やっぴぃ☆
 
えー、どうも。
暑い日が続いていますねー。皆様熱中症など気を付けてくださいねー、ええ。
 
麻雀打ちには関係ない話ですか、御意。
しかし『暑い』は関係ない話かもですが『熱い』戦いと言えば麻雀打ちも日々、感じているのではないでしょうか。
 
てなわけでね、連盟女流最高峰の戦いも第4節に差し掛かり、上を睨む者、下に落ちまいと抗う者の熱い戦いが繰り広げられておりますよ、ええ、侍ですけどね、ええ、ええ。
 
しかし本当に最近よく思うのは、連盟は解説陣が非常に充実していますし、自分のこのブログって大丈夫、解説とかに負けてへん?
今回の解説は前田プロ。元鳳凰位・最強位ですよ。
 
でもまぁ、女流桜花の熱い戦いは皆さんに見てほしいので、それが伝わるならまぁいいのかなーなんて思ったりとモヤモヤしている今日この頃ですけどね、ええ。
嬉しい事に、君のブログは必要だって声もいただけました。まぁそんな声があるのなら書き続けるのもありかなって思えましたね、ええ。
 
さ、ウダウダ言ってても始まらないから早速今節の見どころなんかを書きましょうか。
 
稲岡の対戦者は武石・山脇・中野の3名。
折り返し地点を回って現在稲岡の順位は降級スレスレの14位で▲37.5です。入れ替え戦にかかる15位の和泉が▲58.7とまさにけつに火が付いている熱い状態。
 
対する山脇が+89.5の3位、武石が+68.7の6位と上位陣。ここは加点をしたいが大崩れもしたくない両名に対し、中野は▲100.7の18位と降級待ったなしの状態ではあるものの、中野も桜花の決定戦にまで出た実力者であり、プレーオフの位置まで2節残して50ポイント差とそこまで無理な数字ではないわけで。
となると、中野もここはマイナスを叩けず、しかももはや下の位置なんで恐れる事は何もないので、叩きに出る事は予想されます。
 
そんな思惑の中、女流桜花の始まる前に稲岡と話す機会がたまたまあったわけですが、4節目について稲岡の考えを聞いてみたところ、
 
「とにかく4節目は攻める。リーチで押し切って攻める。」
 
と言っていました。僕はそんな稲岡に一抹の不安を感じたんですよね。
ただ、今の稲岡は物事を複雑に考えすぎるきらいがあり、それはそれでいいのかなぁとも思いました。
 
なので、
 
「それでもいいけど、とにかくバランスはしっかり保つんだよ。勝負するならリアルな加点が見える形がいいと思うよー。」
 
とだけ簡単に言ったんですが、はたして稲岡がどう出るのか。楽しみにして見てみようと思います。
それではそろそろ書いていきたいと思いますが、まずはいつもの宣伝から。
 
ニコ生、もしくはフレッシュを開いていただいて、連盟チャンネルに登録していただき、実際の女流桜花を見ながら読み進めていただければ、よりリアルな目線で読み解く事が出来ると思いますので、よろしければご登録、よろしくお願いいたします!
 
いつものように1節4半荘を2半荘づつ書いていければなぁと思っております。
それではそろそろ始めましょうか。
 
It's show time!
 
 
 
1半荘目(起家:稲岡 南家:武石 西家:山脇 北家:中野)
 
まずはいつものように1半荘目の序盤をじっくり見ていきましょう。その人の今節の戦い方が垣間見えてくるのは稲岡ブログのルーティンとなっています。
出親の稲岡の配牌がこう。
 
一六八九m④p2258s東西西白中 ドラ九m
 
十三不塔一歩手前の牌姿。ここから素直に一mを切りだしていく。今後のツモ次第によってうまくまとまればといった考え方で、オリを前提といった感じではないと思われます。
僕なんかだと配牌もらってこの感じだと「はいはい無理なんっすね、来世がんばりますよ」ってな感じで、チャンタ・七対子・役牌バックなんかを考えて六m辺りを切りだしそう。
しかしこのあたり『何も取りこぼしたくない』と言う稲岡の強い信念のようなものも感じ入ります。
 
