店頭の果物がすっかり冬モード。
義母からリンゴをもらう。
色艶・香りが素晴らしいのに、どうも食指が動かない。
切ってみて、やっぱり…とガッカリする。
容姿と違い、果肉はモサモサで味がない。
火にかければマシにはなるけど、わざわざ調理するほどの量でもない。
声に出せない不満を募らせていると、実家の母から電話がある。
いつものアレが届いたから取りにおいで。
シャキシャキの歯応えとジューシーな果汁、溢れんばかりのミツ。これだよ、コレ!
父が岩手県に単身赴任していた時の元部下さんが、青森県の農家さんから直接仕入れ、わざわざ毎年送ってきてくれる。
人の縁も相まって、余計に沁みる。
幸せには少しくらいお金をかけてもいい。
むしろ幸せをくれた人には、感謝や応援の気持ちを込めてお金を払いたい。
さすがに良い物は美味しいね、この辺で売ってるのとは違うわぁと義母。
だったらそろそろ、安物買いの銭失いは卒業してみないかい?
本の備忘録
110 白川紺子/契約結婚はじめました 憧れが詰まった暮らし。物語の面白さ以前に、建物の趣や食事風景に夢中になってしまう。昔ながらの日本家屋…いいなぁ、いいなぁ!
111 獅子文六/沙羅乙女 育ちのアレコレは体に染みついていて、どんなに隠そうとしても顔を出す瞬間がある。愛だけでは乗り越えられない壁があるのはいつの時代も同じ。
112 佐野洋子/ぼくの鳥あげる 飛べないのにあちこちへ行かされ、色々な人に色々な感情をもたらす鳥。私のところへは来なくて大丈夫。小さいながらも満たされてるから。