やっぴぃ☆
 
えー、どうも。早速、侍ですけどね、ええ、ええ。
2回戦まで、稲岡が良くも悪くもめっちゃ絡んでおります。ここまでは話したとおり『これぞ稲岡』ですよね笑笑
 
ポイントじゃーない。
とにかく稲岡を対局者に、そしてこれを見るであろう他の対戦者に、そして世の中の麻雀ファンに『これが稲岡です』って印象を深く刻み込め!
 
というわけで、早速宣伝を終わらせていきましょうか!
 
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さて、それでは早速始めましょうか。
開幕戦の後半戦、It's show time!
 
 
 
3回戦(起家:稲岡 南家:中山 西家:松岡 北家:内田)
 
ここまで攻める姿勢を全く崩さず攻め続けている稲岡にとって、起家は嬉しい半面、アクセルを入れ切るには難しいところではあるように感じますが、もらった配牌がまずまずといったところ。
ただ、周りもそこまで悪くないので、後はツモが誰に味方するかといったところでしょうか。
 
先制リーチは中山で、ドラ⑦pの嵌⑧p待ちで、ツモって1300・2600の手です。この時稲岡はドラの⑦pに⑥pがくっついてタンヤオに移行するために白の対子を落としているところ。
そしてタンヤオ一盃口ドラ1の4-7s・四mの変則3面張聴牌を果たして追っかけリーチとすると、これをすぐに中山が掴んで12000和了となりました。
 
攻撃の種火を消しさえしなければこうしてチャンスは訪れる。
チャンスなのか神様のいたずらなのかはわかりかねるところだけれど。
 
チャンスなのか…?
稲!じゃなくて否!
 
まぁそんなんどうでもいいんですが、攻める姿勢を崩さないというのがいかに大事かを具現化したような和了だと思います。
掴んだ中山も恐らく普段通りの打ち方なんでしょうが、大勢論なんでしょうか。大勢論を語るのは好きではないんですが、先ほどラスのリーチに先ほどトップが追っかけるとなんか勝てそうな気がしない時ってありますよねー。
 
まぁとにもかくにも、また来るのか。
ガトリング・ネオが。
 
続く稲岡の手も、呼応するようにいい配牌が訪れる。
そして他家には難しいか悪い配牌が来るのは勝負の必定なのか。
 
しかしファースト聴牌は上手く手をまとめた内田。嵌④p聴牌から次巡⑦pを引いての亜両面⑥-⑨p聴牌の平和をダマテンとしました。
これを好形の1向聴に変化を求めて辺⑦p払いとした稲岡から⑨pが出て親流れとなりました。
 
稲岡が前に出ようとすると内田が必ず止めに入る形が常に出来上がっていますが、この時の平和ダマはセオリーとしても、内田はとにかくこうした裁きを巧みに使うところこそが実は本当の怖さを持つ雀士のように思います。
 
東2局先ほど親満放銃に回った中山が親ですが、全員の配牌はさほど悪くはない。
でも稲岡にはわかりやすいツモが訪れ、他家には不思議と難しいツモが訪れます。
 
僕はオカルティーな話をここでいっぱい書いてますが、基本的にはデジっ子です。これが流れと言う奴だなんてことを言う気もさらさらないのですが、だったらこのツモの差はどこから来てるのと言われると返す言葉を持ち合わせていないのもまた事実。
 
二三四五六六七七m356s⑥⑦p ツモ6s ドラ3s
 
ここから選択肢はいろいろあるけど、稲岡はまぁほぼ手なりの六mを選択すると、2巡後にドラの3s引いて打七mで充分形の1向聴となり、最悪、哭いてもいい手組になったところで、中山から平和ドラ1の聴牌が入り、リーチと来ました。待ちは三-六mです。
 
もはや言うまでもなく稲岡がこの手でオリるわけもなく、内田が中スジを追っての打⑤pとしたところで稲岡がチー。
『無スジの4枚持ちですが何か?』
と言わんばかりに6sを切りだし、勝負とします。
 
このチーで中山のツモだった六mが下家の松岡のところに食い流され、流局となりました。
稲岡のやる気が中山復活の狼煙の2600オールを封じ込めたわけです。
これはたまたまで終わらせていい話なんだろうか?
 
