二上山へ行ってきました。
1ミリにも満たないようなガーネットと運が良ければサファイアを見つけられる、有名なお手軽産地です。



まだ小さかった頃に行って以来、ほとんど20年ぶりかな。
アウトドア派の親父に連れられて妹と3人でガイドブックを頼りに探索したのを覚えています。

その時は情報が足りず、本の産地にはたどり着けなかったんですよね。二上山の周りをぐるぐる車で走って、川を見つけては降りてみたりしてましたが。
結局石を探すのは諦めて、二上山南側で見かけたアスレチックコースで遊んで帰ろうとした時のこと。林道の脇を流れる小さな沢を覗きこむと、川底を赤で埋め尽くすようなガーネットが溜まっているのを発見。
まあ、当時はほんとに子供で、親父もアウトドアの延長でぼくらを連れてきただけのど素人。持ってきたものといえば幼稚園児が使うおもちゃのようなスコップとスーパーの袋だけ。

時間も時間だったのでわずかな赤い砂を持ち帰っただけの思い出ですが、いまだに鮮明に覚えています。



さて、今回の話ですが、ずっと大人しくしていたぼくも緊急事態宣言も解除されたしそろそろ何かしたいなということで、近場で遊べる鉱物産地を探していた所、久々に二上山に行ってみたいなと思い至った次第です。
桜井市の針道も行けそうだな、ついでに吉野の桜も見に行きたいなと、1日かけて遊び尽くしたくなりましたが、シーズンで混雑していそうなので今回はガーネット採集のみということに。



二上山も穴虫のほうは有名になりすぎてなかなか採れないと聞いていたので、子供の頃に偶然見つけた沢を探すことにしました。

家を少し遅めに出て下道をゆっくり走り、10時前に二上山南のアスレチックコースに到着。
とはいってもアスレチックコースそのものはすっかり封鎖されていて、昔の面影はありませんでした。
駐車場にとまっている車もすべて登山客か釣り堀のお客さんものでしょう。
パンニング皿とバケツを持っている場違いな男はぼくだけでした。

いざ出発です。
駐車場から林道を見たところ。


まったくの記憶違いでなにも見つからない可能性も考え、ここではまだ長靴には履き替えず、リュックにしまったまま。

歩き始めて30秒、右手から水が流れている音がしました。もう30秒も歩くと降りやすそうなところがあり、早速沢の中へ。
一見するとなにも採れそうにありませんが少し観察しているとガーネットがそこかしこに溜まっているのがわかります。
やはりガーネットは二上山南側でも見つかるようです。

沢をあがり、また林道を登っていきます。
結局3分ほど歩きましたが、あまりいいポイントが見つからないので先程降りたポイントまで戻ることにしました。バケツとパンニング皿を両手に持って登山客とすれ違うのが恥ずかしかったというのもあります。



最初のポイントに降りて長靴に履き替え、ステンレス製の小さい移植ゴテとふるいを用意。
中型のスコップも出しましたが小さな沢なので無用の長物でした。

少しパンニングしただけでたくさんガーネットが採れます。



ここのガーネットはほんとに小さく、大きなものでもせいぜい数ミリ。3ミリを超えるととてもガーネットとは呼べないような塊になってしまうものばかりでいい標本は望めません。
ただ、色は鮮やかで小さなものは結晶も美しく、レンズで観察する分には楽しめます。

なによりここ一番のお目当てはサファイア。こちらも1ミリ程度でどれだけ集めたところで二束三文ですが、結晶と透明感、そして鮮やかな青色は素晴らしいです。



俗に金剛砂と呼ばれるこの赤い砂を1時間ほど集めたところで満足したので引き上げることに。
また1分ほど歩くだけで駐車場まで戻れてしまいました。

この後は悲願である穴虫の様子を見に行くつもりでしたが、もう採るものは採れたので結局一度も奈良県には立ち入らずに早めの帰宅。



帰ってから採ってきた金剛砂をきれいに洗い、ベランダ広げて乾かします。
その工程で一粒サファイアを発見しました。

ちょうど1mm程度の小さなサファイアです。
標本的価値はありませんが眺める分には面白い。

あとはこの乾燥させた金剛砂からサファイアを探し出す作業ですが、こちらは適当に時間を見つけて進めていきます。



久々の鉱物採集でしたがそれなりに楽しめました。