敬語の使い方は、気持ちが大切! | やっぱり日本語!言葉で伝える、伝わる力

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Words&Communication Lab. WIP代表で日本語伝道師(ナレーター・日本語教師)の吉川雅子が日本語について感じることを発信していきます。言葉で伝えるもの、伝わるもの・・・常に敏感でありたいと思います。

4月がスタートして、新年度ですね。

 

あちこちで新入社員の方などが研修をしていたり、初々しさを感じる時期でもあります。

 

そこでまず引っかかるのが敬語の使い方ではないでしょうか。

 

最近、私は『いただく』という言葉がかなり多く使われているのを耳にします。

 

『もらう』という言葉に対して、敬語の意味で『いただく』と使っている場合です。

 

相手を敬う言い方にしても『尊敬語』と『謙譲語』がありまして、

 

『尊敬語』は、相手の行為や状態を立てて高くする表現ですね。

そして、『謙譲語』は、自分の行為や状態を低くすることで相手を高める敬語表現です。

 

そして、『いただく』ですけれど・・・

これは、『もらう』の『謙譲語』です。

*自分の行為や状態を低くして相手を高める表現です。

 

だから尊敬すべき相手に対して、『これをいただいてください』はダメ!

 

『お受け取りください』とか『お持ちください』とか・・・(場合によると思いますが)

 

一生懸命、敬語を使わなきゃと思いすぎると、何でも尊敬語、謙譲語をごちゃまぜに使うことになりますので、慣れないうちは無理しなくてもいいのではないかなと思うのです。

 

それよりも、誠意を見せて丁寧に言おうと思えば、堅苦しい敬語よりも気持ちが伝わったりしますよね。

 

たとえば上記の例で言うと、『受け取ってください』を心を込めて言うと、相手に対しての尊敬の気持ちが伝わります。

それから少しずつ、正しい敬語表現を使えるようにしていくというのでもいいのではないでしょうか。

 

気持ちを通じ合わせるためのツールが言語なので、ぜひしっかりと気持ちを通わせて欲しいなあと思うのです。