とにかく『戦う事』って大事なんだなって本当に感じさせられます。
 
次局、稲岡の手は滅茶苦茶軽い上に東が暗刻になり、ドラの6sを引けば満貫も見える手を、スッと一mをチーして6-9s聴牌、すぐに9sが出て1000は1300点と供託回収に成功します。
 
稲岡はアホみたいに攻めるイメージがあると思いますが、元々はバランス型の選手だと思ってまして、さらにたくさんの選手に揉まれる中で、
『他家が何をしたら苦しく感じるのか』
と言うことを本能で記憶しています。なんせ自分がいつも受けている攻撃なんで笑笑
この辺は経験がものを言ったというところでしょうか。
 
僕はこの和了はかなりいい和了だと思いました。
 
東3局は親の松岡が4巡目平和のみをリーチ。稲岡がまたアホみたいに索子混一で行ったらんかい!と攻めるもさすがにツモ和了って3万点を超えてきます。
次局東3局1本場。
 
ドラが南で内田の手に対子でチャンス手となっていますが、内田の心理としては28500点持ちで次が親なら、今までのスタンスを考えると南のみでスッと流したかっただろうに、なまじ南がドラになって逆にやりづらいなぁと思っているのではと思いました。
 
稲岡に索子が色濃く入っておりさらにドラの南が浮いているので、ここは間違いなく染めに入るなぁと思っていたけれど、残念なことにもう1枚の南は点数の無い中山のところにあり、重ならないどころか下手したらこの南で2人の手が死亡してしまったら、面倒な事に松岡が突っ走るかもしれない。
そんな風に見ていたんですが。
 
稲岡の手が恐ろしいくらいに索子の寄りを見せ、10巡目に綺麗なメンチン平和1s高め一盃口の聴牌が入り、ここでドラの南を切りだすと内田がこの南をポン。奇しくも同じ1-4s聴牌で、1-4sの引き合いになりました。一応1-4sが場に出た場合は内田の頭ハネとなりますが、10巡で場に索子が3枚しか出ていないウルトラ索子が高い場で、おそらく稲岡はほぼほぼ聴牌。内田も聴牌していて何の不思議もない場で、索子を切りだすのはあまりにも危険。
 
二人のシヴァきあいは明白といったところでしょうか。
 
そしてこのポンで稲岡の手が止まります。考えてるのはオリ…なわけないわな。リーチして倍満確定にしたろかいやな。
やめとけ、その手は最終形じゃない笑笑
 
内田も当然前に出ます。稲岡に対して索子もバンバン打っていきます。
そんな中、稲岡の手は手の内に一盃口が出来、1sで高め二盃口の手になりました。
 
稲岡…
最終形だ、リーチだ!
と思ってたけど結局はダマにしました笑笑
 
結局は流局となったわけですが、他家もさすがに稲岡は清一だとは思っていたとしても、ここまで大きな手だとは思っていなかっただろう。
同時に『この稲岡と言うアホはドラの役牌を切る時はこのくらいの手で無いと等価交換だと思わないのか』という印象を植え付けたのは大きな収穫だと僕は思う。
 
流れて次局は中山がリーチのみを内田から和了し、稲岡1人浮きで南場に突入します。
無論、まだ当確ランプなんてピクリとも動いておりません笑笑
 
言うてたら中山のリーチにすぐ刺さるっていうねw
1300でまぁ通行料みたいなもんだけど、真っすぐ行った結果やねんけどさ。ほんま刺さりよるわーw
 
南2局は松岡の七対子リーチに内田がクイタンドラ1で攻め、それを中山が混一対々で攻め返すも、ここは内田が真っ向勝負に向かい、キッチリと2000点+リーチ棒をものにします。
内田はこの手を和了すると原点の復帰にも成功する。ここが勝負どころと思った時の踏み込み方が本当に素晴らしい。無駄な勝負はしないけど、勝負どころは逃さない。
カッコよさを感じます。
 
南3局松岡の親は、松岡が混一対々ツモり三暗刻まで持っていくも流局。
次局稲岡がクイタンのみの300-500は400-600をツモ和了しオーラスを迎えます。
 
オーラスも稲岡の手が軽く、4巡目に役無し嵌七mの聴牌が入りますが、聴牌取らずとしました。
手形が悪くないので、ダマで和了出来る手組を目指していますが、これでリーチを打つのは勝負をはき違えている気がします。
あくまで勝負しても納得できる手で勝負する。このスタンスをしっかりわかっているなと思いました。
 