こんな時は前がかりにならないかが懸念されるところですが、はたしてどうか。
 
武石の配牌がかなり良く、山脇はあまり良くないながらも筒子へと寄せていきます。山脇はポイントをたくさん持っているので、あまり無理な攻めはする必要はないところですが、手牌に殉じた攻めをするという構えがここからは伺えます。
混一は攻めの手に思われがちですが、意外に守備に回りやすい手と言うのも加味されているかもしれません。
 
中野はドラの九mが対子であり、おそらくは武石・中野の2人でこの局は進行していくことが予想されます。
その中野は3巡目に早くも七対子の1向聴となりますが、七対子と面子手の選択を強いられる場面で、中野は七対子を選択し、面子を壊していきます。その後、対子の三mが暗刻になり、もう一度面子手にも取れるチャンスがありましたが、あくまで対子系に固執しました。↓
 
三三三四四九九m⑤⑤p2388s ツモ1s ドラ九m ⇒打1sツモ切り
 
対々なんかもありましたが、微妙な手ですよねー。僕なんかは筒子の混一もいることだし、⑤pに手をかけながら二m辺りを引きこんで面子手を選択しちゃいそうです。⑤pは1枚浮かせておく感じになりますかねー。
まぁ正解は何かがわかりませんが、こうした『選択を強いられる時』はそのこと自体が展開として微妙な気がしちゃいますよね。
 
その間に1向聴まで絞っていた中を武石が切りだし、途中で中を重ねていた稲岡がポンしてようやく愚形残りの2向聴。すぐに武石に一盃口のみの嵌⑧p聴牌が入ります。その後、稲岡にターニングポイントがやってきます。
 
八九m⑦⑧p223s東西西 中ポン ツモ東 ドラ九
 
東は生牌だったものの、武石が切りだしての東ツモで何を切るか。ここで稲岡は打⑦pとしました。山脇が筒子の混一をしているので筒子が高く、筒子を拒否する打牌選択といったところでしょうか。
そして次順に⑧pを切り、武石に一盃口のみの1300を献上することになりました。
 
この放銃をどう考えるか。
 
僕は非常に甘い放銃と見ます。
まず稲岡の当初の配牌と比べてみましょう。あの配牌で和了を考えるのは無謀であり、ここは負の期待値を下げる事に専念するのが得策であったはずです。それが自分の手で満貫クラスの手が見えてきた。
だからといってその現状自体がが大きく変わるでしょうか?
 
武石はバランスの良い麻雀をいつも打っているイメージがあります。あまり無謀な事をしないイメージです。あくまでイメージであり、そうじゃないかもしれないけれど、武石が筒子の混一がいるとわかっていながら中を切りだしてきていて、生牌の東まで切りだしている。これはもはや聴牌と読むのが自然と言えるでしょう。
 
それに対し、自分の和了を考えて筒子の両面を落とすというのはあまりにも無謀であり、同じ刺さるのであれば、西の対子落としで刺さる方が僕は納得いきます。
 
なぜ聴牌が濃厚に予想される武石はリーチをしてこないのか。
打点問題でのリーチ回避かもしれないけれど、付け加えて『待ちの悪さ』を鑑みたのでは。
そしてその悪さの所以は、筒子待ちだからではないだろうかと考えが至りさえすれば、筒子に手をかける事はないと僕は思います。
 
しかし裏を返せば、これがいつものうーこ。
ただ和了だけを見て、ちいちゃい脳みそで考えて、やたらに効く和了の嗅覚のみで手を進める。それが稲岡。
 
またいつもみたいにジェットコースター麻雀をやるのかよ。
こっちの気持ちが持たないや笑
この放銃を見た時の感想をそのまま書きました笑笑
 
その次局、武石が親でツモ・平和の700オールを和了しますが、山脇の仕掛けがいいですね。こういう安い仕掛けを連盟公式ルールにおいては否定的な声を上げる人がいますが、連盟公式ルールにおいて最も重要なのは『リアルな加点』だと僕は思っているので、まずこういった仕掛け自体も僕は推奨派だし、山脇はこのポイントに至ってもこのスタイルを崩さない。
 
