もちろん、悪い方の意味で。
どうやらお付き合いした男性は、ことごとく変わり者だったらしい。
もちろん、そのままの意味で。
女は恋の話が好きだ。
寄ると集まると、片想いの相手が何だとか、彼氏の行動が何だとか。
聞いてよ~!と泣き出す似非ヒロインあれば、上から目線の経験談聞かせますオンナもいる。
それぞれのエピソードを話すことで、気持ちをスッキリさせたり、何らかの学習をしたりする。
とにかく話題は尽きなくて、まさに恋愛は十人十色。
知人友人はあたしの話を聞いては、心配したり驚いたり不安になったりしたという。
何しろ相手が特殊だから、その内容も世間一般のソレとはちょっと違っていたようなのだ。
例えば、恋に傷ついた人がいたとする。
慰めたり勇気づけたりするために、自分の体験を引き合いに出すことがある。
誰だって辛かった過去はあるよ、だから大丈夫って。
そんな時、友達はあたしのエピソードを聞かせてあげたという。
そして、みんなが元気になったと…
おいおい、誰が失敗談の宝箱だ!?
まさか自分の色恋が、知らないうちに誰かを救っていたとは…
おばさんになると、さすがに恋バナで盛り上がることはなくなった。
日々の暮らしが精一杯で、それどころじゃないもの。
その代わり、過去の遍歴で盛り上がる。
お笑い芸人と合コンしたことあったよねとか、バンドマンと付き合ってたよねとか。
順番にイジられて、大体あたしの話がトリを飾る。
おい友よ、なぜ涙を流すほど笑う!?
あたしはいつだって、真剣だったのに!
そんな人生だったからか、恋愛映画やドラマにイマイチ夢中になれない。
だって、どれもこれも中途半端なヤツばっかりなんだもん。
ドロドロ系もコメディ系もトラブル系も、もっと色々あるだろ~よ?
あたしがレクチャーしてやろうか!?
作りモンなんだから、現実越えてこいよ!
だからあたしは、正統派のストーリーが好き。
シンデレラストーリー、最高。

いいんだよ、アレコレ手を加えなくたって。
そんなのは、実生活だけで十分。
そう思いません?
恋愛モノ、フィクションはノンフィクションには勝てない。
全然同意を得られない、あたしの説。