後考えていく必要はあるでしょう。
オーラスは吾妻が愚形聴牌を何度も外し、平和高め六mで一盃口の三m-六mリーチを打ち、親の白銀が現物6sが高めタンヤオ一盃口となる平和の聴牌で三mを掴んで吾妻が2000点を和了して対局を終了させました。
まずは2着になった清水。強引に風穴を開け、自分のペースに引き込み掛けましたが、いかんせん難しい手牌しかきませんでしたねー。しっかり高い手を作って攻めるんですが、勝負の女神様はどうやら今半荘には微笑んでくれなかったようです。
ただし、お前が微笑まなくても自分で勝ちを手繰り寄せると言わんばかりの気迫を持っているので、次半荘以降が楽しみなところです。
白銀はこのプレイヤー達の前では少し存在感が出せなかったイメージですね。
しかし間違ったことはほとんどしておらず、理には叶っているなと思いました。さすが桜花Aリーガーだと思いましたね。
次半荘以降、手が入ったら台風の目になっても不思議ではありません。
吾妻は最後まで難しい手に悩まされました。
腰も重く、プレースタイルと場の高揚感とがかみ合わなかった気はします。
ただ、前に出るところはキッチリと前に出ていて、戦う意思はすごく感じられました。
実力者ですので次半荘以降に期待したいところです。
さ、うーこ。
バカヅキじゃないのw
そりゃだれでも勝てるわいな笑笑
でもな、そのバカヅキを手繰り寄せたのは自分の実力だ。
ただ気に食わないのは、南場に入ってからの手組が大人しすぎたよね。
もっとだ。
もっと高みを目指せ。
君が目指す位置はピンクゾーンのはるか上。
桜花の椅子なんだから。
とりあえず、よう頑張ったな。
1半荘目結果
トップ 稲岡 +48.9
2着 清水 +9.8
3着 白銀 ▲23.6
ラス 吾妻 ▲35.1
2半荘目(起家:吾妻 南家:稲岡 西家:清水 北家:白銀)
各家共、出だしとしてはまずまずといった手の中、稲岡が好調なのか、所謂『まとまった手』が入ります。
高い手が入ったりするときにイケると思う人が多いかもですが、基本、麻雀は『和了ってナンボ』なんで、まずは和了りが見込める手が来ることが好調のバロメーターだと僕は思っています。
そんな中、稲岡の麻雀を見るにあたってのポイントとなる局面があります。
それは6巡目、場に自分で切った1枚切れの白を持って来て小考します。
二三四四五七八m⑤⑧⑧⑧p56s ツモ白 ドラ9s
誰も何も触れはしなかったけど、稲岡という打ち手を見るに、ここが実に注目すべきポイントです。
稲岡マニアのみなさん。
小考して稲岡は⑤pか七八m外しを考えたようなそぶりを見せ、結局白をツモ切ります。
これは稲岡の心持ちを実によくあらわしていて、手組をすっきりさせながら手牌進行したいという、バランスを保ちたい一面がすごく伝わってきます。
今回の白は絶対ツモ切るべき牌だと僕は思います。白が安全な牌というわけでもないからです。
しかし『何でもいいから手パンパン』の手進行だと、いずれは清水のようなスナイパーにいつかはやられてしまいかねない。
それをよくわかっているし、今節もらったプラスのポイントは絶対に持ち帰りたいという意思の表れがこの小考からすごく伝わってきます。
この白はツモ切りが正解だと思うけど、いいよ。いい。
そうやって『なにが自分にとってベストなのか』を模索する姿。
かっこええぞ、うーこ!