山脇がこのポイントに至る過程にはこのスタイルであったからこそといえるわけで、ポイントを持ったからといってスタイルを変えてリズムを崩すというのが一番怖いところですが、うん、いつもの山脇だといったところ。
武石も淀みなく手牌進行をしており、武石もいつも通りといったところでしょうか。
 
次局の東2局1本場。稲岡の配牌はかなり良く、懸念はドラの二mが浮いているところ。2巡目には浮いている4sに3sがくっつき、3巡目には嵌八mを引きいれて以下の手で聴牌を果たします↓
 
二七九m③④⑤p3477789s ツモ八m ドラ二m
 
二m切って平和のみの聴牌を果たし、5巡目に5sをツモ和了って400・700の1本場をツモ和了する。
 
へ?
てか、は?
 
何ダマ?
連盟公式ルールにおいては平和のみはダマテンというセオリーがあり、見ている方もおそらくなんの違和感もなかったかもしれません。
しかし僕からすれば違和感しかない和了です。
 
まずこの手に手変わりの要素は一つもありません。強いて言えば6sと六m引きを待つくらいで、そんなツモをするくらいなら2-5s引く方が早そうです。
そして稲岡は3万点から2000点凹みの28000点。リーチを打って和了すれば3万点を超える事が出来るわけで、この手をダマにする理由そのものがありません。
 
セオリーはあくまでセオリー。この手はリーチでよかったはずです。
 
僕なら二m切りの時点でダマ。ポンされた時のみダマとし、アクションなし、もしくはチーまでなら次巡にリーチとします。いくら僕がヒヨリストだとしても、3巡目平和聴牌で簡単にオリを選択することはしません。
一番気がかりなのは「今節はリーチで押し切っていく」と言っていた、先ほどは自分の和了のみを鑑みてわざわざ筒子をぶつけていった稲岡だからこそ、ここはリーチだろうよと思わざるを得ません。
 
大丈夫か、うーこ?
 
しかし次局、山脇が4巡目のドラの中と北のシャンポンリーチに対し、稲岡は役無し④-⑦pで真っ向勝負に出ます。東が雀頭であり、リーチ宣言牌の8sは宣言牌のド裏スジ。まぁ4巡目リーチなんで裏スジの危険度が特別に高いわけではないというのは最近のセオリーとなっているとはいえ、稲岡の手自身の打点問題もあり、一旦東を切ってタンピンを狙うというのも選択肢の一つですが、ノータイム勝負。
 
これを山脇から⑦p召しとり。
結局『今宵は稲岡ジェットコースターをお楽しみください』かよー笑笑
でも、確かにいい和了だ、うん。
 
南入しての稲岡の親番で、稲岡は萬子の染め手に走り、八mと北のシャンポン聴牌を果たすも、終盤に差し掛かったところで山脇がドラの一mを重ね2-5s聴牌を果たし、山脇が5sをツモ。稲岡が親っかぶりをし、3万点を割り込んでしまいます。山脇・稲岡は普通に打っていただけですが、ここに中野の存在が大きくかかわっております。
 
中野は山脇が聴牌する結構前に①pと三mのシャンポンで聴牌を果たしています。三mは萬子の混一もいるしあまり望みはないかもしれませんが、①pは自身が②p暗刻で自分の目から②pは4枚見えていてノーチャンス。①pは場に1枚であり、確かに他家にオリられた上にアホのうーこにド真っすぐでこられる危険はあるけれど、山のどこかにいる①pを稲岡と2人で掘り合う形でリーチと攻めてさえいれば。
 
山脇もチャンス手なんでそこそこは真っすぐ行っていたであろうと思われ、聴牌までは恐らく真っすぐ行くと思われます。その後山脇が①pをリーチ後にツモ切っていたので、中野の和了はあったんですよね。
山脇の点数は28800点であり、3万点復帰もあったんですよ。
 
