翡翠初め。

初(はじ)めではなく初(ぞ)め。
書き初めの翡翠Ver.です。

どうも今年初の翡翠拾いなので。
もう11月になるけど初めは初め。



なかなか動けない日々が続いたけど、遅ればせながらワクチン接種が完了したので。
県外に出るのもこれが今年初。越境初め。



今回は波を選んで日にちを決めた。
波高0.2m、周期2.0秒が2日間続く予報があったのでここに。
翡翠が上がらないより砂浜で拾うものがないことの方が辛い身。



せっかく行くので2泊3日。
雨も最終日だけ気をつければいいみたいなので出発前々日だけど急いで手配。
お宿は11月から朝日町が現金払い限定5000円割引のクーポンを発行しているので、今回も朝日町一択。

いつも通りレンタカーとバスも予約をとって初日は宮崎と歌を電車で巡るプラン。駅から近いは強い。



1日目
7時半から宮崎海岸散策開始。
日曜日だから朝でも人がいっぱいだ。目に映る範囲をざっと数えただけでも、釣り人と翡翠ハンターを合わせて20人は下らない。

とりあえず今年初の翡翠。

10.48g 比重3.11
ラベンダーの色がないタイプ。
小さいけど宮崎らしい。

宮崎は初日は必ずひとつは拾えるけれど2日目以降は芳しくないというジンクスがあるのでひとつ拾えれば十分だ。

さすが日曜日、翡翠目的の親子連れがたくさんいる。
子供が走り回っているので釣り人に優位をとれる点は悪くない。
ただ、いくら波の優しい宮崎とはいえ海で小さな子供から目を離す親はどうかと思うぞ。



ロッカーに大きな荷物をつめこんで電車で歌に移動。
案の定車が5台も停まっているし、浜に降りてみると10人以上が翡翠棒を持っていた。
ウェダーに着替えるのに手間取っていると上からもう1組来る始末。
もうすっかりメジャーなポイントになってしまった。

まず東側を散策してから河口に戻ってくると、何ン兎なくさんが採集品の撮影をしているところだった。
カメラが止まったので声をかけて石を見せてもらうと、透過の良さそうな緑翡翠。羨ましい。



ここでもひとつだけ拾って糸魚川へ。
レンタカーは店舗が少し離れている為、いつも通り迎えに来てもらおうと電話をしたらコロナのために送迎は停止しているのだという。
歩いて15分。大きな荷物は宮崎のロッカーにあるので大した距離ではないけど、これが真夏じゃなくて良かった。



車を借りて須沢。
ここでもまたひとつ。

32.35g 比重3.21
須沢は本当に苦手なのでこれだけでもすごく嬉しい。まともに拾えたのは初めてな気がする。
緑が鮮やかで意外と透過もいい。



宮崎のロッカーで荷物を回収し、お宿へ。
豪華な夕食がついて五千円。
朝日町さまさまだ。

音に敏感で宿に時計があると電池を外さないと眠れないぼくは昨晩の夜行バスでも眠れるはずもなく、今日はもうへとへとだ。
寝る前に少しだけ散歩をして、11月なのに薄ぼんやりと天の川が見えてラッキーだった。
20時には就寝。



2日目。
4時30分に起床。
目覚ましは4時50分にセットしていたのでだらだらしながら5時20分にチェックアウト。

ぴあパークの自販機で缶コーヒーを飲みながらここでもだらだら。
ぼくの大好きな歌海岸に着いた頃には、すでに車が2台とまっていた。

いつも朝イチの採集を目論んではいるんだけど、まだ日の出前に拾えたことは一度もない気がする。
目がいい人は有利なのかもしれない。
夜のうちに大荒れでもしていればいくらか有利なのかもしれないけど、いまのところ朝イチの恩恵を感じられたことはないなあ。

9時までだらだら徘徊。
ここでは7個採集。
歌はいつだってぼくに優しい。

今日の1個目は小さな妖精ラベンダー。

5.12g 比重3.26
小さいけれどやっぱり透過がいい。
裏面は少し翠が入ってる。
結晶が緻密で手触りが最高だ。



河口近くでこの季節に潜っている人がいた。
夕方にツイッターを見てこの人だ!ってなったけど、あれだけの翡翠を採集できるなら潜る価値はあるだろうなぁ。一度やってみたい。



朝を抜いてお腹が空いてきたので、お昼時まで青海で時間を潰す。
浜辺が砂砂な反面波は低く、波打ち際を浸かって探すしかない。
残念ながら今回の翡翠棒はザルじゃなくおたまなので、波をいなせず掬った石がころころ逃げていく。次はザルにするぞ。