その間に親の内田はチャンタ三色の哭き仕掛けを入れ辺三mの聴牌をするも、稲岡は嵌七mをチーして⑥p片和了の三色のみの聴牌を入れます。
この辺りのバランス感覚は僕は秀逸だと思いましたね。
4巡目のリーのみよりは片和了でもこの哭き仕掛けの方がまだマシだと思える感覚は僕は素晴らしいと思いました。
 
この⑥pを内田が掴んで稲岡が1000点を和了して対局が終了しました。
稲岡は2連勝で、この半荘は1人浮きとなりました。
 
松岡・内田は沈みこそしたものの、自分の麻雀を存分に見せたと思います。
これが次の半荘に繋がるかはわかりませんが、まだまだ死んでいないと思います。
 
中山は自然に手を組んでいます。決して悪いとは思いませんが、いかんせん放銃が大きかった上に打点が安かった。
これがうまくまとまっていけば、浮上のきっかけとなるかもしれないと思います。
 
ほいで、うーこ。
まずはおめっとさん。
 
この半荘はテクニックも結構見せつけたと思うよ。
それでいてガトリング・ネオの威力も存分に見せつけたと思うよ。
 
どうせどっかでまたやらかすんやろけど、結構なプラスが見えてきたやないか。
期待してんぞ!
ひよるなよ!
 
 
 
3半荘結果(カッコ内数字はトータルのスコア)
 
トップ 稲岡 +27.8(+22.0)
2着  松岡 ▲2.0 (▲0.1)
3着  内田 ▲4.3 (▲7.7)
ラス  中山 ▲21.5(▲14.2)
 
 
 
 
4回戦(起家:稲岡 南家:内田 西家:中山 北家:松岡)
 
ここまで稲岡の勝負を捨てない魂に勝利の女神がほほ笑んでいる結果となっていますが、実は1半荘目に戦い方の指針を明示して以来、各者の戦い方は全員ブレていない事にお気づきでしょうか?
大体持ちポイントによって打ち方は変化してくるのが普通で、それによって打ち方がぶれたりすることが結構普通なんですが、この4名は一切ぶれていません。
 
松岡あたりのデジっ子がぶれないのはわかるんだけれど、点数を持った稲岡もまるで点数思っていないかの如くの戦い方だし、中山、内田も自分のスタイルを貫き通しています。これがいい方に出ることもあれば、悪い方にぶれちゃうこともあるのですが、恐らく第一節と言うことが大きく影響しているのでしょう。
第一節は自分の打ち方を曲げないという意思を持って打っていると思われます。
 
それがいいかどうかは考え方次第ですが、少なくとも自分の意志を持った麻雀であり、それは否定の出来るものではありません。
最後まで貫き通すのも僕はいいと思います。
 
さて起家の稲岡は好調を維持するような好牌牌からツモが筒子に伸び一気に筒子混一をにらみます。
その稲岡が5巡目に⑧pを両面でチーして、ドラの②p二枚使いの辺嵌③p待ちの11600に取りました。
 
これを嵌⑧pでチーしないのは巡目も早いし、少しでも混一臭を消したい意図からだろうか?
僕はこれはあえて嵌⑧pでチーすることにより、早めに③pを切らせたい他者の心理を突く哭きとしたいところです。いわゆるネゴシエイトなんですが。
 
まぁどの道、白の対子が手の内にあったんですがこれは絶対にポンなんですが、その白がすぐに出てポンするのですが、本来の稲岡のツモがすぐに脇に流れるのですがその牌はなんと③p。
結果的にはすぐに③pをツモっていたわけですが、これは稲岡を責めれません。
 
待ちはドラ②p2枚使い亜両面②-⑤pで待ち変えもしないでハネツモも狙う構えですが、強引に⑤pながらツモ和了し、4000オールスタートの幕開けとなりました。
ただなんだろう、一抹の不安が流れるこの4000オール。
次局は早々に松岡が平和のみの聴牌で發ドラ3の聴牌になった中山からダマテンで和了。
 
東2局、松岡が2巡目①pポンから入ったのがこの形。
 
五九m③③⑥⑧⑨p56s中中 ①pポン ドラ⑧p 打五m
 
これは筒子に寄せながら中バックをにらむ2枚腰的な哭きで、筒子と字牌に警戒を入れさせるネゴシエイト的なポンですね。
デジっ子的にもこのポンは実戦的でかなり有効なポンだと僕は思っています。
ここからドラの⑧pをツモり九m切り、②pを引いてドラ⑧pを出来るだけ固定の形に持っていきたい松岡は⑨pを打ち出してきました。
 