次巡、安全そうな南を引いてうーこは打⑤p、ドラの9sを引いて七八m落としを敢行していきます。
いつもの稲岡を見ていると随分弱気に見えるかもしれませんが、間違えてはいけません。
いつもの稲岡が攻めに偏り過ぎているんです笑笑
このくらいのバランスで余裕を持った手進行で打てている稲岡が実は一番怖いということを覚えておいてほしいです。
話を本筋に戻しますと、この局は清水が吾妻から中のみを和了して1000点の横移動となりました。
東2局は清水が吾妻から東暗刻の東・南を和了して2600の横移動ですが、この局はポイントとなる局面が非常に多かったです。
まず、白銀が1枚目の中をポンしなかった事。打点上昇がそこまで見込める手かと言われると、限定的なツモをした時のみと言った感じなんで、まずはここをポンしなかった白銀の腰の重さは何が起因しているのかと言う点。
次に清水が逆に東1局・2局と和了を拾いに行っている点。確かに打点上昇が大きく見込めるかと言われると微妙ではあるけれど、そもそも来た牌に素直に応答するような打ち筋をしています。
これは清水が自分に対し、何かを感じているという証拠であり、大爆発を起こすための下火を燻らせているように感じます。
吾妻はクレバーな打ち方をしていますが、今回は素直に辺③p聴牌を取りました。まぁ、筒子の下の情報はわからないし、わかったとてリーチのみの辺③pでリーチドラ1で攻めるほどかと言われると微妙であり、放銃になった6sは辺③p外しに取るには絶好の牌でした。
二三四六六m①②p444567s ツモ6s ドラ二m
無論、捨牌に8sと9sがあったためフリテンになる可能性は否めませんでしたが、多面張+タンヤオになる6sツモだったため、ひょっこりはんの辺③pツモ狙いよりは、フリテンも厭わない組み直しが吾妻さんらしいように思えたんですが、ここに吾妻の焦りがあったのかどうかというのは注目のポイントでしょう。
稲岡は配牌から迷わずに平和含みの1向聴となっており、ツモが非常に利いています。うん、悪くないよ。
この感じだったらどっかにチャンスが回って来る。そう思わせるような局でした。
東3局は白銀が天井到達を告げるような3巡目に手変わりしようもない平和5-8s、高め8sがドラの手をリーチし、高めの8sをツモって1300-2600の和了となりました。
なんてことはない天井到達ですが、下火をくゆらせ爆発を目指す清水の親番の出鼻をくじくにはもってこいの和了でしたね。
東ラスは吾妻が清水から發のみ嵌8sを召し取り、1000点を和了して南場へと向かいます。
完全にオカルトですが、オカルトNo.60『小場は小場手が制す』ですね。ただし、オカルトNo.83『かわし場でかわし役がさぼると場は一気に沸騰!』があるので、そこは注意したいです。
何を言っているかわからない人は完全にスルーしてください、ええw
南1局、吾妻に8巡目、1手変わり二盃口もある、場況的にめっちゃ良さげな四m単旗の七対子ドラ2の聴牌が入り、ダマテンとしました。場に1枚切れの東には目もくれないあたり、吾妻の場況読みの正確さがすごく表れています。
これを同じくドラ対子の勝負手としていた清水が四mを掴んで9600の放銃となりました。
オカルトな話をすると清水-吾妻のラインが出来ているなんて言い方もできますが、手牌を絶一門にしてしまう怖さが今回は如実に現れた1局ではなかったでしょうか。
絶一門は手牌が2色に限定されるので非情に手組としてはやりやすい一方、他家にこうした情報を与えやすくなってしまう一面も兼ね備えているというのがわかりやすく実戦で出た一幕でした。
ただ稲岡にとってはラス目が和了した9600で点差はさほどつかないために、まだまだ平常心でいれるところでしょう。
…
いれる…よね?笑笑
次局は清水にさっきの放銃で天井到達を告げるような筒子の混一手牌で發暗刻。上家の白銀が3巡目に切った①pをポンで聴牌。發・混一の⑧pと中待ち。
混一なら先に切っとけくらいの気持ちで切ったであろう白銀の中が清水に刺さり、8000は8300の放銃となりました。
戦いの焔を消さないと、天井ですらこんな高い手が入るのかと思いますが、うーん、どうだろ。
これってここ数戦の稲岡のような戦い方。
血の池地獄でサンマ漁になりかねないなぁというのが正直な印象でしょうか。
そしてここまで特に何もせず、ただ黙って期を待っている稲岡にラス親が回ってきますが、ここまで稲岡の手牌は、オカルトな言い方になってしまいますが、良い伸びをしてきていました。
しかしその前に何かが起こっては、無理せずオリを選択してきていただけであり、ただただ指をくわえて日和見していたわけではありません。
その稲岡がこの親番で素直な聴牌を先制で打ちます。
六七八m⑤⑥⑧⑧⑨p567s南南 ツモ⑦p ドラ7s
これを両面④-⑦p待ちにせず、南と⑧pのシャンポンでリーチとしました。打点をマックスに構える稲岡にとってはむしろこちらが当然の選択と言えそうです。
途中⑤pを引いて⑧pが後スジになりますが、この時の稲岡はむしろ『⑧p打つな! 南を引かせろ!』と言う気持ちだったに違いありません。
そんな阿呆な願いをする馬鹿を、麻雀の女神様は意外と好きだということを僕は知っている。
その願いを聞き届けた麻雀の女神様は、稲岡にキッチリ高めの南をプレゼントし、待望の3900オールとトップ目を稲岡にプレゼントします。
次局、ここまで苦しい戦いを強いられてきた白銀に南・西・中が対子の③pドラの筒子混一の大物手がやってきます。中をポンし、南を自力で暗刻にし、早々にまずまずの形の2向聴とします。
しかし今の稲岡は自然に打って自然な形の聴牌が入ります。
5巡目でドラ辺③p待ちの聴牌が入り、これをダマとしました。人によってはリーチとする人もいるでしょうが、今節の稲岡はバランス型。ここからのオリも視野に入っているのであれば、ダマにするのは当然と言えるでしょう。
2巡後には④pを引いてタンヤオになり出和了が効く形となりました。とはいえこの状況下でドラの③pが出るとするならば白銀が余らせる形で出る以外にはないと言えるでしょう。
白銀はその後、西をポン、南を暗槓とド迫力な手牌を魅せる中、稲岡はさらに⑤pを引いて③-⑥p聴牌を果たします。
僕も稲岡に負けず劣らずのバランス派だと勝手に思っていますが、あの辺③pが③-⑥pになったここが勝負どころと見て、僕はリーチを推奨します。
しかしここで稲岡は③-⑥pダマを続行します。手堅い。僕はここでいつものクレイジーさを出してほしいと願うんですが、今節の稲岡はとにかく手堅い。おそらくここから筒子を引いたらオリまで考えているのでしょう。
でなければダマにする意味はありません。これもまた勇気のある行動だと僕は思うし、このダマは僕とは意見が違うけれど、これはこれで賛辞を贈りたいと思います。
その稲岡が高めでドラの③pを引き和了って2000は2100オールとしましたが、僕なら3900オールは4000オールでしたー、うぇーい!