石段に落ちてた緑。

9.71g 比重3.19
いかにも選別後といった感じの石英やロディンの山から拾い上げたもの。
これも石英だと思われて捨てられたのだろうけど欲張りなぼくは多分翡翠だろうと思って持って帰ってきちゃった。
小さいので全透過して綺麗。



ラーメンショップで腹ごしらえをして須沢でひとつ拾った後、早々に富山側へ。
今日最初の翡翠がラベンダーだったので少し満たされてしまった。良くないね。

途中でまた歌に寄って5個拾ってから、境海岸で少し遊んでお宿へ。
今回、寄ってひとつも拾えぬまま車に戻ったのはこの日の境海岸だけだった。

昨日泊まった海岸沿いのとは違う、宮崎西のトンネルを抜けた先のお宿。
朝日町クーポンは連泊が出来ないので移動する必要があるのだ。
ここでも豪華な夕食がついて2200円だ。朝日町最高。



さて、最終日は出発前の時点で1時間最大1mmの雨の予報だったけれど。
実は初日の朝、電車で糸魚川駅へ向かう際に確認すると最終日は1時間最大10mmと出ていた。
1mmと10mmでは全然違う。今日はどこの海岸にいこうかなとか言っていられるような降雨量ではない。
どうしようか迷っていたところ、昨日の時点で最大1mmまで下がっていたので見間違えたかな?とホッと胸をなでおろしていたのだけれど。



最終日。
朝見たらまた6mmまで増えてやがる。
見間違えじゃなかった。
そういえば冒頭で話した波の予報とかも全然嘘だった。
日曜日の午後と月曜日はずっと波高0.2m周期2.0秒のはずだったのに、日月どっちも砂だった。
なにひとつ的中してないぞ予報。



とりあえず最終日は4時40分に起床。
これはぼくの特技というか体質というか、目覚まし時計のセットした時刻の10分ほど前に起きちゃうやつ。
毎日の起床時間とまったく違っていても、寝る前にセットするなどしっかり意識してから眠ると、ある程度身体が覚えてる。
これがいまいちいいことなのか悪いことなのかわからないけれど。
同じような人はけっこういるらしい。



また5時20分にチェックアウト。
もう雨がざーざーよ。最終日もまずは歌。
ぱらぱらした雨ならここは高架下で採集できるから傘いらずだろうけど、この雨ならもうどこでやっても一緒って感じ。
そもそもぱらぱら雨でもあの屋根の高さなら意味ない説。

ポンチョタイプのレインコートを被って浜に降りると雨はかなり弱くなってきた。
すでに先人がいたけれど今日は波が低い。雨の暗い中でどう動くべきか悩まされる。

結局いつも通り動いていつも通り朝のアドバンテージを失った。
なんだかんだで今日も朝の間に小さめながら5個採集できて、雨も強くなってきたしもう帰っていいかなムードが漂う。



18.28g 比重3.16
この日は特にあげられるほどいいものは拾えなかったので歌らしい灰黒。



雨飾高原の露天風呂が明日で終わりなので行こうかなと思ったけど、旅館に電話かけたら「雨で湯温下がってるよ」と言われて断念。

お昼ごはんを食べてる間に雨があがったので、ニコレン近くの押上へ。
靴を履いたままぶらぶら散歩で時間を潰して車を返却。

初日は宮崎に大きな荷物を預けていて身軽だったけれど最終日は当然フル装備。
ゴロゴロとスーツケースを引っ張りながら糸魚川駅までの15分を、また降り出した雨に降られてとぼとぼ歩く。つらい。



帰宅。
荷解きもほどほどに、お風呂からあがってすぐ翡翠の測定に入る。
遠足は帰るまでが遠足、翡翠採集は測定までが翡翠採集だと幼稚園で教わった。

以前使っていた0.01g刻みのデジタルスケールが壊れたので新しく買って普段使いもしていたタニタのクッキングスケールが0.5g刻みだった。
忘れていたわけではなく、なんとなくいけるだろと漠然と考えていたのだけどいけるわけがなかった。
重さ10.5で体積3.5と測定された石でも、比重にすると最大2.74~3.29までブレている可能性がでてくる。
そうなると石英から上質翡翠まで全てストライクゾーンに入ってしまう。まったく役に立たない。

0.01gのデジタルスケールを急遽購入。
次の日には届くのだからすごい。



とりあえず現地で翡翠判定した石が20個。
比重測定で省けたのがひとつ、怪しい二軍から昇格したのが5つであわせて24個。
そのうち18個が歌の翡翠なのだから、ぼくの贔屓ぶりが窺える。
そして相変わらずの小粒ぞろい。




これにて2021年の翡翠初めは終了。



…初めのはずが納めになるかもしれない。