怖いかもしれないけれど、中野がここで火中の栗を拾う形で攻めてさえいれば、山脇の満貫は阻止できたわけです。
これが中野のスタイルと言えるかもしれないのだけれど、大きくポイントをマイナスしていることも加味すれば、はたしてどうだったのかと懐疑的に感じざるを得ませんでした。
 
麻雀の世界に『if』という言葉は存在しませんが、あのまま山脇が馬群に埋もれるように沈んでいればどうなったかとは思いますが、3万点を超えてきた山脇が、親番で山脇らしい小気味の良い和了を繰り返し、あっという間にトップ目に立ちます。これが山脇の真骨頂と言えるでしょう。
これにより原点を割り込んだ武石は素早く対応し、即座に原点を取り戻す。辛いですね。この当たり前の辛さこそが武石の真骨頂とも言えるでしょう。
 
オーラスは山脇が和了し、そのまま1回戦を終了させました。
 
まず先ほども書いたとおり、一番『らしさ』を醸し出していたのは、武石だったと僕は思います。なんといいますか、全てが当たり前であり、オーソドックスだと言えるでしょう。しかしそれを淀みなく、キッチリ繰り出せるのが武石の麻雀ではないか。僕はそう思っています。
またトップを取った山脇も、序盤は牌の巡り合わせが良くなかったものの、終始自分の麻雀を打っていたように感じました。
 
対して中野。ある意味どっしりと構えた普段の麻雀ではないかと思うものの、ここに至っては『リアルな加点の追求』こそ必要ではないか。
その点において、少し出足が遅れているように見受けられました。
この出足の遅さが今後どのように影響するのか。そこは注目すべきところでしょう。
 
さてうーこ。
ジェットコースターで激しく揺られてふわっと着地って感じやね。
まだまだええふうにぶれるのか悪いふうにぶれるのかは見えないけれど。
 
もはやうーこに対しては『ぶれるってどーよ』みたいなことを論じるのは10年くらい前に辞めたんだ笑
どうせなら、もっとはじけろ。もっと暴走しろ。
どうせ負けるなら、華々しく散ってこそ、だろ?
 
 
 
1半荘目結果
トップ 山脇 +16.6
2着 武石 +4.5
3着 稲岡 ▲7.6
ラス 中野 ▲13.5
 
 
 
2半荘目(起家:稲岡 南家:中野 西家:山脇 北家:武石)
 
東1局、中野、武石が三色のくっきり見える手、山脇は索子の混一へと向かう中、またも出親の稲岡だけは方向性の定まらない形。結局中野が和了するのですが、その中野がツモ④pのところで以下の形になった時のこと↓
 
三五六七八九m③⑤⑥p45s中中 ツモ④p ドラ⑤p
 
ここで中野は⑥pを切って345の三色へと向かっていきますが、これは僕の中ではかなりの疑問種。いや、確かに345の三色は見えるところですが、この手で③pや三mを残していること自体がぶくぶくと言うよりは余剰すぎる気がするのは僕の麻雀観との違いとしてまだ納得するんだけれど。
 
この手で④pツモと来て456三色の方を見ない理由は何か。
三色は外側の牌の方で待つ方がいいという考えからでしょうか?
しかし待ち牌が6と3なんてほとんど変わらないし、345を選択しちゃうといよいよ三mは切りきれない牌となります。
 
この局は結果、三色は崩れたものの中野が2600を和了し今節の初和了となったのですが、手筋の微妙さと言うよりは、中野の気持ちのブレ、打点は欲しい・少しも逃したくないという気持ちが出過ぎたように思いました。
中野のようにどっしり構えるタイプはここから真っ向勝負に出る事はあまりないように思うので切りきれないと思ったらヤメってことになるんでしょうが、それならやめやすい形に取りながら三色は456。仕上がってから真っ向勝負の方が普通だと思うんですよねー。
 