と言って、そっちのがすごいと言う人はきっと誰もいないでしょう。
この手のダマテンの美しさ。
稲岡らしさは無いけれど、むしろこちらが本来の稲岡だとこれからの麻雀で示していってほしい。
僕はそう思っています。本当に。
次局は清水がドラの九mを切って萬子の一通辺七mをダマテンとしますが、周りが好き放題動いたところで清水が『小賢しい!』と言わんばかりのツモ切りリーチをします。
が、もはやすでに時すでに遅しで、初っ端聴牌でリーチならみんなもオリを敢行したかもしれないけれど、聴牌が近いところ、または聴牌してからだとよほど危険そうな牌を持ってこない限りはみんな和了抽選を受けたいために、頑張ってオシてしまう。
それが如実に表れた局で、結局吾妻が白ポンして嵌二m待ちの白・三色をツモって、500-1000は700-1200+リーチ棒のおまけがついての和了となりました。
稲岡にしてもおなかいっぱいになっての通行料みたいなももんだし、白銀も落とし所としてはまずまずといったところで、3者win-winの形であり、結局清水だけが点数を削られてイライラだけが募る形となりました。
南3局は各者に手が入る中、白銀がドラの東を雀頭にした平和④-⑦p待ちでリーチとしました。
①pが通り、⑤pと⑥pが暗刻になった清水がダブルワンチャンスから浮いている④pを切って白銀に7700の放銃となりました。
なんというか、放銃自体は仕方のない放銃だとは思いますが、この状況に自ら足を突っ込んだ感が否めないですよね。
うーこ。
この前までのうーこ、こんな感じやったんやで。
技術うんぬんじゃない。
理屈もすべて用意されて、お膳立てまで作ってもらって負けにいってる感じ。
勝ちも負けもかっこいいのは清水だから。
うーこがやったらダサいだけなんや。
よう憶えといた方がいい。
オーラスは清水がリーチを打つも白銀がクイタン・三色・ドラ1の5800を清水から和了し3人浮きになり、次局清水がドラの六m単旗でリーチを打つも白銀が700は800オールを和了し、白銀がトップも見える位置まで迫ってきます。
しかし2本場で清水が西を暗槓した門前混一を2-5-8sで聴牌し、これを白銀が掴んで8000は8600の放銃となり、結局白銀は沈んでゲームセットとなりました。
稲岡はあそこまで露骨な混一仕掛けで親の白銀が索子を切り飛ばしてるんだから、その白銀が切った索子を打ちだして清水にアシストする形を取っても良かったかもね。
清水が哭くかはわからないけどね。
その形を見せておけば他家にとってこんな嫌な事は無く、他家も凄く戦いづらいなーって印象を持ってもらえたかもしれないね。まぁ、無難に終える事が出来たのはいいけどね。
てなわけで総評をば。
まずは吾妻。明確に『プラスで終える』という目標に真摯に打っていたと思います。1回戦目が大きなラスであったため、まずはプラスしてから次半荘以降に期待と言うところでしょう。
そして白銀。最後にマイナスになってはしまいましたが、オーラスの稲岡へのせまり方は素晴らしかったですね。
次半荘以降もこの爆発力には注目したいと思います。
清水は大きなラスになってしまいましたが、なかなかどうして血の池地獄でサンマ漁とはならず、血の池に入ったからにはタイやヒラメをしっかり捕ってきますよね。
大きな獲物を取る多面はリスクをいとわない。さすが清水と言ったところではないでしょうか。
ほいな、うーこ。
2連勝て。
この真夏やのに東京は雪降って無かったか?笑笑
ホンマに出来すぎやし、素直な手が入って、また罠っぽい手も来ず、設定6ですよーって教えてもらってるようなもんやで、しかし。
でもな、今日のうーこは勝ちを持って帰る気迫がめっちゃ伝わってる。
変な話、普段のうーこの麻雀より逆に怖さが伝わる。
そんな感じ。
いいじゃない。
勝ったらんかい。
残留うんぬんちゃうで。
目指すんはまずはプレーオフ。
その為には何をすればいいか、もうわかるよな?
ええ麻雀やった。
2半荘目結果(カッコ内は今節トータル)
トップ 稲岡 +22.7(+71.6)
2着 吾妻 +6.5 (▲28.6)
3着 白銀 ▲4.5 (▲28.1)
ラス 清水 ▲24.7(▲14.9)
(※敬称略であることをお許しくださいませ。)