ヤッパくんです。
私の会社は3月決算。多くの会社さんがそうであるように、私の会社も来週から新年度のスタートです。
IT営業としては、やっぱりがんばって注文を多く取ってきたいところ。
そんな中、自らへの戒めも含めて、「クラウド」というものを再認識したいと思います。
近年よく話題に上がり始めてきた「クラウド」。ゴール2でアレックスが書いていたのは、意見の対立を解消するための図のことを指していたかと思いますが(古いすね汗)、今私があげているのはIT企業が提供し始めたサービスとしての「クラウドコンピューティング」のことです。
「クラウド」ってなんなのか、なぜ「クラウド」が出てきたのか。
「クラウド」という言葉自体は、営業として巷のお客さんの話をいろいろ聞いてみていると、どうもイメージが固定化していない、そんな感じがしてます。
ヤフーメールとかGoogle Appsのような「ホントの」クラウドから、単にサーバーを、会社事務所でなくITベンダーのサーバールームに置くことまで広く認識されているようです。聞けば、IT屋さんから説明された内容をそのまま信じていることが多い。後者なんかは「詐欺に近いんじゃないか」と思う位にクラウドでない気がするんですが、IT業界の皆さんどう思います?
で、wikiってみると、結構あっさりした説明が。
>ネットワーク、特にインターネットをベースとしたコンピュータの利用形態である。
>ユーザーはコンピュータ処理をネットワーク経由で、サービスとして利用する。
だそうです。
確かにこういうと、先ほどの後者なんかも「クラウド」に入るんでしょうが、もしそうだとしたらそんなこと、ン十年前からフツーにやってきたこと。特に近年取り立てて騒ぐ話でもなかろうに。まったく。
まるで、今まで使われてきた「ASPサービス」という言葉の計画的陳腐化を図っただけなんじゃないかと。
そんな風に疑われてもしゃーない気がします。やってること同じなんだから。
そんな、眉唾な「クラウド」技術ですが、じゃあなぜ使う側の支持を受けているのか。
その答えを得るには、利用者側視点でものを見る必要がありますね。
「クラウド」の利点は次の2つに収斂されると思っています。
1つ、お高いソフトウェアやハードウェアをドカンと購入して資産計上しなくていい。だからその分税金もかからず経営がスリムです。
2つ、アッチコッチに情報資源が分散・冗長配置されているので、局所的な災害に強い
このうち、冒頭自らの戒めのため、と申し上げたのは1つめのところ。ソフトウェアって、高いんですよね。
企業の基幹システムともなると単価自体がべらぼうに高いし、かといって価格だけで選べないジレンマがあります。納期、品質、会社の信用、実績・・・受注生産型のソフトウェアを選ぶ際、いろいろな見えにくいリスクも踏まえて考えないといけません。というのも、一度ソフトウェアを選定したら、額が額だけに、なかなか「やっぱりやめた」というわけにいきませんので。
同じような仕事の仕方をしている業界、いくつか思いつきます。例えば建設業。他に造船業、航空、原発とかのエネルギーとかもそうですかね。ただこれらの業界とIT業界の一番の違いは、IT業界には恐ろしいくらいに消費者保護の観点が法整備上進んでいないということ。
製造物責任法はソフトウェアは対象外、建築基準法のような利用者の生命・安全を守るための罰則付きの法整備もなし。つまり当事者間で締結する民事上の「契約」がすべて、ということです。これじゃあ買う側としちゃリスクありすぎでんがな。それでも一度買ったらもうカンタンには他社ソフトに切り替えられない。
購入後の年間保守料が開発総費用のン%なんつー、売り手側の基準がまかり通ってしまうわけです。
加えて、導入時のITベンダーのプレゼンテーションは経営者の皆さんにとってどう聞こえるんだろう?
「クラウド」ひとつにしたって、ぶっちゃけ巷では認識が統一されてないんです。ベンダーの流暢なデモプレゼンに、「言いくるめられてる」感はないんだろうか?ただでさえIT用語は横文字大杉ですし。
そんなITでも、ないと業務が成り立たない、時代に取り残される、という強迫観念から導入せざるをえないと考えてしまうとしたら、よほどIT業界ってタチのわるいゴロツキ業界ですよね。
「クラウド」は、そんな経営者の皆さんにとって、閉塞感漂うIT投資環境の中現れた救世主だったんじゃないかと。なんせ初期投資がいらないんです。「使ってみてダメだったら他にすればいい」、が出来るんですから。
「クラウド」がもてはやされるのは、今までのIT業界への強い警告。メッセージだということですね。
しっかり意識に刻み込んで、新期を迎えます。
↓診断士試験と関係ないように見えますが、クラウドの目的位は1次の経営情報システムで出てくれるかもしれないので、躊躇なくポチお願いしますm(__)m
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