対してこれにまっこう勝負を挑んだのはアホの稲岡。
リーチが入ってから七対子ドラ⑤p単旗で追っかけたのですが「この日は全部リーチで押す」と自分で言っていた通りの押しとは言えるんだけれど、それを聞いて違和感を感じ「勝負はリアルな加点で」と言った僕の言葉の真意は伝わって無かったんだろうなーと感じました。
 
索子の混一をやっているであろう人が一人いるとはいえ、三色を目指す、まぁ稲岡目線でみれば三色を目指しているかはわからないと思うんで、普通の手を目指しているであろう切り出しをしている人が2人もいる、と言った方がいいでしょうか、まぁそんな中、その2人にはマックス需要の高いであろう⑤p単旗でリーチに行って勝算あり、リアルな加点が出来ると考えたんでしょうか?
 
切りきれない、切る気もないしオリたく無いからリーチと言った感じだとしたら、それはすでに稲岡が言っていた「全部リーチで押す」と言ったその真意は『オリたく無いから』だったんでしょうか?
 
稲岡がリーチで押すと言っていたのはあくまで先制リーチをかける事の効能を言っていたように僕は思うので、このリーチは意図と全く違う。それならダマで全プッシュの方がまだ綺麗に感じています。
稲岡の心もかなり焦りを感じている。僕はそう捉えました。
 
まぁ稲岡クラス、それすらデフォともいえるんですけどね笑笑
 
気がかりなのは2600を放銃した山脇。索子の役々混一と勝負手からの放銃なんで悔いなしですが、1半荘目から放銃に回るケースが多く、1半荘目はトップだったものの、中野の和了逃しがあって復活したと言った印象で、基本的には『良くないことがずっと山脇に起こっている』と言った印象を強く受けます。
 
総合3位につける山脇の不調がもしあるんだとしたら、今節は山脇を陥落させるチャンスなんだけれど…
 
東3局、稲岡は武石に手痛い満貫を献上してしまう。
まずは11巡目に山脇が七対子1向聴となって切った8sを武石がチー。その時の手牌が以下の形↓
 
一一四五八九m⑦⑧⑨p東東 879sチー ドラ一m
 
チャンタ三色を目指して打四mとしたこの四mを今度は稲岡がチー。
 
八八m⑤⑥⑦p22356s中 四二三mチー ドラ一m
 
このチーは稲岡はどう考えたのだろう?
和了を取りに行くというよりは速度感を合わせに行った哭きだと感じましたが、僕は結構この哭き自体は推奨派です。
 
ただ、こと稲岡に関して言うならば、門前で勝負しても全く問題が無い形であり、稲岡の勝負形として考えた場合のみ、疑問に感じるとは言えると思います。
 
これをチーして哭いた場合、この手は一気にかわし手へと変化するわけで、無理な勝負は絶対に避けるべきだということを理解すべきだとは思います。
なので、稲岡は場に2枚切れの中を打牌選択しましたが、ここは3s切りを推奨します。
 
1sでの形式聴牌も逃したくないという気持ちはわかりますが『速度を合わせに行く≒他者の速度と自分の速度は似ている』と考えるわけなので、他家もほぼほぼ聴牌と考えるのが当然の発想。ここは形式聴牌取り6段の僕でも無理はしないところ。
 
ここに七対子1向聴ですが、七mの対子以外は索子と字牌だけという山脇のところに7sが訪れて、山脇は索子の混一へと切り替えて、打七mとしました。
この七mを武石がチーして打五mで武石はチャンタ三色の東とドラの一mのシャンポン聴牌。
 
この七mチーで稲岡のところに東が流れ、稲岡がツモ切り。武石に満貫の献上となったわけですが。
 
先にも書いたとおり、あの四mをチーした段階で無理はしちゃいけない。その武石が七mもチーしている。
さらに手の内から四・五mと打ちだされ、武石の捨牌は4と6が多数切りだされている。
さらにさらにドラは一m。
さらにさらにさらに、どっしり構えるタイプの武石が2つも哭きを入れている。
それら全てを加味すれば、容易に満貫クラスの聴牌だという予想は出来たはずです。
 