そこに好調の稲岡は以下の手になります。
 
七八九m④④⑤⑤⑥p24567s ツモ3s ドラ⑧p
 
ここから稲岡は打2sとします。
確かにドラ周辺である⑨pが混一模様の松岡から出てきて筒子を打ち出す聴牌を組み、さらに待ち変えるなら④pを打ちださないといけない聴牌にするのは平和のみでは見合わないかもしれない。
 
でもこれまた大勢論みたいな話になるから好きではないけれど、この絶好調時に嵌3sを引きいれて聴牌を取れたんだ。押し出されるように⑤pを切って聴牌を取ってもいいんじゃないだろうか?
少なくとも、この営々たる戦いで、ずっと稲岡はそうやって危険に自ら足を運んで相手をシヴァきまわしてきたはずである。
 
ここでキッチリ筒子を打って松岡の手をかわし切ったならもはやぐうの音も出なかったはずであり、仮に放銃に回ったとて、開局のアドバンテージを返すだけのことだ。そうやって稲岡は戦ってきたはず。
 
この時の稲岡の思考を聞くことが出来た。
稲岡の思考は『和了が出来るとするなら④-⑦pではなく、③-⑥pだから、聴牌を外してでも③-⑥p聴牌を目指した』
ということらしい。
 
確かに2sを打って聴牌を目指す方法はあると思う。危険も少ないだろう。
でもそれは『稲岡の戦い方』ではない気がする。少なくとも『この日の稲岡』の戦い方とはマッチしていない気がする。
 
稲岡と言う打ち手は瞬間の聴牌を逃すのを嫌う打ち手だと僕は思う。僕自身はどちらかと言うと納得のいく最終形でなければ瞬間の聴牌は聴牌とすら思わないような打ち出だと思う。
 
その稲岡と僕が主張を反転させていることがおもしろく、麻雀の奥深さを感じています。
ただ僕はこの2s打ちに関しては稲岡のこの半荘に対する暗雲が立ち込める一打のように思えてなりませんでした。
 
その稲岡に生牌の白が来て、ほぼ断念の形になっていきます。
この心の流れが僕は残念だったなぁ。まだ前に出れる。その内は目いっぱい前に出ろ!
 
そうこうしているうちに親の内田が聴牌を果たします。
待ちは⑤-⑧pで、その聴牌打牌は松岡が雀頭の中で、中を切りリーチとしました。
この中を松岡はポンして真っ向勝負します。真っ向勝負とはいえ松岡は中をポンして③pと⑥pのくっ付き聴牌の1向聴です。
 
確かに松岡はポイントの欲しい半荘ですが、仕掛けとしては引くに引けないから前に出ている感じだし、内田は親で両面待ちとはいえ筒子待ちであり、聴牌打牌は刺さっても何の不思議もない生牌の中です。
 
どちらも前に出るための理由はあるものの、その前の出方はただただ遮二無二といった感じであり、それは2回戦3回戦と稲岡がやってきた戦い方と同じと言っても過言ではありません。
なぜ稲岡がここでそれを出来なかったのかが僕には悔しくて仕方なかったんだ。
 
このリーチに松岡は真っ向勝負するもテンパれず、内田の一人聴牌で流局となりました。
内田の聴牌はまだいいとしても、松岡のノーテンに稲岡は何を見たか。そこは気になるところです。
 
次局1本場、3巡目に稲岡が以下の手となります。
 
三四六七m①③⑤⑦⑧p99s北發 ツモ發 ドラ①p
 
ここで北を離したところ、すぐに内田から發を打たれますが稲岡は仕掛けません。同順に松岡が發をツモ切りするとこの發を稲岡が仕掛け、打六mとしましたが、これはホンマに意図が不明瞭な仕掛けと言わざるを得ません。
 
内田が發を切って松岡が2枚目の發をツモ切るまで全て同順内の話であり、もちろん稲岡にとっては何も状況が変わっていません。
その状態での2枚目ポンは「自分は手が悪いです!」と公言してるようなものです。こういう2枚目のポンは出来るだけしない方がいいポンだと僕は思っています。
 
そしてポンするにしても打六mの意図がまた不明瞭。確かに二度受けであり両面でも2度受けの形は好形とは言えないとは思うけれど、ここは両嵌というもっと愚形部分が存在していて、ここを捌く方が優先ではないだろうか?
 