そこに場に1枚切れの東を切るというのは、無謀を通り越して武石への忖度クラスの打牌と言っても過言じゃないと僕は思っています。
四mのチーがやり過ぎとは思わないし、いい反応くらいに僕は思うけれど…
この東が止まらないのは、もはや焦りを通り越している。焦りと勝負熱で盲目になっていると言っても過言ではありません。
 
ホンマに大丈夫かいな、うーこw
 
これにより親番を迎えた武石が、武石らしい連荘を重ねます。
これに捕まるのは山脇。当初に懸念していた『山脇に良くないことが終始起こっている』というのが如実に表れだします。
山脇は選択肢がどうだったかと言う場面がチョコチョコあったりしましたが、失点する場面はある種仕方のない局面ばかりであり、やはり山脇の不調が伺えます。
 
その山脇も手は真っすぐ作っているので聴牌までは至っているんですが、その山脇の聴牌に止まらないのが稲岡。
稲岡が行かざるを得ない状況になる『状況の後押し』が起こるのが現在の稲岡の状況で、山脇が武石に放銃し、稲岡が山脇に放銃することで稲岡の点棒が山脇経由で武石に行くというガレナーになってしまっています。
 
稲岡はこの負のスパイラルを断ち切るには、どこかでその鎖を断ち切る様な事を起こせればと願わざるを得ないのは、公平な立場で見れてないんだろうな、やっぱw
 
そんな気持ちが届いたのかどうかはわからないけれど、稲岡が驚異の粘りを見せる。
南3局、山脇が一人聴牌・九種九牌と連荘をしての3本場。
 
山脇がずるいよってな配牌を手にします↓
 
一三四六七m②④⑤⑥⑦⑦⑧p27s ドラ七m
 
字牌以外だいたい何でも受け入れますよ、みたいな配牌であり、こんな配牌が来たら『自分は25%ゾーン。聴牌はおろか和了はまず間違いなしで、問題は何点か』みたいなことを考えちゃいます。
 
それを受けての稲岡の手牌がこう↓
 
一七m⑤⑦p45s南西西北白發中 ツモ九m ドラ七m
 
こんな手が来たら頭の中でダイナマイト四国が『シッコクシッコク!』ってやり続けてる画が頭の中に浮かびながら国士を念頭に置き、ちょっとだけチャンタとか混一なんかも意識して⑤p辺りから切り出して様子見ちゃいたいところw
しかし稲岡は一mと切って普通に手を進めます。
 
その稲岡が5巡目に中野から切られた自風の西に反応します↓
 
七八九m⑤⑦p45s南北發 西ポン ドラ七m
 
遠っ!
でもこの諦めない気持ちってのは大事。大事ではあるけれど、それは同時に危険の回避も頭の中には想定しておかねばならず、バランスが非常に大事。
ちなみに普段の稲岡はこのバランス感覚が非常に秀逸で、稲岡の本当の武器はそこだと僕は思っています。
 
ただ…
今の稲岡にそのバランスを保てるほどの胆力があるとは思えない…
 
そして恐れていた事に、というかまぁあれだけ形が良ければ当然とは言えますが、山脇に先制聴牌が入ります。待ちは二-五-八mの絶聴。
捨牌はこんな感じです↓
 
一2②p3④⑦四⑦(リーチ) (漢字…萬子・○…筒子・数字…索子)
 
こういう時、あぁ何が手出しでんいがツモ切りだったか覚えて無いやーって方は、別に覚えて無くてもいいです。
ただこの捨牌、筒子に違和感があるのわかりますか?
 