さらに『この局のテーマ』を稲岡がどこにおいているかも不明瞭なところ。打点が欲しい局面ではないと思うんだけれど、もし欲しいのであればそもそもポンする必要はなく、捌きメインなら1枚目からポンした方がいい。さらにドラ塔子も不必要であり、なおさら筒子の両嵌に手をかけなければいけないところではないだろうか?
 
ひょっとして、さっきの局、後悔しちゃったりしてる?
トリマ、この哭きはかなり微妙な選択だと僕は思っています。せめて数巡たった後なら話もわかるんだけれど。
 
この局自体は結局両嵌が埋まって打①pとしたのちに中山が①-④p待ちの平和聴牌をダマにし、内田から④p召し取り成功で1000は1300と供託回収となったのですが、稲岡に危機感を持たざるを得ません。
 
次局中山の親で3巡目に嵌四m聴牌をダマにします。
点数の無い親番で早い聴牌をダマにするのは今までの中山からすれば少し違和感を感じましたが、次巡に三mをツモって雀頭の南を切って1向聴に戻し、タンピンを目指していきます。これはすごくいい一打ではあるけれど、今までの中山なら南と三mのシャンポンでリーチと行くところ。
 
これはまだ巡目が早かったこととポイントが欲しい事。牌の並びが良かったことが影響しているので、そこまで違和感のある聴牌崩しには感じではないのだけれど、今までの打ち方と違うこともまた事実です。
 
稲岡がその間にクイタンで局消化を目指す中、中山にタンピン聴牌の②-⑤pでリーチとします。
稲岡もその後四-七mで聴牌をし、ここはしっかり真っ向勝負をします。その稲岡がツモりあげ、400-700とリーチ棒の回収となりました。
 
東4局、内田が好牌牌を手にし、4巡目に絶好の辺7sを引いて聴牌。ドラ5sを2枚使っての3s高めの一盃口3-6s待ちをリーチとしました。
これをすぐに高め3sで引き和了、2000-4000の和了で南入します。
 
親の稲岡にドラの4sが対子のタンヤオ手が見えますが、同時に中山が配牌ほとんど索子の大物手の予感のする手がやってきます。
結局中山に3-4-6-7-9sの5面張聴牌をしますが、山には残り1枚で、その1枚も稲岡が吸収し、中山の1人聴牌で稲岡は親落ちとなりました。
 
次局内田の親。内田は早い段階で嵌六mの聴牌を入れますがここはダマにして変わり待ちとしました。
ドラの一mを1枚使っているので、デジっ子的には即リーチでもいいところですが、この辺りは内田の雀風とマッチしているように思います。
 
しかしその間に中山が先制リーチを打ちます。待ちは發と⑤pのシャンポンで、ドラを1枚使っているので發をツモれば2000-3900まであります。
このリーチを受け内田は現物の五mを切り、粘っていきます。そしてフリテンながら1-4-7sで聴牌し直し、すぐに1sをツモり1300オールとリーチ棒の回収となりました。
 
ただ現物を切っただけでなく、キッチリ勝負になりそうな時は押し返す。一貫して内田は打ち方を曲げておらず、4人の中で一番落ち着いて打っているのは間違いないと思います。
そして内田はすでに稲岡と600点差と迫ってきました。
 
次局、中山の筒子混一、松岡のクイタンをキッチリかわして内田がクイタンドラ2の5800は6400を松岡から和了し、トップ目に立ちます。
その次局は中をポンしてドラの西と6sのシャンポン聴牌であっさりとドラの西をツモりあげ4000は4300オールと内田の独壇場となります。
手順は至って普通。手なりと言っていいんだけど、ここまで我慢してきた内田にプレゼントのように簡単な高打点が舞い降ります。
またそれに反するようにどんどん稲岡の手が悪くなっていくから麻雀は恐ろしい。
 
次局4本場も内田の配牌が滅茶苦茶いい。
それに打ち手は技巧派の内田。この時の手順はオーソドックスながら逆にそのシンプルさが非常に美しいので紹介したい。
 
五六七七m④⑤⑥⑧⑨p3335s ツモ⑤p ドラ白
 
内田はこの時点で普段の打ち方から辺⑦pでリーチはみじんも考えていないと思います。恐らくこの時点で4sや6s引きで辺張を払いたいと思っていると思います。
そこに⑤pツモで辺張を払っていきます。そこにドラの白を引いて打⑧pとし、白を使っての和了も考えます。
1巡挟んで5sツモで打⑤pとし、白と456三色変化を待つ一旦のタンヤオを見て打⑤pとします。この⑤p切りがなかなか味のある一打ですよねー。
 