どれが手出しかはわからなくても、最後の⑦pが手出しなのはわかるはず。
と言う事はその前に⑦切ってるわけですから、最後の⑦pが手牌に影響していることは明白で、また⑥⑦⑦pみたいな単純な手からの切り出しはあり得ないよねってのもそこからわかりますよね(⑦pから切りのケースはあるけどねw)。こうしたことが全てヒントになるので、切りだしの違和感だけをしっかり感じましょう。これ、根越ワンポイントアドバイス!笑笑
 
話を元に戻します。
稲岡はこのリーチを受けた時点で以下の手牌↓
 
七八九m⑤⑦p45s南北北 西ポン 
 
ここで九mをツモって⑦p-⑤pと払っていきます。これは単純に愚形を払ったとも言えなくもないし、通っている⑦pを一旦切ったように見えるかもしれませんが、これは稲岡の読みがあったかもしれません。
つまり、⑤pは通ってはいないけれど、最後の⑦p切りで筒子は完成形、もしくは筒子が当たるとすれば、⑧pもしくは⑨pの対子の形ではないか、という読みです。
どっちみち⑤pは比較的通るので、そのギリギリラインで攻めていこう。そう考えたのかもしれません。
 
だとすれば、どこでどう持ち直したのかはわからないけれど、随分と冷静であり、素晴らしい胆力ではないだろうか。
稲岡はここから6sを引いて打⑤pとし1向聴、そして南を引いて聴牌。ドラまたぎで怖いけれど、ここで九mを勝負。
そしてそこでまさかの山脇が南を掴んで3900の2本場の和了となりました。
 
この動きが正解だったかどうかはわかりません。大事なのは稲岡がしっかりとしたリアルが見えていたこと、そして稲岡が負のchainを自ら断ちきったことだと思います。
実際、この和了で稲岡はラス抜けをすることができ、仮にマイナスだとしてもより少ないマイナスにとどめる事が出来る。
これが後に生きる事は充分あり得るわけで、しっかり先を見据える稲岡のハートの強さに脱帽と言ったところです。
 
しかしオーラス、武石が点棒を持っているところに無双をはじめ、その無双に食らいつこうとして、逆に稲岡は武石の7700に突き刺さってしまう。刺さったのは嵌7sなんだけど、とにかくここは我慢が大事だっただけに、甘い。
ローソンの白いたい焼きくらい甘い!
せっかく立て直した態勢を自ら壊す。どんだけジェットコースター麻雀なんだとw
 
結局そのままこの半荘は終了し、武石の大トップでこの半荘は終了した。
 
まず目を見張るのは武石の麻雀。
とにかく全く危なげない感じであり、押すと引くのバランスが秀逸。点数を持ってからはとにかく武石無双が素晴らしく、ホント、もっと世に出て強さをアピールしてもいいのにと思わせるほどの強さ・うまさだと僕は感じました。
 
中野はなんとか浮きには回ったものの、地蔵感が半端ない感じでしたね。耐えていると言えば聞こえはいいのですが、正直、何も出来なかったというのが本音のところでしょう。それがまた彼女のどっしりとしたスタイルでもあり、否定はできないところなんだけれど。
 
山脇はとにかくいいところまで行って、悪い目が出てしまうを繰り返しています。中途ヅキだからとかオカルティーな事を言う気は全くありませんし、彼女も恐らくそんな風に思わないであろうから、自身の打ち方を崩しませんでしたねー。
さすがと言ったところですが、それと同時に打開策を何か考えないとその後に大きな落とし穴があるかもしれません。
 
そしてうーこ。
 
俺は頑張っているなんて褒めないよ。頑張ってるのはここで戦う全ての人が頑張ってるんだ。
求められるのは過程なんて甘いことも言わない。
結果、結果を出せよ。
 
もっと抑えないと。
もっと気持ちをコントロールしないと。
この半荘、いいところもいっぱいあった。でも悪いことが多かったからその点数なんだということ。
 
それを忘れんな!
まだ2半荘。結果、出せるよな?
 
 
 
2半荘目結果
トップ 武石 +39.1(+43.6)
2着 中野 +4.1(▲9.4)
3着 山脇 ▲16.7(▲0.1)
ラス 稲岡 ▲26.5(▲34.1)
 
 
 
次へ続く。
(※敬称略である事をお許しくださいませ。)