次巡、6sを引いて456三色にロックオン。打白とし、次巡四mを引いて5s切りリーチですよ。
456三色に向かって点線を歩むようなこの手順。シンプルかつオーソドックスだからこそ美しい。そう思わせます。
これをリーチとし、あっさり安目ながら7sをツモりあげ、2000は2400オールとします。
 
次局5本場、ファースト聴牌は中山で、役牌を仕掛けて⑥pをチーしての嵌②pの役牌混一一通の7700の聴牌を入れます。
そこにようやく稲岡がドラの六mの嵌張待ちでリーチとしました。その六mを中山が掴みますが、中山は回避します。その間に松岡はダマで平和ドラ2を聴牌していましたが、中山がまわったのを見計らって追っかけリーチ⑥-⑨pとし、稲岡が⑨pで放銃。7700は9200とリーチ棒を献上することになりました。
 
稲岡はこれで原点を割り込みますが、やる気を出すのが少し遅かったのがやっぱり気がかりかなぁ。
稲岡の麻雀は怖さを全面に出すことで他者に対してプレッシャーを与え、他者の心を折り、止めてしまう麻雀。
それを最後の最後で出し惜しんだことが今の結果に繋がってしまったのではないか。
そんな風に感じました。
 
次局中山の親で配牌ドラ二m3枚使いのタンヤオ手がスッと入り、すぐに嵌③p聴牌。これをあっさりツモって4000オールとします。
1本場、稲岡が白を暗刻にしての嵌四m聴牌から両面四-七m聴牌になってリーチ。これをツモって1000-2000は1100-2100の和了でオーラスを迎えます。
 
オーラス、松岡が親番でリーチドラ1の3-6sでリーチを打ちますが、内田が萬子に寄せていきます。
出来るだけ安全を拾いながら手を進め、長引くものの辺三mを引いてメンホン一盃口の五-八m・北のエントツ3面張待ちになり、これをツモりあげて2000-4000で締めくくりました。
 
それでは4回戦を合わせた総評を書いていきたいと思います。
 
 
まずは内田ですよね。
終わってみたら卓内トップ。我慢して我慢して最後に大爆発をさせたという印象で、掌で三人をコロコロさせていたようにすら見えるから恐ろしいですよね。
守備の意識もしっかりしているのに目指す打点と最終形が美しくてリアル。
毎年僕は桜花の椅子の候補に挙げているのですが、今年はそれもリアルに感じるので、このまま頑張ってほしいなぁともいます。
 
次に中山。ただただナチュラルに打つだけかと思いきや、伸ばすところは伸ばす意識がはっきりしていて、手が入れば爆発力があるんだろうなぁと思いました。
ただ、今節は1回戦目こそ良かったものの、2回戦目以降から手が入らなかったのが悔やまれます。
次節以降に期待したいところです。
 
そして松岡ですが、ポイントこそ卓内ラスですが、かなりいい麻雀だったなぁと僕は思いました。
やりたいことも明確で、かつ押し引きもキッチリされていました。
粘ったものの最後だけ内田の爆発に巻き込まれたイメージですので、そこまで引きづらなくていいように僕は思いました。
次節以降巻き返しに期待ですね。
 
ほんで、うーこ。
最後、やらかしたよなー。
もっと最後までハッキリと打ち続けろよ、ガトリング・ネオを!
 
とはいえ、とにかく1発目の桜花でプラスポイントを残せたこと。何より稲岡らしさを存分に発揮できたことは、かなりの好材料だったように思う。
桜花の椅子は険しいいばらの道。
次節以降もそのいばらの道を笑いながら突き進めよ。
 
最後に。
最高に笑って最高にダサくて、でも最高にかっこよかったぞ。
 
 
 
4半荘目結果(カッコ内数字は今節結果)
 
トップ 内田 +50.9(+43.2)
2着  中山 ▲6.9 (▲21.1)
3着  稲岡 ▲12.5(+9.5)
ラス  松岡 ▲31.5(▲31.6)
 
(※敬称略であることをお許しくださいませ)